いつも作るベーコンですが、燻煙途中の肉の中心温度が気になってましたので、実験君になって、計測してみることにしました。
というのも、私はロースハムを作る時、ある文献に載ってる~「食品衛生法上、牛乳の殺菌温度62.8℃・殺菌時間30分となっており、ハム・ソーセージもこれに準じて・・・」~というのを採用し、ボイルする時に中心温度を測ってますが、ベーコンではどうなってんだろう? と思ったからです。ハムはこれでしっかり火が通ってますし、これをクリアしていれば、そのまま食べてもOK・・・というより、生っぽくならないし、何より安心して保存できるじゃあ~りませんか (^_^)v ということで、実験・実験・・・
============= 実験結果 =============
1 風乾後(左)と温熱乾燥後(右)
風乾後(左): いつものとおりピチット・シートを使い、冷蔵庫で一晩置きました。中心温度は約5℃です。肉が生っぽいです。
温熱乾燥後(右): 50度~55℃、1時間30分の温熱乾燥したら、中心温度は約35℃まで上昇。肉の表面がかなりさらっとして、ほんの薄くですが、色が着いてます。温熱乾燥は、余分な水分を飛ばし、肉全体を温め、煙が着き易くなるために行います。
2 65℃で燻煙中(左:1時間30分後、右:2時間30分後)
温熱乾燥終了、いつものとおり、65℃で燻煙開始。チップ大さじ山盛3杯を投入。30分に一回程度補充します。
1時間30分後(左): 中心温度は約50℃。いい色が着いてきましたが、まだまだ肉がプヨプヨしてます。水分がまだまだ多いんですね。水分を飛ばすため、煙抜きを半分開きます。
2時間30分後(右): 中心温度は約55℃。色着きは80%ぐらいかな、肉がだんだん締まり始める頃です。この後は、煙抜きを全開、煙そこそこにして乾燥フェーズに入ります。(チップを大さじ山盛り1杯程度追加)
3 燻煙~温熱乾燥へ
3時間後: 65℃で3時間燻煙してきましたが、中心温度はもはや55℃以上には上がりません。そこで、スモーカーの温度を70℃に上げました。ここで最後のチップを大さじ山盛り1杯投入。煙は十分、あとは温熱乾燥でもう少し水分を飛ばし、仕上げです。(今回は温度測定・・・?)
4時間後: 70~75℃で、やっと中心温度は61℃になりましたが、まだ規定の62.8℃には達しません。このくらいの温度から肉の油がにじみ始めてきました。75℃をキープしてると、油が滴ってきました。
4時間30分後: やっと中心温度が64℃になってました。ここから30分我慢(殺菌)。結局、5時間かかって、やっと出来上がり!(^_^)v
(今回は、いつもより肉厚なので、温度を60℃にして、もう1時間程、温熱乾燥追加。身が締まった、いいベーコンができました。)
※ 出来上がりを、薄くスライスしてそのまま味見、濃いハムのような味、GOODでした!
============= 結 論 =============
A rule of thumb : 仕上げの温熱乾燥は、75℃で。油が滴り始めたら1時間頑張ろう!
実験終了後、かみさん曰く、「ま~た、ばかなことやってる。仕事もこれくらい熱心ならね!(ーー;)」ですと・・・、「ふぁ~い 」 (^_^;)