エリスロポエチンは、腎臓から放出されるホルモンで、造血を促す作用があります。ですので、貧血の治療など用いられることもあります。このエリスロポエチンの造血作用を悪用して、造血を促して持久力を高めようとするスポーツ選手がいます。造血が促され、酸素を運搬する赤血球が増えるので、酸素運搬能力が高まるのです。つまり、エリスロポエチンは、各種競技で使用が禁じられているドーピング薬物「EPO」として認定されています。EPOの使用が発覚したのは、世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスで、1998年に多数の選手の使用が発覚して問題になったそうです。国際オリンピック委員会(IOC)は90年にEPOを禁止物質リストに加え、2002年のソルトレークシティー冬季五輪では3人が金メダルを剥奪されています(MSN産経ニュース)。現在は血液で予備検査後、尿から分離検知する方法をとっているそうです。EPOはもともと体内に存在しているホルモンでもあるので、投与されたEPOと体内で賛成されたエリスロポエチンとの区別が難しく、その分析には3日程度かかっていたそうです。また、治療薬としてのEPOは改良され、構造が微妙に異なるものが出現しています。ですので、その発見がますます難しくなっていました。こうした問題を解決するような分析方法が開発されたそうです。分析期間を1日に短縮する技術を確立し、また構造を微妙に変えたEPOのコピー品についても検知可能だそうです。スポーツとドーピング、これは切っても切り離すことができない問題なのでしょうか。
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