健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

Muse細胞

2010-04-20 08:01:59 | 研究
ヒトの皮膚や骨髄に、iPS細胞(新型万能細胞)のように様々な細胞に分化できる能力を持つ細胞が微量に含まれていると発表されました。この研究は、東北大学と京都大学の共同研究によるものとのことです(東京新聞)。研究としては、どうやら実験のミスから偶然の発見のように報道されています(YOMIURI ONLINE)。それはというと、誤って細胞を溶かす酵素を加えても生き残ったヒトの皮膚細胞の中に、iPS細胞とよく似た細胞を発見したというものです。この細胞を拒絶反応の出にくいマウス(ヌードマウスでしょうか?)に移植すると、皮膚や筋肉、肝臓など様々な細胞に変化することが確認できたというのです。細胞表面には、iPS細胞と同じ目印物質(糖鎖)が付着しており、骨髄細胞(単核球)に約5000個に1個の割合で含まれていることも明らかになったそうです。この細胞は、iPS細胞と異なり遺伝子操作をしていないもともと体内に存在する細胞なので、癌化しにくい安定した細胞であることから、安心して利用できるという利点があります。ただ現在のところ、増殖能力が低いので大量の細胞を得ることは難しいという欠点があるとのことです。以前から、こうした細胞が体内に存在している可能性は指摘されていましたが、証明されたのは初めてでしょうか。
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