古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

模写:ルノワール作「ピアノに寄る少女たち」

2011-06-02 06:40:49 | 人物

オルセー美術館の作品写真集にある一枚です。

二人の少女がピアノに向かっている姿に魅せられ、前々から模写してみたいと思っていました。

二人の目は楽譜に、耳は音に、いや全身でこのピアノに向かっているのでしょう。

「ここは、これでどうかしら」とか、語りあいながら。
 
二人を描き、ピアノを描き、最後に背景のカーテンを縦長にシャーシャーと描いて、一応模写を終わりました。(花の置物は省略)

その夜、安焼酎をちびりとやりながら、模写したルノワールの絵を見なおしました。  

“ウーン、何かが違うなあー”

ルノワール独特の豊満な表現、ピアノの描き方、色合い、油絵と水彩の違い・・・。

いやいや、そんなのは違うのは当たり前、ほかのもっと何かが!

写真集の実物では、ピアノを弾く少女の顔が、もっと上むきにぐっと楽譜を眺め、後ろの少女も、もっと前のめりで眺めている。

二人の真剣さがより強そうです。

そして、無造作にシャーシャーと描いてしまった背景のカーテン。

彼の絵では、ほぼ左半分は、上の幅はそのままで、その中央(少女たちの向こう側)付近で束ねられていました。

そうです、そこでできるカーテンの皺筋までピアノに集中させているのです。

これぞ、バックも含めた全体感。
 
この絵のタイトルは「ピアノに寄る少女たち」。

この「寄る」の意には「心理的あるいは空間的に、ある対象や地点にひきつけられる」(趣旨 広辞苑など)とありました。

どうやら、「寄る」に重要な意味があったようです。

訳した人もすごいと感じたことでした。

[注]

この絵の原題は“Jeunes filles au piano”  仏語は全く駄目ですが、ネットで調べましたら、

Jeunes filles は若い娘たち、pianoはピアノ。auが大事らしそうですが、それ以上のことは分りません。

「寄る」のニュアンスを含んでいるのでしょうか。


[追記]
上の絵のカーテンだけを修正したものを、
2019.2.11付の拙ブログでアップしています。



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3 コメント

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Unknown (mori)
2011-06-02 08:48:54
絵を見た感じは、柔らかい、暖かい、温厚と言ったイメージでしたが、コメントを読んで何時ものことながら感心。ものの見方、研究心・・・凄いですね。
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Unknown (キンジ)
2011-06-02 13:16:31
模写と言われても やっぱり難しいですか。
イヤー人生いくつになっても「挑戦」することが大切だと思いますよ。 エライ。 
一見して模写だとはわかりますから上手いですよ。
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Unknown (富子)
2011-06-10 18:35:54
ルノアールに負けてないよ!!!
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