健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ギャンブルと遺伝子

2014-07-07 08:30:26 | 研究
人が賭け事や投資を行う時の行動には、遺伝子が大きな役割を持つことを示する研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。シンガポール国立大学の学生217人のゲノムを解析し、およそ70万個の遺伝子多様体を探索し、そのうちドーパミンの調節にかかわる遺伝子12個種に着目。学生たちには、匿名の相手とコンピューター上で賭けをするゲームをしてもらい、その時の脳の様子をMRI画像で解析したそうです。その結果、相手の考えを想像し、その行動を予期して対応することに長けた学生には、脳の前頭前皮質内側部でドーパミンの働きに影響を与える3つの遺伝子に変異があることがわかったそうです。一方、試行錯誤的な学習を得意とする学生では、主に脳の線条体部分においてドーパミンに影響を与える2つの遺伝子に変異があったとも。遺伝子によって脳内のドーパミンの働きが左右されることが示されたのは初めてだそうです。また、遺伝子が複雑な社会的行動に関与していること、ドーパミンの働きが、幅広い分野での価値観に基づく意思決定の根底にあることが強く示唆される結果のようです。
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