健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

生命誕生の謎解明に!?

2015-08-21 08:30:39 | 研究
アミノ酸の一種であるアラニンの過飽和水溶液を室温下で5GPaから11GPaに加圧することで、生体の材料となるペプチドが生産されることが明らかになったそうです(財経新聞)。研究では、代表的なアミノ酸である「アラニン粉末」と「アラニン飽和水溶液」を、室温条件で5GPaから11GPaの圧力条件に1時間置き、ガスクロマトグラフィー質量分析装置を用いて反応生成物の分析。その結果、回収試料にはアラニンの二量体と三量体が含まれていることが明らかに。今回の分析条件では、四量体以上の生成物は検出することができないため、実際には四量体以上の大きなペプチド分子が生成されていた可能性もあるそうです。今回の温度圧力条件では、アミノ酸と共存する水は氷の高圧相(氷VII相)に変化しているため、固体である氷の中でアミノ酸が脱水縮合したことになるそうです。氷VII相は氷衛星に存在すると考えられているため、今回の結果は、地球から遠く離れた氷衛星や氷惑星でも、生体関連物質であるアミノ酸のペプチドが生産される可能性があることを示していることに。
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氷河が観測史上最低水準に

2015-08-20 08:30:18 | 日記
世界の氷河は、過去120年の観測史上、最低の水準にまで縮小しているとの研究報告が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。氷河の厚みは現在、平均で年間50~150センチのペースで減少しているそうです。これは、20世紀における氷河の厚みの平均減少速度の2~3倍に相当するというのです。世界10億人以上の、特にアジアや南米で暮らす人々は、飲料水の半分以上を雪や氷河氷の季節融解によって得ていることが、これまでの研究で明らかになっているそうです。世界の氷河の現在の融解速度は、科学的観測の対象となった過去120年間、あるいはおそらくもっと長い期間において、前例のないレベルに達しているということです。
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手術中の音楽

2015-08-19 08:30:32 | 研究
音楽をかけながらの手術では、手術チーム内で会話が聞き取れずに返事を促す可能性が、音楽をかけていない場合の5倍におよぶとの研究結果が、Journal of Advanced Nursingに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。音楽をかけながらの手術は一般化しているそうですが、論文はこの習慣に疑問を投げかけるものだそうです。50%以上の手術が音楽をかけながら行われているそうで、その割合は国によって異なり、たとえば英国では音楽をかけながらの手術が72%にも上るそうです。手術室で音楽をかけるのは最近始まったことではないそうです。100年前、英国の草分け的な外科医は、手術前に麻酔をかけた患者の気分を落ち着かせるために、音楽家を雇って演奏させていたそうです。だがこの慣習はやがて、患者のためのものから、手術スタッフのためのものへと変化。外科医が音楽をかける理由は、ストレスの緩和、ホワイトノイズの遮断、集中力アップなどさまざま。しかし、その有効性や悪影響についてはこれまでほとんど検証されたことがなかったそうです。今回、英国で6か月間に行われた音楽のかかっている手術、かかっていない手術、計20件を録画。その結果、医師あるいはスタッフが、話し掛けた相手に応答を求める事例が5000回以上あったそうです。そのような事例は、音楽がかかっている場合がそうでない場合の5倍だったというもの。音楽には外科医の集中力を高める効果や外部の雑音を遮断する効果があるかどうかにかかわらず、チームのコミュニケーションを損なう恐れ、すなわち患者の安全を脅かす恐れがあるということです。
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炎症と長寿

2015-08-18 08:30:10 | 研究
健康で長生きする人は、炎症の程度を示す血液中の物質の数値が低く、この数値が低いほど認知機能や生活の自立度も高いことが、100歳以上の百寿者684人などを対象とした大規模調査でわかったと先日報道されていました(YOMIURI ONLINE)。マウスで炎症が老化を促進することは知られていたそうですが、長生きの象徴の百寿者で、健康と炎症の関係が明らかになったのは初めてだそうです。食事や薬などで、炎症を安全に抑えることができれば、健康長寿につながることが期待されると思われます。炎症は通常、けがをしたり、病原体が体に入ったりした時などに起きる防衛反応の1つですが、高齢者は加齢に伴い、症状がなくても血液中の炎症物質の数値が高くなる傾向があるが、その原因は不明です。
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3Dプリンターで製造した医薬品

2015-08-17 08:30:10 | 研究
米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)が、3Dプリンターで製造された医薬品を初めて認可したことを発表したそうです(AFPBB NEWS)。米国Ohio州に本社がある医薬品メーカーAprecia Pharmaceuticalsは、自社の3Dプリンター・システムで、1錠最大1000ミリグラムまでの薬を製造できるそうです。同社によると今回、3Dプリンターで製造された薬として初めてFDAに認可されたのは「スプリタム(Spritam)」という、てんかん治療薬の錠剤だそうです。「浸透性が高い製剤」で、わずかな量の液体で溶けるため、錠剤を飲み込むのに苦労している人や子どもでも服薬しやすいということです。
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子どもの食べ物の好き嫌い

2015-08-16 08:30:46 | 研究
子どもの食べ物の好き嫌いは、単なる一時的なものではなく、うつ病や不安神経症などの潜在的懸念に関する警告の合図である可能性があるとの研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。2~6歳の子どもの2割強に偏食がみられ、このうちの約18%は中度の偏食、残る2%強は極度の偏食に分類されたそうです。そして、食べ物に対して中度または極度の好き嫌いを示すこれらの子どものグループでは、臨床的うつ病や不安神経症などの精神衛生問題の発生率が高いことが確認されたそうです。偏食は栄養不良や家庭争議の原因となる可能性があるため、親や医療スタッフが、潜在する感情的問題のリスクを注視することが重要になると考えられるそうです。また、偏食が深刻な難題となっている子どもには、「回避性・制限性食物摂取障害(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder)」と呼ぶ精神疾患がある可能性もあるそうです。
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気管支喘息を抑える新しい免疫応答機構

2015-08-15 08:30:52 | 研究
気管支喘息を抑える新しい免疫応答機構が明らかになったそうです(財経新聞)。現在、気管支喘息によって年間25万人もの患者が死亡しているそうです。薬剤吸入によって気管支喘息を一時的に抑えることはできるものの、完治はできないため、長期間薬剤の継続投与が必要。研究では、マウスにタンパク質分解酵素を吸入させると、肺胞上皮細胞からIL-33が放出され、このIL-33が免疫細胞である自然リンパ球や好塩基球を活性化することにより、気管支喘息に似た気道炎症を誘発することが明らかになったそうです。また、マスト細胞が存在しないマウスでは、タンパク質分解酵素の投与による気道炎症は起こらないと予想されたが、それに反して、マスト細胞が存在しないマウスでは、タンパク質分解酵素の投与後、制御性T細胞が増えないため、気道炎症が重症化することを突き止めたそうです。さらに、試験管内でマスト細胞とT細胞を混合し、そこにIL-33を加えることによって制御性T細胞だけを増やすことに成功し、マスト細胞を利用して体外で誘導した制御性T細胞をマウスに移植することにより、タンパク質分解酵素の投与による気道炎症が抑制できることを証明したというものです。今後は、生体内のマスト細胞の機能のうち、制御性T細胞の誘導能のみを発揮させる方法を確立することにより、気管支喘息の新たな治療法の開発に結びつくと期待されるそうです。
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アルツハイマー病は女性で速く進行する

2015-08-14 08:30:32 | 研究
アルツハイマー病の女性は、同じ病の男性よりも精神的機能の低下の進行が速いとの研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、アルツハイマー病を患う70代半ばの女性141人、男性257人を、8年間にわたって調査。記憶力などを調べるテストを毎年行ったところ、女性の認知能力は男性に比べて倍の速さで、衰えていくことが分かったというもの。Alzheimer's Associationによると、米国ではアルツハイマー病を患う高齢者のうち、およそ3分の2が女性で、女性の発病率は、男性の約2倍に上るそうです。女性と男性で違いが出る理由は不明だそうで、性差に特化した遺伝的または、環境的なリスク要因が作用しているのかなどを特定するには、さらなる研究が必要とのことです。アルツハイマー病患者は、全世界で約4400万人。世界的に高齢化が進むことに伴い、今後は爆発的に増加するとみられているそうです。
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低酸素耐性遺伝子

2015-08-13 08:30:11 | 研究
低酸素状態において人間が耐えられるよう働く遺伝子を特定したという論文がProceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。酸素濃度が比較的低い高地で数千年にわたって暮らしてきたエチオピア人の助けになっていると考えられる遺伝子「エンドセリン受容体B(EDNRB)」を特定。EDNRB遺伝子の発現が通常レベルのマウスと低レベルのマウスを用いて、低酸素状態での相対的な心機能を観察した結果、EDNRBが低レベルのマウスの方が、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の頂上より酸素濃度が低い場合でも、心拍、血圧、重要臓器への酸素供給などの正常値を維持する能力が高かったというもの。海抜ゼロ地点で暮らす、心臓発作や脳卒中などの低酸素に関連する疾患の患者への、より有効な治療法の探求に役立つ可能性があるということです。
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アリの協調行動

2015-08-12 08:30:09 | 研究
アリは、重いものを持ち上げて運ぶための「集団の筋力」と「個体の指導力」とを組み合わせる、驚くべき能力を持っているとの研究結果が、Nature Communicationsに掲載されたそうです。研究では、昆虫など自分たちよりも大きな物体を力を合わせて運んでいる十数匹のアリの集団が、この活動に参加している1匹のアリから提供される情報を基に、進路を調整できることを確認。この1匹の「リーダー」は、集団が進路から外れたり、「困難を生じさせるもの」の方に向かっていたりすることを何らかの方法で察知し、さまざまな角度から引っ張る力を加えることで、進行方向に必要な変更を合図するそうです。そして、他のアリは逆うことなく、その合図に従うのだそうです。さらに驚くべきことに、リーダーを務めたアリが、その行動の10~20秒後には、さらに最新の情報を持った別の新参アリにリーダーの役目を譲り渡すことも確認できたそうです。アリは、その生物種に属する個体よりもはるかに重い物体を集団で運ぶことを目的に、組織的な行動をとる数少ない動物の一つだそうです。組織的な行動における難題の一つには、協調行動すなわち調和と、状況の変化に合わせて対応できる柔軟性との間にバランスを見極めなければいけないということがあるそうです。魚群やヒツジの群れなどの集団で生活する動物は、一致した行動をとるように進化してきたそうです。これは、協調行動に不可欠な特性とされているそうです。アリがバラバラではなく組織的に行動できるのは、この特性によるものだそうです。
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