日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

悪名高き皇帝たち(20) ネロ皇帝

2016-07-30 19:16:59 | 読書

 皇帝クラウディウスが妻の野望により命をたたれたあとを継いだのは、わずか16歳の前皇帝にとっては義理の息子、すなわち2番目の妻アグリッピーナの連れ子であるネロだった。アグリッピーナはまだ少年でしかなかった息子、ネロの方が自分の意のままに操れるとでも思ったのかもしれないが、ネロとて いつまでも少年ではない。アグリッピーナが息子の教育係に…と選んだ哲学者であり教育係ともいえるセネカは、生まれはスペインだが、著者、塩野氏によると、本国ローマ以上にローマ人といえる人だった。若くして皇帝となったネロに、国を統治するとはどういうことか? 何が必要かを問いている。それが何とも深い。2000年近くも後の時代を生きる自分たちにとっても深いので、以下、21ページ1-3行目より抜粋して紹介したいと思う。

 「同情とは、現に目の前にある結果に対しての精神的対応であって、その結果を生んだ要因にまでは心が向かない。これに対して寛容は、それを生んだ要因にまで心を向けての精神的対応であることから、知性とも完璧に共存できるのである」

 もう一つ興味深いことは、「教育の成果とは、教える側の資質よりも教わる側の資質に左右されるものである」と塩野氏が述べている点だ。遂、教わる側としての自分はこれまでどうであったか、或は逆の立場では?と自分に置き換えて考えこんでしまう。さてネロ皇帝の場合はどうか?

 当時のローマ市民には 「国家の敵」と断罪されてしまう。国家のために何もしなかったのではない。それどころかローマ市内が大火災に会った時など、暑さを避けてローマから50キロ離れた別荘にいたネロは、直ちにローマ入りし、テキパキと被災者救済の命を下した。ネロの敏速さには驚くばかりだ。「初めてのことじゃから」と言った何処かの国の高齢の首相とは違う。屋根がある公共施設すべては、避難民のために開放され、それでも収容しきれなかった避難民のために大量のテントが張られたという!ローマ人の軍隊はテント張りには慣れている。軍を指揮して被災者救済の指揮をとる若き皇帝は、ローマ市民にとって、さぞかし頼もしかったことだろう。実際、市民の支持率(世論調査などないだろうが)かなり上がったらしい。被災を免れた地区から小麦をすべて運ばせ、食料の提供も忘れなかったばかりか、すべて無料だったという。現代の日本なら…これは古代ローマの話。若き皇帝にも このようなシステムにも驚くばかりの私‼

 では、なぜネロ皇帝は、悪名高き皇帝として名を残すことになってしまったのだろうか…? それについては割愛し、どうしても憎めないどころか私にはむしろ良き皇帝で、愛着すら感じる彼について、忘れられないエピソードを書いておきたい。

 ネロはギリシア文化に魅せられていた。ギリシア発祥のオリンピック。これをローマでも始めようと提案。実際にローマンオリンピックがネロによって開催された。ただ、競技に参加するのは市民ではない。では、誰かというと、元老院の執政官たち…日本でいえば、国会議員や官僚たちだ。映画『テルマエ・ロマエ』の影響で、ローマといえば風呂好きローマ人の姿が浮かぶが、実際、古代ローマは上半身裸で風呂に入り、使用人である奴隷の前では、裸も見せてはいた。 見せてはいたのだが、競技場という言ってみれば公共の場で たるみかけた腹を見せつつは走ったり、やり投げをしたりする姿をローマ市民に披露することを好んだのでは勿論なかったらしい。皇帝の命令だから…と、元老院たちは仕方なく従ったようなのだ。「皇太子の命令だから。。。」と仕方なく安倍氏や大臣たちが競技場でかけっこをしたとしたら…市民である私は、お腹を抱えて笑い転げるかもしれない。実際、塩野氏の文章を読みながら、声を出して笑ってしまった。ネロ皇帝、やってくれるじゃない🎵ってなもんである。元老院側から見れば、苦々しく思ったようで、こうしたことも元老院を反ネロ皇帝派にしてしまったようだが…。  

 更にネロは、「歌う皇帝」でもあった。琴を演奏し、自作の歌を歌うことも好んだ文化人の皇帝は、地方で試しに歌手デビューしている。その時の拍手喝さいに気を良くしたネロは、ローマ市内で遂に中央デビューも果たした。のど自慢のようなイベントに出場し、一般市民と同じく歌い終わったあとも檀上に残り、最後の審査員の結果まで座っていたという。主催者は、ネロ皇帝には無条件に優勝を…と申し上げたらしいのだが、ネロ自身が断った! 檀上でハラハラしながら結果を待つ皇帝の姿にローマ市民の反応はどうであったのだろう。ローマンオリンピックで面白いものを見せてもらった時のように、やはり皇帝というよりは一般市民のようなネロに親しみすら感じたのではないだろうか。

 最期は自ら命を絶つという運命を辿る皇帝ネロ。私にはどうしても憎めないのだ。実際、ネロに ノーと言ったローマ市民だったが、時期皇帝が立った、わずか数か月後には、ネロを懐かしむ声がささやかれることになるのだった…。

 そして ここまで続いたユリウス・クラウデゥス朝も終焉の時を迎え、一年の内に皇帝が三人も変わるという混迷の時代となったのだった。

 

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首位攻防戦 ホークスvsファイターズ

2016-07-30 18:22:43 | ホークス

 昨夜はゲーム中盤からテレビ観戦したのですが、応援に力が入りすぎて、相当疲れました。でも、結果的には第一戦を取れたので、良かったです。これで負けていたらと思うと…

 昨日の殊勲賞は、なんといっても怪我から4か月ぶりに一軍復帰した、明石選手! 相手投手を打てないジレンマに陥っていたホークスナインも、彼が追い込まれながらも粘って3塁打。そのあと、低めを見送るようになって、攻略出来たようなもの。彼の18ファウルの記憶は、今だに私の中では、とっても鮮明!

 ワッチも11勝目。審判がボウルの判定ばっか出すので、(わっち自信の投球を・・・)途中、何度も座り込む場面も! あとのスワレスも、守護神サファテも同様!外国人投手は座り込みはしないけど、顔に出すので、今のがストライクじゃないのかっ!?Oh my God!!!って語っていました。アナウンサーも 「セーフ。…? いや、ボールです」と言い直し。 解説は 「今のは(投手に)気の毒ですね…」と別の場面でもコメント。その点、相撲は行事差し違いもあるのでフェアでいいなぁ。野球の審判を審判する制度があればいいのに。

 第二戦はナイター。ラジオで応援中でです♪

 そうだ! 今日は高校野球福岡大会、決勝戦で、九州国際大学付属高が勝ちましたっ! いい試合でした~ (中盤以降から見ましたが…)夏の甲子園も楽しみ~ リオ五輪も始まる~ スポーツの夏は熱い~

 

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メロン

2016-07-30 00:24:19 | Weblog

 日常的に食べるのはスイカ。どっちが好きかと聞かれれば、そりゃ~、血液サラサラにしてくれるし、メロンを毎日食べたい‼と思うけれど、お値段の方が… ちなみにトマトも血液サラサラにしてくれるので、ほぼ毎日、食べています。庭にはトマトが今日まで4個ほど! 今年は遅いです。それに前半、雨が多かったからか、緑色からなかなか赤くならず、最初に収穫した分は、みずっぽかった~ ミニトマトの苗を買ったつもりだったけど、実際にはちょっと小ぶりのトマトだったのも驚き!

 ところで、こんな夜更けに蝉が鳴いている‼空耳じゃない!ちょっと早めの秋の虫でもない!蝉も日中、暑すぎて鳴く元気もないのだろうか…?!?

Comments (2)
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