Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#185 12球団のチーム状況 ①

2011年09月14日 | 1981 年 
   

  1981年のペナントレースが開幕して1ヶ月。予定通りに進んでいるチーム、思惑が外れて低迷する
  チームとそれぞれです。



【西武ライオンズ】 石毛にばかり注目が集まるが西武には他にも楽しみな新人が入団した。「あの恐い物知らずの新人たちの
機動力は脅威だよ(近鉄・梨田)」が代表するように岡村や広橋の足が西武の野球スタイルを変えようとしている。4月11日の
近鉄戦、中前安打した岡村は平野が見せた僅かな隙をついて単打を2塁打にしてしまった。この新人たちに後押しされるように
チームは5連勝で開幕ダッシュに成功したかに思えたが好事魔多し、左手甲に死球を受けた石毛と太腿肉離れでスティーブが
怪我するなど主力が離脱、彼らにチャンスが到来した。しかし、レギュラーとして毎試合に出続けるようになるとミスが目立って
くるようになった。ただ打つだけではレギュラーは務まらない。機動力が売りの彼らに走塁のミスが出始めたのだ。勢いだけで
定位置を取れるほどプロ野球は甘くない。もう一人二軍には根本監督の隠し球がいる。高卒新人の小野和幸投手だ。松沼兄の
肘痛の回復が思いのほか芳しくなく首脳陣は思い切って治療に専念させた方が本人にもチームの為になると考えている。その
穴を埋める投手に小野が抜擢される可能性が充分ある。中央球界では無名の金足農高出身のドラフト外入団だが、現在二軍
では敵無しの快投を続けている。後期を見据えて早い段階で一軍に上げて馴らし登板をさせるかもしれない。

  



【読売ジャイアンツ】 開幕4連勝を含めて4月は13勝6敗だった巨人は中日に次いで2位。上々のスタートを切ったが首脳陣の
気懸かりは新浦の調子が今ひとつである事。開幕前は「江川・西本・定岡・新浦・藤城」のローテーション構想だったが、新浦と
藤城、特に新浦が期待に応えていない。勝ち負けの問題以前に投球内容が悪すぎて、早くも3度目の登板機会は飛ばされて
新浦以外の4人のローテーションで回す事に変更された。今のところ1人減った影響は出ていないが夏場以降が懸念される。
先発が減ったことで中継ぎ陣の働きが重要になってくる。今の中継ぎ陣の中心は去年まで燻っていた浅野と加藤初。加藤は
登板機会を求めて契約更改の場で移籍を直訴したが藤田監督と話し合いを持ち残留した経緯がある。新浦離脱の皺寄せは
今やベテラン二人の右腕に頼らざるを得ない。

   



【ヤクルトスワローズ】 去年までのカモ相手に苦戦しているヤクルト。虎狩り得意の梶間や竜キラーの鈴木康が今年はサッパリ
なのだ。安田は二軍でも滅多打ち、最低でも5勝と見込んでいた竹本も「今年は無理かも(堀内コーチ)」と投手陣が散々。救いは
巨人キラーの尾花が健在な事くらいか。悪い事は重なるものでマニエルの不振に加えて若松が4月22日の広島戦で水沼の浅い
飛球をダイビングキャッチした際に右肩を負傷してしまった。診断の結果は右肩靭帯断裂で全治は2ヶ月の大怪我。 マニエルや
大杉の不振も一向に上向く気配もなく上位浮上のキッカケすら見出せない。

  

コメント
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