健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

カロリー制限しても寿命は延びない!

2012-09-01 08:30:26 | 研究
サルを使った実験では、カロリーを制限すると健康にはなるが、その寿命は延びないことが示唆されたという研究結果が発表されたそうです(The Wall Street Journal)。これは大幅なカロリー制限は寿命を延ばすという考えを否定するものです。過去数十年にわたるマウスとラットを使った各種の実験では、カロリーを制限するとその寿命は30~40%延びるとしていました。カロリー制限が寿命を延ばすという考えは、2009年に発表されたアカゲザル使った研究結果で、寿命が延びる傾向が見られたことで強まったそうです。こうした研究成果は、摂取カロリーを制限するだけで長生きできるのではないかという魅力的な考えが生まれ、何千人もの人は現在、寿命を延ばすために、典型的なカロリー量である1日2200カロリーを30%も下回る熱量しかとっていないという現実も。カロリー制限がもたらす利点が適応反応につながっているのかもしれないと推測し、食料が不足すれば動物は繁殖できず、その老化プロセスも鈍るという考えです。老化プロセスの遅延は、食料が豊富になって繁殖できるようになるまでの時間稼ぎにつながると。しかし、今回の研究ではサルを1~14歳と16~23歳の二つのグループに分けて、通常より30%少ない餌を与え、その結果を通常に近い餌を与えた2グループと比較したところ、少量の餌のサルはいずれのグループでも、通常の餌のサルたちより長生きすることはなかったというものです。
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