goo blog サービス終了のお知らせ 

日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

Be my hero ~貴方は私達のヒーローそのもの~ (多村選手へ)

2010-07-18 11:31:21 | ホークス

 タムへ

 本当は昨夜の内に書きたかったのですが、いつものことだけど仕事の後は疲れ果て、雑用をこなしてお風呂に入ったら、もう夜中の1時を過ぎていました。

 早番、日勤、遅番、夜勤の4交代制で働くシフトなため、生活は気をつけてはいても結構不規則です。自分の身体をはってプレーをするプロ野球選手程ではないにしても、体調管理が結構大変な仕事ではあります。子育て一筋だった頃よりも自由になる時間はなく、かつてのようにホークス全試合を見る(あるいはラジオで聴く)ことは勿論出来ません。殆ど試合中は勤務時間だから。昨日は途中交代したタムがベンチでチームメイトに一生懸命話している姿が画面に映しだされたので、むしろ、バッターボックスに立っている時よりも身を乗り出して観ていました。その前日も、(疲れているのかな…。思い切って休めるといいのに)と思いながら観ていたので、正直なところ、秋山監督が途中でタムをベンチに下げて休ませて下さったとき、内心ほっとしました。ベンチにいても身を乗り出して声かけする姿が印象的なタムですが、昨日は背もたれに寄りかかりリラックスした様子で、ちょっと安心しています。腰痛はどうなんだろう。黙っていてもきっと辛いんだろうな。腰をやられると慢性化してしまうもの。私も身体介護で腰の痛みは説明できないものであることは知っています。自分の身体を騙しだまし、庇いながら業務をこなしている、そんな感じ。 勿論、タムは素人の私とは違って、日々のトレーニングや試合後のマッサージなど入念にしているそうですし、そんな怪我等と向き合う姿勢も、それでも怪我を恐れず全力投球で向かっていくプレースタイルも何もかも尊敬しています。 でも、休めるときは思い切って休んで下さいね。今季はずっと大きな怪我なく殆どの試合に出場し続けているタム。打撃もずっと好調を維持し、夏場を迎えた今、疲労が出始めたのかな…と、気になりつつ見守っています。 最近、ブログの更新もあまりないなって、そのことも気になっていました。

 サッカー日本代表が魅せてくれた団結力や、ベンチも含め、「皆で戦う」姿は、ベンチに居てもチームメイトと一丸となってきた、これまでのタム、という「人となり」そのもの。私も含め、タムの大ファンという人達は、殆どが、そんなタムの姿に魅了されているのだと思います。
何事にも、何があっても腐らない姿というかー。むっとするようなことにも、(表情には「かすかに」でますが)何も言わずに飲み込んでぐっと耐えているとっても強くて紳士的な姿だとか。

 知っていますか? ホークスの4番で青空まで跳んで行きそうなくらいのアーチも、壁際でジャンプして取る華麗な守備も魅力だけれど、それ以上にベンチにいるときのタムも私達にとって、ヒーローそものものだということをー。
 生きざまに惚れる、男が惚れる、そんなタムをこれからも応援しています。ずっと、ずっとー。タムが おじいちゃんになっても
 私達のタムへ。

   ファンより
 





 Be my hero

 「千夏さん、昨日もホークス勝ったね、観た?」
お昼休み。
多村選手のファンということを知って以来、意気投合した利用者さんである「彼」が私の目の前の席にトレイを置きながら話しかける。
 「うん、勝ったね! 良かった」
通所施設では、大食堂に利用者さん、職員が集まって食事を取る。
席は決まってはいない。
それぞれ空席を見つけては自然と昼食が始まるのだ。
職員は利用者さん達の作業と後片付けが終わった後、最後に作業場を出るため、食堂へ行くと、たいてい空席はまばらで大混雑している。
利用者さん同士が揉めたりしていないか、困っている人はいないか、見守りながらトレーにおかずやみそ汁を乗せて行く。
最後はお茶をグラスに注ぎ、周囲を見回す。
大抵ここで気さくな利用者さんの内、誰かが声をかけてくるか、腕をひっぱろうとする。
「千夏さん、ここ、空いてるよ! 一緒に食べようよ!」
…と。
今日はあいにく、「一緒に食べたい」といっていた利用者さんの席の隣は空いていない。
そこで誰かが食べ終わって席を立った後に、ようやく腰を下ろしたのだが、そんな私の目の前の席が空くと同時に声をかけたのが「彼」だった。
彼は普段から温和で大人しい。
他の利用者さんの面倒見もよく、好かれる。
気を遣いすぎて時々気持ちが沈んでしまうのではないか、と私は思っていた。
でも、私と話をするときの彼はいつだって目が輝いている。
出逢った直後は「大人しい」と思った。
あまり話したがらないのかな? とも思った。
心の何処かでパズルがバラバラに崩れて水面下に沈んでしまったのかもしれない。
「かつての千夏」がそうであったように。
でも、何かの「きっかけ」で立ち直る!
今は心からそう思うことが出来た。

それは、七夕の日のことだった。
「願い事をそれぞれ短冊に書いて、ヒントを出し合い、当てるゲームをしよう」
人前で話すことが苦手と言う人が多い中、あまり歓迎されないロールプレイの時間がきた。
しかし、この日はロマンチックな七夕。
恋人に出会えますように?
それとも家族の健康?
仕事が見つかりますように。
それぞれが、それぞれの「願い」を書いていく。
まずは 「千夏の願い事を皆が当てる」ことになった。

「さてっと。何でしょう?」
「ヒントは?」
「野球」
「プロ?」
「うん」
「どこのファン? ホークス?」
「もちろん!」
「あ、俺も! 分かった! ホークス優勝だろ~?」
「あたり!」

拍手喝采!
そして正解が出た、ここからが何故か更に盛り上がっていったのだ。

「監督の胴上げみたいよね」
「うん。千夏さんは誰のファンですか?」
「多村選手」
「ほんと? 俺もっ! 多村、いいよね。男らしいよね」
「うんうん。彼の黙っているときも表情に現れる内に秘めた情熱も、全力のプレーも、試合に出られない時の彼も、みんな好き」
「男が惚れるよね」
「そうよね。女である私も勿論、彼の生きる姿勢と何があってもひたむきに頑張る姿に惚れるけど」

私と彼には共通の「ヒーロー」がいる。
人はそれぞれに過去を背負い、現実を見つめて、未来を切り開こうとする。
それでもバラバラになった心のパズルを組み合わせることは容易ではない。
就労支援を受けながら、活動を続ける彼も、日々の関わりで悩み、支えられつつ試行錯誤していた自分もまた同じだった。
深く傷付いた過去があればある程、再び誰かと信頼関係を築くことは容易ではない筈。
そう、そうなのよ。
でも、「私」と「彼」は違った。
タムのファン、ということで同じヒーローが心に日々、住んでいる、ということで一気に信頼関係が芽生えたのだ。

それから半年後の秋、私は通所施設を去ることになった。
明日から入居施設勤務になるという日の午後。
シーズンを終え、腰痛でクライマックスシリーズはベンチから声を張り上げていたタムに勇気を貰ったよね、という私の話を聞いてた彼は、じーっと私の目を見つめた。
「千夏さん、ここで働くの、今日が最後やろ?」
「うん。今日まで ありがとうね…」
「…」
一瞬の沈黙の後、彼はこれまでになく情熱的に言った。
 「思うようにプレー出来なくても頑張ってる。タムは男の中の男だよね。 俺も身体は万全じゃないけど、早く就職したい。千夏さん、俺のジョブコーチになって! ジョブコーチって、一対一で就労を希望する人のサポートをする人やろ?」
真剣な瞳。
普段は皆の調整役で、自己主張しようとはしない彼が?
もしも。
もしもね、その時の自分に選択権があるのなら、「うん、分かった! 私に出来ることなら何でもするよ! もう何も心配しなくていいから」
と言ってしまいそうだった。
恋愛対象として告白されるより何倍も嬉しいことだった。
一人の人間として。
人として向き合う者同士。
タムという共通の 「こころの支え」がある者同士。
でも、そうは出来ないのは個人的に知り会った訳ではなく、彼には別の「担当職員」が付いている筈だから。
「**さんが担当だからー」
そういうのがやっとだった。
「**さん…」
彼の勢いは一瞬、後退し、影を顰めた、そのときだった。
他の女性利用者さんが私を見つけ、廊下をかけてくる。
手書きの手紙を差し出しながら、頬は紅潮していた。
「これ、読んで欲しいの。今」
「今? ありがと!」
今日が最後だから、手紙を書いてきたのって。
人が行き来する廊下の中央で、私が手紙に目線を落とすのと、彼にぎゅっと ほんの数秒、抱きしめられたのは、ほぼ同時だった。
無風な筈の長い廊下を一瞬、さわやかな風が吹き抜けたような気がした。
この力強さ、やっぱり男なんだ、って当たり前のことを最後の日の一瞬に感じたことと、
これから先も 風が優しく包み込むようにお互いの生命力を信じて生きていけるよねって。
それは、人の強さと優しさと別れの寂しさとがゴチャゴチャになったハグだった。
 
大丈夫。 タムを応援しようね。 うん。 自分も頑張る。 身体が言う事を聞かないときこそ、タムを思い出す。 長期戦になりそうだなって思ったら、壁によりかかって深呼吸するね。 そんな時間も必要。 今日があって、明日があるから。

Be my hero!
タムは私達のヒーローそのもの。
タムが そこに居るだけで、生きていく勇気が沸いてくるから。

すず





 日記@BlogRanking  久々~のランキング。(福岡)
今日は特にタムを、あなたを応援します。勿論、あの日、一緒にタムを応援しながら過ごした人達も。 
   ↑ 宜しければクリックして下さいね。

Comments (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする