健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

大学院進学を考える(その2 研究課題の設定)

2014-07-23 08:30:50 | 研究
大学院進学を考えている皆さんは、「研究課題の設定」についてどのように考えているのでしょうか。前回も触れたように、そもそも「研究」とは、ある事象を説明する新たな考え(仮説)を証明すべく、仮説を証明するために実験などを計画し、それに基づいて自分の仮説を説明して納得してもらうことです。身近にいろいろな未解決の問題や解決すべき事柄などが結構あることから、こうした課題を研究テーマに設定する学生をよく見かけます。この時、注意しなければならないことがあります。それは、「研究課題」としては良いのですが、「仮説」があるか、そしてその「仮説」を立証するような研究計画になっているか、よく考える必要があります。特に、身近な問題は一見単純に見えるようでも実は非常に複雑で、多くの要因が複雑に絡み合って問題を引き起こしているのがほとんどだと思います。と考えると、そうした課題から「仮説」を導き出すのは非常に難しいことであるということができます。仮に「仮説」を設定しても、その仮説は問題の背景にある断片的な事象であることが多いと思います。また、そうした「仮説」の立証も難しくなります。ですので、大学院とくに修士課程での研究課題は、きわめて単純な基礎的な事象に焦点を当てた方がよいと考えています。例えば、「サルコぺニアの予防と改善方法における○○運動の有効性の検討」という研究課題は難しいですね。そもそも、「サルコぺニア」の発症機序が解明されていないのに、「サルコぺニアの予防法や改善法」が見いだせるとは思えません。仮に、ある運動を試してみたら効果的だったという結果が得られても、それはその対象にのみ限定された効果である可能性は否定できません。では、どのような課題を設定すればよいのでしょうか。これについては指導教官にお尋ねください。(以上はあくまでも私見です。特定の組織や団体の考えを反映するものではありませんので、予めご注意ください。)
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