職場では、利用者さん達と七夕飾りを作りました♪
出来るところを無理せず、一人ひとりのペースで進めていきます
出来あがった飾りは、ある男性利用者さんの指示で、
「もっと上! もっと右! そうそう、そこ!」
と、順次、飾り付けられ完成
これで、ひこぼしと織姫も再会できることでしょう
子供の頃は母親が笹の葉を山の中から頂いてきて、父を覗く家族総出で飾りを作ったものです。
物心ついたころから作っているので、何年たっても作り方は覚えているんだなぁ、と思います。
小学校の体育館にもクラス分の笹が用意され、みんなで作ったなぁ。
どのクラスの飾りが1番か、競い合うという要素もあり、それも一つの楽しみでした。
開校100年を超える伝統ある小学校ですが、今も続いているでしょうか?
生徒数は当時の3分の1以下に減少してしまったようですが…
2002年に甥っ子が生まれてから、停止してた我が家の七夕飾りが復活しました。
でも、今年は我が家では作っていません。
夜勤だから寝なきゃ~と思えば思うほど、一度、目を覚ましてしまうと、もう無理ですね。
かえって目が冴えて疲れてしまうので、思い切って記事アップしてみました。
実は寝ている間に、ショートショートを思いつき、頭の中では完成しているものの、文字としは完成していません
このまま夜勤明けまで、覚えていますように。
これが、今年の七夕の願いごとです。
それでは皆さん、素敵な七夕を~
ことめさん、画像、届きました!
ロマンチックな南十字星のイラストありがとう
すず
お、ま、け、のショート☆ショート♪
七の会
また、あの日がやってくる。
年に一度の この日。
今年こそ、七恵(ななえ)は来てくれるだろうか?
「どうだ? 駿(しゅん)、予約取れたか?」
俺は枕元に転がったケータイにやっとの思いで手を伸ばす。
かろうじて呼び出し音が切れる前に耳元にあてがうと、聴こえてきたのは、高校時代のクラスメイトの声だった。
予約は、いつもの場所にとったよな。
そう、飛び入り参加、何人でもオーケースタイルの、あの場所だ。
深夜に及ぶ連日の勤務に俺の身体は疲れ切っている。
だが、懐かしい声にけだるい身体を起こしながら答えた。
「あぁ、いつもの場所だ。今年の参加者、何人だっけ?」
「そんなことは幹事の駿が認識してるだろ?」
まぁ、、、そうだな。
俺は言葉につまり、一瞬の間があいた。
俺の沈黙をどう理解したのか、鈴木は仰々しく言ったのだ。
「駿、もしかして、あれか? 七恵が参加するか、それとなく探りを入れたいんだろ? 真理恵達にコンタクト取ってみるか?」
「いっ…いいよ。よしてくれよ。七恵のことは、もう忘れたんだ」
「…」
電話の向こうで鈴木は指を鳴らした。
何か考えを巡らすときの鈴木の癖だ。
見た目はすっかり「中年目前」だが、そういうところは今も変わらない。
「七の会ってさ、お前ら二人が始めたことなんだそ。 幹事の特権を利用して、ここは直接本人に連絡とってみろよ!」
鈴木にしては珍しく、的を得たアドバイスだな、と思う。
いつも話を聞いてもらうだけだったからさ。
ふうーん、そっか。そうなんだ。そうだよな。そんな風に、ただ、耳を傾けてくれる奴の存在が俺には有難かった。
こんな我儘が通るのも、幼馴染の間でだけだ。
「いっか? 駿。今年は七の会結成12周年だぞ! 俺たちが高校卒業してから12年。 しかも満30歳っ! 全員参加でお願いします、とか、なんとか、言って、幹事のお前がクラス全員と連絡取るんだよ。何なら手分けしてもいいぜ。電話連絡なら手伝うからさ」
更に名案? まで言いだす鈴木には、一体、何があったんだ? と目が点になったが、「もちろん、七恵には駿が直で話すんだぞ!」と奴の口から飛び出した台詞には唾を飲み込むしかなかった。
七恵と連絡を取る? という鈴木の案に鼓動だけが妙に早くなる。
待ってくれよ。
それだけは、ちょっと・・・。
俺の方から振ったんだぞ!
今さら、どんな顔して連絡取れっていうんだ。
言い訳だけが脳裏をかすめ、言葉にならず、結局、あぁ、うん、しかしだな、だけで電話は切れた。
七恵。
俺が米国へ赴任したあと、七恵も何処かの国に留学し、こっちへ戻ってきたという。
今頃、何をしているんだ?
まだ、結婚はしないのか?
鈴木の声が聞こえなくなると、部屋の中が嘘のように静まり返る。
唯一、聴こえてくる音といったら、初夏の風に揺れるレースのカーテンの向こう側から響いてくるまな板と包丁の心地よい音だけだった。
もう、昼か。
腹減ったな。
俺は のそのそとベットから起き上がると、もう何日も買い出しへ行ってはいない冷蔵庫を開けた。
目に留まったのは、冷やし中華だ。
何だこれ?
いつ、買ったっけ?
冷やし中華。
高校を卒業した年の七夕。
「あたし、料理なんて、したことないの」
と、はにかんでいた七恵が七夕の日に作ってくれた初めての手料理が 『冷やし中華』だったのだ。
ハムときゅうりとトマトを切って、薄焼き卵を作って乗せるだけの冷やし麺に、俺は痛く感動して、
「旨い、うまいよ、これ! やっぱ七夕には冷やし中華だよな。きゅうりと卵とハムの並びが天の川に見えるぜ!」
なんてことを言ったものだ。
七夕に生まれたから七恵と名付けたご両親に将来、誓うからさ。
俺がもっと世界で通用するほどビックになったら、きっと、そういうことになるだろう。
それまで特別な約束はナシだ。
地元の短大に進学した七恵とは、遠距離恋愛だった。
都会の大学ライフをエンジョイしていた俺は、キャンパスで斜め前に座るあのコに、(ちょっといい感じの子だな)と思い、
キャンプファイヤーの灯に照らされる横顔にドキドキし、
バイト先で知り会ったコと、ちょっといい感じになったりもした。
七恵のことを「ひとときも」忘れずにいるという訳ではなかった。
これは男のサガというものだ。
そして、決して行動に移している訳では無かった俺には全く罪の意識は無かったのも事実だ。
一方、もっと頻繁に会いたいだとか、何も我儘言わずに年に一度の七の会での再会を心待ちにしつつ、人生にチャレンジし続ける七恵もきっとこの状態に満足しているのだと、俺は思い込み彼女に甘えていたともいえる。
ある日、突然 「はっきりしたい」と迫る七恵に俺は「さよなら」を切り出した。
女の子は、卒業、就職、転勤などの節目に男から ある種の「約束」や「永遠の誓い」を得たいのだろうか?
俺にとっては、人生の通過点にすぎない節目に 「約束」をとりつけようとする七恵に当時の俺はついていけなかった。
七の会も
七夕も
年に一度。
大学卒業後、数年して海外赴任が決まった俺は、その後も七の会だけは一時帰国して参加してきた。
25歳で海外赴任を機に別れた七恵は、その後、姿を現さなくなった。
俺たちの個人的な都合で潰すのも欠席するのもナシだぜって約束好きな七恵と誓ったのにさ。
鈴木の電話を受けてから一週間後。
七月七日、晴れ。
俺は結局、七恵に連絡を取らないまま、七の会へ向かった。
「私が誘うから! まかせといて」
真理恵の声が耳に残る。
ふと、玄関先に置いてある水晶玉に目がいく。
30歳になった俺の額には、かすかなシワが浮かぶ。
それだけ、人生、戦ってきたんだ。
上目使いで見るのはよそう、そんなことも同時に思う自分に苦笑いしながら出かけた。
続く~
すず
追伸:もうお昼の3時を過ぎちゃったわーん(泣)
眠れぬまま夜勤、行ってきます。
出来るところを無理せず、一人ひとりのペースで進めていきます
出来あがった飾りは、ある男性利用者さんの指示で、
「もっと上! もっと右! そうそう、そこ!」
と、順次、飾り付けられ完成
これで、ひこぼしと織姫も再会できることでしょう
子供の頃は母親が笹の葉を山の中から頂いてきて、父を覗く家族総出で飾りを作ったものです。
物心ついたころから作っているので、何年たっても作り方は覚えているんだなぁ、と思います。
小学校の体育館にもクラス分の笹が用意され、みんなで作ったなぁ。
どのクラスの飾りが1番か、競い合うという要素もあり、それも一つの楽しみでした。
開校100年を超える伝統ある小学校ですが、今も続いているでしょうか?
生徒数は当時の3分の1以下に減少してしまったようですが…
2002年に甥っ子が生まれてから、停止してた我が家の七夕飾りが復活しました。
でも、今年は我が家では作っていません。
夜勤だから寝なきゃ~と思えば思うほど、一度、目を覚ましてしまうと、もう無理ですね。
かえって目が冴えて疲れてしまうので、思い切って記事アップしてみました。
実は寝ている間に、ショートショートを思いつき、頭の中では完成しているものの、文字としは完成していません
このまま夜勤明けまで、覚えていますように。
これが、今年の七夕の願いごとです。
それでは皆さん、素敵な七夕を~
ことめさん、画像、届きました!
ロマンチックな南十字星のイラストありがとう
すず
お、ま、け、のショート☆ショート♪
七の会
また、あの日がやってくる。
年に一度の この日。
今年こそ、七恵(ななえ)は来てくれるだろうか?
「どうだ? 駿(しゅん)、予約取れたか?」
俺は枕元に転がったケータイにやっとの思いで手を伸ばす。
かろうじて呼び出し音が切れる前に耳元にあてがうと、聴こえてきたのは、高校時代のクラスメイトの声だった。
予約は、いつもの場所にとったよな。
そう、飛び入り参加、何人でもオーケースタイルの、あの場所だ。
深夜に及ぶ連日の勤務に俺の身体は疲れ切っている。
だが、懐かしい声にけだるい身体を起こしながら答えた。
「あぁ、いつもの場所だ。今年の参加者、何人だっけ?」
「そんなことは幹事の駿が認識してるだろ?」
まぁ、、、そうだな。
俺は言葉につまり、一瞬の間があいた。
俺の沈黙をどう理解したのか、鈴木は仰々しく言ったのだ。
「駿、もしかして、あれか? 七恵が参加するか、それとなく探りを入れたいんだろ? 真理恵達にコンタクト取ってみるか?」
「いっ…いいよ。よしてくれよ。七恵のことは、もう忘れたんだ」
「…」
電話の向こうで鈴木は指を鳴らした。
何か考えを巡らすときの鈴木の癖だ。
見た目はすっかり「中年目前」だが、そういうところは今も変わらない。
「七の会ってさ、お前ら二人が始めたことなんだそ。 幹事の特権を利用して、ここは直接本人に連絡とってみろよ!」
鈴木にしては珍しく、的を得たアドバイスだな、と思う。
いつも話を聞いてもらうだけだったからさ。
ふうーん、そっか。そうなんだ。そうだよな。そんな風に、ただ、耳を傾けてくれる奴の存在が俺には有難かった。
こんな我儘が通るのも、幼馴染の間でだけだ。
「いっか? 駿。今年は七の会結成12周年だぞ! 俺たちが高校卒業してから12年。 しかも満30歳っ! 全員参加でお願いします、とか、なんとか、言って、幹事のお前がクラス全員と連絡取るんだよ。何なら手分けしてもいいぜ。電話連絡なら手伝うからさ」
更に名案? まで言いだす鈴木には、一体、何があったんだ? と目が点になったが、「もちろん、七恵には駿が直で話すんだぞ!」と奴の口から飛び出した台詞には唾を飲み込むしかなかった。
七恵と連絡を取る? という鈴木の案に鼓動だけが妙に早くなる。
待ってくれよ。
それだけは、ちょっと・・・。
俺の方から振ったんだぞ!
今さら、どんな顔して連絡取れっていうんだ。
言い訳だけが脳裏をかすめ、言葉にならず、結局、あぁ、うん、しかしだな、だけで電話は切れた。
七恵。
俺が米国へ赴任したあと、七恵も何処かの国に留学し、こっちへ戻ってきたという。
今頃、何をしているんだ?
まだ、結婚はしないのか?
鈴木の声が聞こえなくなると、部屋の中が嘘のように静まり返る。
唯一、聴こえてくる音といったら、初夏の風に揺れるレースのカーテンの向こう側から響いてくるまな板と包丁の心地よい音だけだった。
もう、昼か。
腹減ったな。
俺は のそのそとベットから起き上がると、もう何日も買い出しへ行ってはいない冷蔵庫を開けた。
目に留まったのは、冷やし中華だ。
何だこれ?
いつ、買ったっけ?
冷やし中華。
高校を卒業した年の七夕。
「あたし、料理なんて、したことないの」
と、はにかんでいた七恵が七夕の日に作ってくれた初めての手料理が 『冷やし中華』だったのだ。
ハムときゅうりとトマトを切って、薄焼き卵を作って乗せるだけの冷やし麺に、俺は痛く感動して、
「旨い、うまいよ、これ! やっぱ七夕には冷やし中華だよな。きゅうりと卵とハムの並びが天の川に見えるぜ!」
なんてことを言ったものだ。
七夕に生まれたから七恵と名付けたご両親に将来、誓うからさ。
俺がもっと世界で通用するほどビックになったら、きっと、そういうことになるだろう。
それまで特別な約束はナシだ。
地元の短大に進学した七恵とは、遠距離恋愛だった。
都会の大学ライフをエンジョイしていた俺は、キャンパスで斜め前に座るあのコに、(ちょっといい感じの子だな)と思い、
キャンプファイヤーの灯に照らされる横顔にドキドキし、
バイト先で知り会ったコと、ちょっといい感じになったりもした。
七恵のことを「ひとときも」忘れずにいるという訳ではなかった。
これは男のサガというものだ。
そして、決して行動に移している訳では無かった俺には全く罪の意識は無かったのも事実だ。
一方、もっと頻繁に会いたいだとか、何も我儘言わずに年に一度の七の会での再会を心待ちにしつつ、人生にチャレンジし続ける七恵もきっとこの状態に満足しているのだと、俺は思い込み彼女に甘えていたともいえる。
ある日、突然 「はっきりしたい」と迫る七恵に俺は「さよなら」を切り出した。
女の子は、卒業、就職、転勤などの節目に男から ある種の「約束」や「永遠の誓い」を得たいのだろうか?
俺にとっては、人生の通過点にすぎない節目に 「約束」をとりつけようとする七恵に当時の俺はついていけなかった。
七の会も
七夕も
年に一度。
大学卒業後、数年して海外赴任が決まった俺は、その後も七の会だけは一時帰国して参加してきた。
25歳で海外赴任を機に別れた七恵は、その後、姿を現さなくなった。
俺たちの個人的な都合で潰すのも欠席するのもナシだぜって約束好きな七恵と誓ったのにさ。
鈴木の電話を受けてから一週間後。
七月七日、晴れ。
俺は結局、七恵に連絡を取らないまま、七の会へ向かった。
「私が誘うから! まかせといて」
真理恵の声が耳に残る。
ふと、玄関先に置いてある水晶玉に目がいく。
30歳になった俺の額には、かすかなシワが浮かぶ。
それだけ、人生、戦ってきたんだ。
上目使いで見るのはよそう、そんなことも同時に思う自分に苦笑いしながら出かけた。
続く~
すず
追伸:もうお昼の3時を過ぎちゃったわーん(泣)
眠れぬまま夜勤、行ってきます。