近くのマンションの庭先で、今年もそれは立派なシャクナゲが開花し始めました。
このシャクナゲについては7年前(2,010.5.17付)のブログでも扱っております。
そこでちょっとこだわっていたのが、この花の開花の様(さま)です。
このシャクナゲは、単に“咲き始める”という表現だけでは
何か言葉足らずではないか、ということです。
歌心も句心もない自分ですが、不思議とこの花の開き方については、
そう思ってしまうのです。
前の拙ブログでは、ある方の“大蕾が解(ほぐ)れる”との表現に感心し、
その旨を書かせていただきました。
そして今年。
同じ場所で、同じように咲いていました。
確かに「解れる」もいい。
が、ほかにもふさわしい表現はあるかもしれない。
ネット上で「連想類語辞典」というのがあることを知りました。
そこには、『咲く』という言葉の類語や関連語などが例示されていました。
例えば、蕾が弾く、咲き初める、咲きこぼれるなどなど実に200近い言葉が紹介されています。
早速、例示された中に、私にとってのキーワード「解(ほぐ)れる」も見つけました。
うれしくなりました。
別のところの解説によれば、閉じたり固まったりしたものが、解れ、分かれて離れるさまをいうようです。
また「綻(ほころ)ぶ」というのもあり、これもいいかなと。
「綻ぶ」は、蕾から花へと開くさまをいうようで、
古今和歌集でも“・・花の綻びにける・・”などと使われているようです。
また、俳句では「涅槃まで ついに一花も ほころびず 」(能村登四郎)という名句もあるよ、
とは俳句愛好家の弟から。
(上二つの引用した花は桜とのこと)
他にもあるのかもしれませんが、私には、つまるところ、
この花の開花の様は「解れる」と「綻びる」あたりがぴったりかな、と。
ところでシャクナゲには使えそうにありませんが、その辞典には“咲く”の類語等として面白いのもありました。
「紐解(ひもと)く」というのがそれです。何やら色っぽい言い回しです。
古語辞典(三省堂)にもちゃんと、花が咲く、蕾がほころびる、の意味が出ていました。
源氏物語にも“・・御前の梅、やうやう紐解きて・・”などと使われているとのことです。
いやはや、日本語は深い!
冒頭触れましたように、こういう言葉の世界については全くの素人です。
とんでもないこと、あるいはどうでもいいことに感心しているのかもしれません。
そのときはお許しを。