古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

白雪のともに我が身は降りぬれど・・・(高野切第三種を大字仮名にて練習)

2022-01-17 06:59:16 | 書道
千里
白雪のともに我が身は降りぬれど 心は消えぬものにぞありける
(半切縦4/5大)(画像処理によりフィルター掛け)

高野切第三種の大字仮名による練習を続けています。
今回は大江千里の歌です。
大まかな歌意は、
白雪が降るように自分の身も古く(掛詞)なったが、
(雪が消えてしまうようには)心は消えぬものだ、・・・ぐらいのようです。

高野切第三種の特徴について、練習する者にとって大変有益な解説が
書道専門店・大阪教材社様からなされていましたので、以下引用(趣旨)させていただきます。

「第一種」から「第三種」まである高野切はいずれも名筆だが、
中でも「第三種」は、
字形が整っていて個々の文字が分かりやすく、
連綿も伸びやかで率直な書きぶりであるため、
仮名の初心者にもその魅力が分かりやすく人気が高い、と。

書道を深くされる方の中にとっては、
高野切第三種は整いすぎてつまらない、とする人もいるようですが、
さらに書道を深める中で、この第三種を再評価される方が多いようです。

高野切三つの中で、「第三種」は最も若々しく明快です。
整った平明な字形もさることながら、連綿の美しさ、伸びやかさが秀逸です。

また第三種の淡々とした筆運びの魅力は、
過剰な装飾を嫌う日本人の美意識に訴えかけるものがあります。(引用終わり)と。


今回の練習でお手本にした(日本名筆選5)「高野切第三種 伝紀貫之筆」(二玄社)には、
約30数ページにわたり、和歌50数首のほか、歌題、詞書(ことばがき)、作者名など
字数にして約3000字が書かれています。
今回は、この最初から終わりまでの全部を一通り(二度書き、三度書きの個所も)、まず半紙に小筆で練習し、
そのうちの数首をこのように拡大・臨書している次第です。

小筆による練習では、繰り返し出てくる字からその字形の特徴などを学び、
大字による練習からは、一文字の字形のより細かなところや
各文字の大小・太細の配置、あるいは軸線の流れなどを学ばせてもらっています。

この高野切第三種、実は書いていて、何やら、すっきりと洗われた気分になるから不思議です。







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2 コメント

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Unknown (mori)
2022-01-17 07:10:23
優雅に伸びやかにそんな中にスッキリ感と言うか切れも感じられます。
と思い、説明を読んでいて最後の部分に大きく頷きました。
絵の道も書道の道も次から次へと新たな道を探し、探求する姿にただただ敬服するのみです。
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Unknown (Unknown)
2022-01-17 07:41:31
初心者にもならない書の素人の私が拝見するに、優美さや整い方などは分かりやすいので、「第三種」は、字形が整い文字が分かりやすく、伸びやかで率直な書きぶり、との解説は納得できます。
熟達者と思われる作者が、最初から終わりまでの全部を二、三度書きも含め小筆で練習されていると書かれています。
極めるまでの長い道のり、熱意と努力、精進に脱帽です。
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