懐かしい母校、水俣高校を見て回っている間、両親と祖母は車の中で待機していた。 「外へ出てみたら? 桜も綺麗だし…」 でも、湯の児で充分観たし、ここでいい、疲れた、という。 待ち人達が居る為、車の中へ戻った。 祖母に聴かせたいと思っていた曲があった。「ガラ拾い」水俣出身、むたゆうじさんの地元色が強い曲。出発時、車の中でファーストアルバムをセットする。 「おばあちゃん、この曲、ちゃんと聴いていてね~懐かしいと思うよ、きっと! 昨夜、あれだけ話を聞いたからねぇ、むた農場のこととか・・・」 私の予想通り、祖母は「ガラ拾い」を聴きながら、笑っていた。 「あぁ、こんなこともあったねぇ、昔・・・」
そして、いつしか、車は水俣駅の近くへ・・・
「ちょっと、ここで降ろしてくれる? 水俣駅に来たかったんだ。ここから独りで歩いて帰るから」
「え? 何だって?」 と不思議がる祖母。 「歩いて帰りたいんだって!」と母ケイコ。 ありがとう、お母さん!
駅の裏に回って見る。昔は(私が幼児期)この辺から中へ入れたような・・・?
今は当然 勝手に入っていけない。ここからじゃ、何も見えないわ~。やっぱり駅の構内へ・・・と、切符の販売機を見ると、「入場券」のボタンがない・・・ないのかな・・・昔はあった、入場券・・・?
もし、無いのなら、ひと駅の切符を買わなきゃいけないのかぁ。 ひと駅・・・袋駅だな・・・って確かめる。 でも、念の為に窓口の駅員さんに思い切って聞いて見た。
「入場券? ありますよ。 180円です」
お財布から小銭を出して手渡そうとすると、駅員さんが言った。
「誰かを迎えにホームまででるの?」
うーーん。そうじゃないんだけどな・・・。 迷ったけれど、ほんとのこと・・・言うしかない。
「久々に水俣に帰ってきて、特に水俣駅まで来るのは数年ぶりで。 今は最寄りの駅は新水俣駅だから。それで すごく懐かしくて、駅の構内を歩いてみたいっていうか・・・写真を撮ったりしたいんです」
相当、赤面していたと思うけど・・・はっきりいって思いっきり恥ずかしい! へんな子だなぁって思われても仕方がないか・・・と。
でも・・・。 「いいよ」
・・・・え・・・・?
「いいから 中へはいりなさい」
「でも・・・あの・・・・お金は?」
「いい、いい」
「あ! ありがとうございます!」
この時の私の気持ち? どうして泣かすんだろう、ここの土地の人達は。 優しい空気が流れてる。 海にも 空にも 駅のホームにも。
かつては あんなに多くの人達が乗り降りしていた水俣駅。 九州新幹線の開通で、新水俣駅がメインの駅となり・・・・そう・・・・今では ひっそりとしていた。 それでも変わらないホーム。 夏休み、そして春休み、祖父母宅で過ごし、再び福岡へ戻る日には、ここで、この場所で、「また会おうね!」って見送りに来てくれた祖母と特急有明が到着するまで、話をしたっけ。 そう、ここ ↓↓ で!
庭田商店が見える!
そして、ここよ、ここ!
何もかも さび付いてしまって・・・
時間の流れを感じさせるよね・・・
向かって右ね。
間違いない! だって、ホームの先には、
ほら・・・信号が見えるもの。
み~つけた!
あの場所だわ~☆
向こう側のプラットホーム
あそこだ!って確信すると同時に駆けだす
きっと 誰にも理解できないだろうな 逸る気持ち
途中で母の母校の生徒さんが描いた絵に遭遇!
水俣第二小学校
風に揺られて ぶ~らぶら・・・なんて第一小学校の生徒さんに笑われていた校舎だけれど
床はぴっかぴかに磨かれていてね・・・
自慢の小学校だったよって 母が話してくれた
そして 到着!
母が電車通学していた 水俣駅には
たくさんの青春の思い出が詰まっている
20年前の ・・・むたゆうじさん♪
こんにちは、初めまして♪
中学&高校の後輩の… 「すず」です
あの日 母校で歌ってくれて ありがとう~
「小さな一歩」の他に
「汽車は~はし~る~」って歌っていたでしょ?
今では 曲のタイトルも覚えていないけれど
武田鉄矢さんが龍馬の「ゆかりの地」を訪れた時
きっと 今の私と おんなじ気持ちだったんだろうな~って
あのアルバムジャケットと同じ場所から
数十年後の水俣の景色を眺めながら思いを馳せました~♪
そして今現在は 「この日、3月下旬」とは 又 違った心境なのですが
並べられた詩やメロディを 自分の人生にプラスになるように聴いていこうって
思えるようになりました うん そうしよう♪
駅員さんが 煙草を吸いながら私を見てるわっ
時間旅行
踏切 横切り
線路をつたって
ほら、あの子が駆けてくる
「おじさん、待って!」
いつの間にか 風を追い越し
朝露浴びて
少女は電車に飛び乗った
「ギリギリセーフ!」
呼吸も整えられぬまま
ガタン、コトン…動きだした電車に
少女は慌てて吊革つかんだ
「朝ご飯、しっかり食べたか?」
車掌さんの声に
はにかみながらもコクンと頷く
二人の額に 朝露色の汗が滲む
互いを瞳で確認し合う いつもの朝
― 今日も一日 笑顔でいこう! ―
初夏の時間旅行
「おかあさん・・・帰ってきたよ・・・」
少女だった母の面影探し
旅する私を 故郷は こんなにも優しく包み込む
もくもくと黒煙の煙を吐きながら
母を乗せた電車は時間の中を走る
プラットホームの端っこで
遠く あの日を見つめたまま
動けずにいる私の心の中…
知らない筈の過去が走り抜けていく
発車を告げる汽笛の音
今は聴こえない筈なのに
何故だか心に響き渡る
線路をつたって ほら
傾きかけた お日さまの向こうから
古いアルバムの中の
見慣れた あの子が駆けてくる
プラットホームの端っこで
あの日の母と目が合った
お帰りなさい、よく来たね!
ただいま、お母さん、帰って来たよ!
遠く…遠くへと続く 道
歩き疲れたら 再び 戻ってこようなかな
「ここ」 へ・・・・
あ・り・が・と・う! わたしの 生まれ故郷 ~
まゆぴょん☆ 日記 2011年4月18日 そして本日、4月30日に 追記記事