日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

石田衣良 編 『心に残る物語 日本文学秀作選』

2019-01-11 23:46:47 | 読書

 

「ここに選んだ十四篇は、どれも抜群に面白いよ!」

…ということで、この冬、石田衣良さんお勧めの小説を読み始めました。自分で選ぶと、どうしても自分自身と同世代か一回り上くらいの作家の小説になってしまいます。明治生まれ~大正昭和初期くらいの作家の作品を衣良さんを通じて知る! 良いじゃないですか~☺ 面白かったら、更に自分で同じ作家の他の小説を探して読むきっかけとなる筈ですから!

 本日で4日目でしょうか、慌てずボチボチ、一、二篇ずつ読んでいる最中です。まずは一作目から~

『紫苑物語』 石川淳

名前は聞いたことがあるが、小説を読むのは初めて。『普賢』で芥川賞受賞。ここに収められているのは、『紫苑(しおん)物語』

「国の守(かみ)は狩を好んだ」…と物語は始まる。宗頼は都の歌の家に生まれ、7歳で歌を詠むも、父親と… 似たようなことは自分も子供の頃、幾度か経験したなぁ…と。結局、歌ではなく弓の道を選んだ行く末は…日本昔話のよう。石田衣良さんは、「時代小説はこのごろ考証に厳しいけれど、これくらい自由でファンタジーにあふれてもいいのではないだろうか。知の矢、殺の矢、魔の矢という三重射が魅力的」と解説の中で仰っている。(文春文庫 401ページ6-7行)

 

 『ふうふう、ふうふう』 色川武大(いろかわたけひろ)

78年『離婚』直木賞作家。「麻雀放浪記」でマージャンブームを巻き起こしたらしい。ここに掲載された小説にも博打がでてくる。 『ふうふう、ふうふう』というタイトルからして、一体何だろう?と一歩、ひいてしまうが、実際、ラストで寿命が縮まった。「下半身から足の裏側にまでぴったり張りついてきた。…略」 思わず一部、抜粋して略したが、この先を読んで、こちらまで凍り付いた。おお、怖っ! 真夏に読んでおくれ~冬はちと…悪寒が走るっ!

 

  『神戸』より第9話 「鱶(ふか)の湯引き」 西東三鬼(さいとうさんき)

シンガポールで歯科医を開業、後に東京で病院に勤務するという、経歴で俳句を詠んだ人らしい。 この『神戸』は自伝なのだろうか? どうしようもなく優柔不断で、女に流され…騙され…いや、なんというか… こういう男、いるんだろうな。まっ、読んでみて下さい。確かに面白いです。

 『おーい でてこーい』 星新一

星新一。なんて懐かしい名前! 前半4作品の内、唯一、私が知っている‼ しかも小学生の時にすでに読んでいた作家。ショートショートという分野があることを星新一を読んで知ったのだった。 そして、ここに収められた「おーい でてこーい」も、小学生の時、すでに読んでいる。母親に連れられて本屋さんへ行った時、単行本を買ってもらい、その中に入っていた筈。だって、初めて読んだ気がしないから。何とも不思議な感覚で読み終えたことだけは覚えている。捨てたいものは、何でもこの穴に捨てていく人々。動物実験の死体も、犯罪の証拠物件も。今ならきっと現政権が大いに活用することだろう、そんな皮肉も言ってみたくなる。

 『月の光』 星新一

もう一遍、星新一氏の小説が収められている。これも「読んだことがある!」と思った。子供ながら、読みながら怖かったことを覚えている。人間のペット。意思を持たぬよう、主人に飼いならされた… 行く末の怖さをお読み下さい。

 『朽助(くちすけ)のいる谷間』 井伏鱒二(いぶせますじ)

 作家名は聞いたことがあり、もしかしたら中学生くらいの頃、この作家の小説を何か読んだことがあるかも…?確信はない。『屋根の上のサワン』というタイトルは聞いたことがある。もしかして、これ?って思う。その内、確かめたい、すなわち読んでみたい。太宰治とも知り合い、『ジョン万次郎漂流記』で直木賞。『黒い雨』も彼の作品、とあり、あぁ、それで名前を知っているのかも?と思う。

 ハワイ生まれのタエトがとても魅力的に描かれていて、石田衣良さん自身、「萌え~」だったらしい(笑)実は、タエトと同性である自分も…! 自然体で飾らず、素直で…真っすぐ。小説を読みながら、まるで自分の中で映像化されたかのような気持ちになれた。

 

 『眼前口頭』 斎藤緑雨(さいとうりょくう)

伊勢国(三重県)生れ アフォリズムというらしい作品を数多く残したのだとか。俳句のようで、漢文の読み下しのようで…。

一つだけ、ここに。

「正義は呼号(こごう)すべきものなり、印刷すべきものなり、販売すべきものなり。決して遂行すべきものにあらず。」

確かにそうですね。国際社会の中では特に。ある国が正義を叫び、遂行して、「あれは間違いでした」と認めることは決してなく…

 

  ここまで約半分。残りはまだ読書中です。 流石、石田衣良さん! 他の小説も楽しみです。

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