健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

胎児の低栄養はメタボリックシンドロームの原因に

2011-02-06 07:54:06 | 研究
メタボリックシンドローム。非常に耳障りな言葉ですね。多くの方が悩んでいると思います。生活習慣病の代表的な形でもあるので、何とか生活習慣を改善して、メタボリックシンドロームから脱出しよう、あるいはメタボリックシンドロームにならないように努力されているのだと思います。でも、メタボリックシンドロームになりやすい人とそうでもなさそうな人っていますよね。その差はどこにあるのでしょうか。単に新陳代謝の違いでしょうか?それとも消化吸収の差でしょうか。でも、そうした差はどこからくるのでしょうか?その台頭の1つになると考えられているのが、胎児の時の低栄養が、成人後に肥満や高血糖、脂質異常、高血圧を高率に来し、心血管病による死亡率が上昇するというものです(MSN産経ニュース)。マウスの実験では、胎内で低栄養にすると、出生後、中枢神経がレプチンと呼ばれる物質の作用を受けにくくなり、食欲の抑制が効きにくくなり肥満になることが分かってきました。また、ヒトでも低栄養状態にあり発育不全の胎児で、糖尿病に関連し血糖値を下げるインスリンの働きを良くする善玉のアディポネクチンの濃度が低かったという実験結果もあるようです。逆に、妊娠時に太っていても問題があることが示唆されています。マウスの実験では、高脂肪の環境の胎仔は出生後に肥りやすい傾向にあるそうです。つまり、妊娠時の栄養状態は将来の生活習慣病を左右するものであるということですね。
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