昨日、或る方とお話をしている最中、すっかり忘れかけていたことをいくつか思い出しました。それは留学中のことなので、かれこれ20年も昔のことになります。ホームスティ先にてホストファミリーの親戚に紹介された時のことです。イギリス系のカップルが日本人のような赤ちゃんを抱っこし、「わが子」だと話してくれました。一瞬、え?と訳が分からなかったのですが、韓国の女子大生が未婚で出産したが、育てられない状況にあった子をadapt…つまりは養子縁組を結び、育てているとのこと。23歳の自分には、日本国内でも養子縁組を結ぶことは勇気がいることだろうに、明らかに見た目も違う国際児を?わが子として育てるのか、という驚きが最初でした。その後、イギリス系夫婦、彼らの実の娘二人、アジア系の幼い子供二人に、パパ、ママと呼ばれながら散歩している風景も公園で見かけました。更に数年後、オーストラリア人によってadaptされた子供達が大学生に成長し、産みの母親を訪ね、インドまで会いに行くドキュメンタリー番組をTVで観ました。インド人の母は、「よく訪ねてきてくれた」と泣いて抱き合い、他の兄弟姉妹も次々に抱き合っていました。「子沢山で、育てたくても育てられなかった。すまないと思っているが、国際養子縁組を結んだ方が、この子の将来は開かれるのではないかと思った」というものでした。訪ねて行った女子大生も、「育ててくれた母にも感謝している。勿論、自分を産んでくれた母にも、その決断にも感謝している。私は豪州で教育を受け、夢に向かって歩んでいける機会を二人の親に与えられた」と答えていました。クリスチャンが多い豪州では日常的に、ごく自然に教会を中心とした地域コミュニティーでボランティア精神が育まれています。そんな豪州で生活していたからこそ、one day, one dollar 『一日、一ドルで子供達の命が救える』というCMに貧乏学生だった自分も反応したのだろうと思います。バングラデッシュで暮らす8歳のJewel君が私のスポンサーチャイルドになったのは、『1ドルの水を買わずに自宅から水筒を持参すれば、自分にも月30ドルの支援ならできる!』と思ったから。この話を聞いた職場のボス(上司)は、「よし! ここの水を一日一本、無料で飲みなさい!スタッフは全員、飲料1本、勤務時間中に冷蔵庫(売り物)から取って良いことにしよう!」という話になりました。実際には水のみならず、チョコレートやアイスまで、『食べろ、食べろ』と手渡されていたんです。ボス、太っ腹すぎ!! よく喧嘩もしましたが(苦笑)そんなボスへ、私からのお礼は 毎月、ホームパーティにボスやスタッフを招待することでしたけど(懐かしいっ!)
話がズレました(汗) 前半の国際養子縁組の話ですが、「隣人を愛しなさい」、というキリスト教精神に満ち溢れたたオージー達が開発途上国の子供達をわが子として迎え入れる、なんて心が広いボランティア精神なのだろう、という思い出でした。
でも、不思議ですね。「これは少子高齢化の日本を救えるかもしれない」と言われ、初めて自分とは違う視点に触れ、目から鱗でした!!
日本は これまで移民の受け入れには消極的です。その点、豪州は就労経験ゼロでも豪州の大学・大学院を卒業し、半年以内に永住権を申請すれば、ポイントシステムにより『技術者移民』として受け入れる措置まで取りました。(1999年7月より施行だったという記憶です。現在のことは知りません)優秀な人材を母国へ戻さず、豪州経済のために生かして貰おう、と連日、ニュースで流れていました。私が留学中、オーストラリアドルは69円~74円くらいで推移していましたが、その後、80円以上になり経済は確かに上向いた筈。移民の力が経済を活性化させ、人口増加に一役かっていることは確かでしょう。
日本は豪州のようにはなれない、と言われてしまえば それまでですが、(かなり勇気を出して!!)自分の体験を目の前にいる相手に語ってみると(普段は外国かぶれ、と言われそうで、「コアラはカワイイ、気候が良くて暮らしやすい」、くらいしか、オーストラリアはどうだったと聞かれても話さなかった経緯があり…決して、出し惜しみしているわけではなく…)
「自分とは違う視点に気付く」 貴重な体験をさせて頂きました☆ 「もっと大きく、日本を変えるくらいの気持ちで♪」頑張っていらっしゃる方、尊敬です。小さい自分は ちょこまか動き回るだけの日々ですが、大きなヒント☆になりました♪