百田尚樹氏による小説。
とても不思議な著書だった。
死期が近い人の手や身体が透けて見えるという不思議な力を ある日突然手に入れてしまった主人公。
百田尚樹さんといえば、代表作は映画化された「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」
2作品とも先に本を読み、その後、映画館でも観たので、2倍楽しめた。
今回は、上記2作品とはガラッと変わり、一種のファンタジー? 人助け? 恐怖心?
最後の最後になって、
「一見、迷惑行為にしか見えない事柄でも、実は人助け、或は結果からだけでは見えてこない他の真実もあるのかもしれない」
と深く心に刻んだ。
思い出したのは、九州大学の古い校舎で起きた火災、いや、焼身自殺。
事件が起きた当初、(なんて馬鹿なことをするんだろう)と単純に思った。
しかし、亡くなられた(自殺された)男性のことを知るにつれ、問題の深さを知った。
「明日は我が身」とインタビューに答える非常勤講師の男性も。
あの事件の真相をNHK特集で知った直後に読んだだけに、考えさせられる著書となった。
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