様々な組織の細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を、安全に効率よく作り出す新手法が開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。iPS細胞の作成には、遺伝子を組み込む必要があります。この遺伝子により、どんな細胞にでもなる能力を獲得するのです。成熟(分化)した細胞に遺伝子を組み込むには、一般的にウィルスを使います。いわゆる遺伝子導入方法としては一般的です。しかし、ウィルスはもともとあるDNAを改変するので、最悪がん化する危険が残るという問題がありました。がん化とは、その遺伝子を改変した細胞が際限なく増殖してしまうことです。iPS細胞を有効利用するには細胞数を増やす必要がらいますが、その制御がきかなくなる恐れです。しかし、新たに開発された方法では、人工的に合成したリボ核酸(RNA:伝令RNA)を細胞に入れることで、ウィルス導入した際と同じ4種のたんぱく質を作らせることに成功したというものです。遺伝子を改変しないため、がん化の恐れが少なく、従来の手法より速く効率的にiPS細胞が作製できたそうです。さらに、筋肉細胞に特異的なRNAを導入し、iPS細胞から筋肉細胞を作ることにも成功したそうです。こうしてiPS細胞の周辺技術が開発されると、臨床応用は意外と近いうちに実現するかもしれませんね。そして、山中先生のノーベル賞も。
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