大学院進学を考えている皆さんは、「研究」ということをどのように考えているのでしょうか。研究とは、ある事象を説明する新たな考え(仮説)を証明すべく、仮説を証明するために実験などを計画し、それに基づいて自分の仮説を説明して納得してもらうことです。従いまして、まずは対象となる事象、つまりこれまでには説明できていない、自分が対象として研究してみたい事象を探すことから始まります。といっても、簡単なことではなく、これまで多くの先人たちが様々な考えをめぐらして多くのことを説明してきていますので、その中からまだ未解明な部分を見出すのは容易な事ではありません。これまでの研究を精査して初めてわかることです。そのためには、最新の研究成果を参照していく必要があります。では、最新の研究成果はどこに記録されているのでしょうか?それは雑誌(ジャーナル)と言われるものです。書籍ではありませんので注意してください。自分の追求したい事象に関連する研究が報告されている雑誌を探し当てることが重要になります。ただ、最近は研究雑誌はたくさんあり、どれを参照すればよいかわからない方も多いと思います。その際は、指導教員あるいは先輩に聞いてみてください。身近にそういう方がいらっしゃらない場合は、その道の先人に直接連絡してみるのもいいと思います。骨格筋に関する研究であれば、お問い合わせください。私が可能な範囲で答えます。さて、仮説が立てられた後、それを証明するための実験を行いますが、実験計画が非常に重要です。その実験を通して得られると予想される結果により、当初の仮説が本当に証明できるか十分に吟味しなければなりません。ただ、実験すればよいというわけではないのです。ですので、実験をしていく途中で、自分の仮説が正しいか間違っているのかがわかっていきます。結果が全部得られたら、それを読者にわかってもらうように丁寧に説明するために考察を書き、論文として仕上げます。最近、科学技術の進歩が目覚ましく、新しい手法を用いて以前には考えられなかった結果が次々に得られています。ところが残念なことに、ただ結果を得ているだけで、仮説が曖昧だったり、結果が仮説を証明していない研究をよく見かけます。なかなか、初めからしっかりとした研究をできる方は少ないものです。ですので、指導者が重要になります。指導者をしっかり選らぶことから研究が始まります。指導者選びを間違えないようにしましょう。(以上はあくまでも私見です。特定の組織や団体の考えを反映するものではありませんので、予めご注意ください。)
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