サルを用いた実験で、脳に数の0(ゼロ)に強く反応する細胞があることが確認されたそうです(財経新聞)。これは、霊長類が言葉や数字記号がなくてもゼロを認識できることを示唆するもので、人がどのように数を理解するかというメカニズムの理解につながることが期待されるものだそうです。数としての0(ゼロ)の概念は、古代インドで成立したと言われているそうです。ゼロには2つの概念があると考えられているようで、ひとつは存在が無いという意味でのゼロ、もうひとつは0,1,2,3……という順列としてのゼロ。今回の研究では、モニター画面に最初に提示された白丸の数を記憶し、次に与えられた白丸の数を増やしたり減らしたりすることで最初の数に合わせる課題をサルに行わせ、その時の神経細胞活動を調べたそうです。その結果、ゼロで強く反応する神経細胞が多数見つかり、このようなゼロで最も活動が高い細胞をゼロ細胞と新しく命名。ゼロ細胞は、ゼロ以外の数には全く応じないデジタルゼロ細胞と1にも活動するアナログゼロ細胞があり、これはヒトが持っている「有無としてのゼロ」と「順列としてのゼロ」にそれぞれ相当することになるそうです。最近の行動経済学では、無料と価格との間には特別の関係があることがわかっているそうです。有料の中でいくら無料(ゼロ)に近くても好まれないもの(製品)が、無料となった途端に選り好み(価値判断)が逆転したりするような事例から、脳の中に2つのゼロ細胞、デジタルゼロ細胞とアナログゼロ細胞が存在するということは、それぞれが異なる価値判断に結びつく可能性を示唆しているそうです。
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