8月には優勝戦線から完全に脱落し、後は個人記録に目標を絞る事となりチームは3位。個人タイトルは二村と島田誠の2人だけと不甲斐ない1年だった。
320万円の靴で稼いだ34S…宿敵・西武に春先から独走を許し最終的に「20.5 ゲーム差」の3位に甘んじた中で唯一、守護神・江夏の2勝34Sだけは年俸7千8百万円に見合った成績だろう。思い起こせば昨年の西武とのプレーオフで片平、テリーの左打者にプッシュバントを決められ屈辱の涙を流した。苦手のフィールディングを突かれたのを教訓に今季は福本(阪急)や島田誠(日ハム)といった韋駄天が特注しているカンガルーのバックスキンで作られている軽量スパイクを40足もあつらえた。1足が8万円もするので計320万円の出費である。そのお蔭もあってか5年連続最優秀救援投手のタイトルこそ森(西武)に譲ったが2勝4敗34Sは合格点。シーズン終盤まで森とデッドヒートを繰り広げセーブ数は同じだったが最後は勝利ポイントの差で敗れた。「このタイトルだけは死守しようとしたが…来年も逃すようなら潔くユニフォームを脱ぐ」とまで宣言した。
9年目で花開く…プロ8年目の昨季、初めての一軍で4勝を上げた川原投手が今季は一気にチームの勝ち頭(11勝)に登りつめた。昨季同様に中継ぎ、敗戦処理で黙々と登板しているとあれよあれよと言う間に勝ち星がついていた。しかも東尾(西武)とシーズン終盤まで防御率のタイトルを争うまでに成長した。5月末に中指の爪を割るアクシデントに見舞われたが球宴後には破竹の5連勝。8月には6勝1敗1Sで月間MVPに選出された。「本当にやり甲斐のあるシーズンでした。初めて表彰されて終盤には2試合先発させてもらい感謝しています。防御率のタイトルは逃しましたがプロでやっていく自信がつきました」と充実した1年を振り返る。来季は植村新監督の下、先発・中継ぎ・抑えの何にでも挑戦する覚悟でいる。
チャボの快進撃…1㍍68㌢、66㌔ の小兵・島田誠が暴れまくった。先ず昨季までのプロ6年間で通算23本塁打だった非力男が今季は一気に14本塁打の大変身。加えて年間150安打はクリア出来なかったが自己最多となる148安打を放ち打率も三度目の3割を越えた(3割3厘)。更にダイアモンドグラブ賞にベストナインにも選ばれた。「大石(近鉄)に盗塁王は譲ったが来季こそタイトルを獲る」と高らかに宣言した。初の " 後楽園MVP " にも輝いた理由の一つが7年間で通算245盗塁、平均でも35盗塁した俊足である。どうやら切り込み隊長の活躍次第が来季の日ハムの浮沈を握っているようだ。
ここにも原因があった…「不振の原因は何かと問われても…要は力不足って事」と自虐的に話すのは今季まったく精彩を欠いた柏原。独走した西武が春先から両外人や田淵の活躍で波に乗ったのと対照的に日ハムの主砲・柏原の不振は目を覆わんばかりだった。好機に確実に適時打で得点する西武、同じく好機に凡打やゲッツーの日ハムでは勝負にならない。特に柏原は今季21個の併殺打ときては「純一が1本打ってれば状況は違ったな」と大沢監督の嘆きも頷ける。キャプテンの体たらくはそのままチームの低迷に直結したのである。
あと3つ残して…武蔵坊弁慶の " 千人斬りは " 牛若丸によって、あと一人で阻まれた訳だが高橋一投手は史上10人目の2千奪三振の快挙を自らの意志で絶った。プロ19年目、巨人時代から右打者の外角低目に逃げていくスクリューボールを武器に公式戦や日本シリーズで8度も胴上げ投手になった。通算 595試合・167勝132敗12S・防御率 3.18 の数字を残し、あと3個で2千奪三振だったが「もう体力も気力も無くなった」とユニフォームを脱いだ。周囲はまだやれる、せめて三振の記録を達成してからでもと説得したが本人は「もう未練は無い」とキッパリ。いや~惜しい。実に惜しい…
320万円の靴で稼いだ34S…宿敵・西武に春先から独走を許し最終的に「20.5 ゲーム差」の3位に甘んじた中で唯一、守護神・江夏の2勝34Sだけは年俸7千8百万円に見合った成績だろう。思い起こせば昨年の西武とのプレーオフで片平、テリーの左打者にプッシュバントを決められ屈辱の涙を流した。苦手のフィールディングを突かれたのを教訓に今季は福本(阪急)や島田誠(日ハム)といった韋駄天が特注しているカンガルーのバックスキンで作られている軽量スパイクを40足もあつらえた。1足が8万円もするので計320万円の出費である。そのお蔭もあってか5年連続最優秀救援投手のタイトルこそ森(西武)に譲ったが2勝4敗34Sは合格点。シーズン終盤まで森とデッドヒートを繰り広げセーブ数は同じだったが最後は勝利ポイントの差で敗れた。「このタイトルだけは死守しようとしたが…来年も逃すようなら潔くユニフォームを脱ぐ」とまで宣言した。
9年目で花開く…プロ8年目の昨季、初めての一軍で4勝を上げた川原投手が今季は一気にチームの勝ち頭(11勝)に登りつめた。昨季同様に中継ぎ、敗戦処理で黙々と登板しているとあれよあれよと言う間に勝ち星がついていた。しかも東尾(西武)とシーズン終盤まで防御率のタイトルを争うまでに成長した。5月末に中指の爪を割るアクシデントに見舞われたが球宴後には破竹の5連勝。8月には6勝1敗1Sで月間MVPに選出された。「本当にやり甲斐のあるシーズンでした。初めて表彰されて終盤には2試合先発させてもらい感謝しています。防御率のタイトルは逃しましたがプロでやっていく自信がつきました」と充実した1年を振り返る。来季は植村新監督の下、先発・中継ぎ・抑えの何にでも挑戦する覚悟でいる。
チャボの快進撃…1㍍68㌢、66㌔ の小兵・島田誠が暴れまくった。先ず昨季までのプロ6年間で通算23本塁打だった非力男が今季は一気に14本塁打の大変身。加えて年間150安打はクリア出来なかったが自己最多となる148安打を放ち打率も三度目の3割を越えた(3割3厘)。更にダイアモンドグラブ賞にベストナインにも選ばれた。「大石(近鉄)に盗塁王は譲ったが来季こそタイトルを獲る」と高らかに宣言した。初の " 後楽園MVP " にも輝いた理由の一つが7年間で通算245盗塁、平均でも35盗塁した俊足である。どうやら切り込み隊長の活躍次第が来季の日ハムの浮沈を握っているようだ。
ここにも原因があった…「不振の原因は何かと問われても…要は力不足って事」と自虐的に話すのは今季まったく精彩を欠いた柏原。独走した西武が春先から両外人や田淵の活躍で波に乗ったのと対照的に日ハムの主砲・柏原の不振は目を覆わんばかりだった。好機に確実に適時打で得点する西武、同じく好機に凡打やゲッツーの日ハムでは勝負にならない。特に柏原は今季21個の併殺打ときては「純一が1本打ってれば状況は違ったな」と大沢監督の嘆きも頷ける。キャプテンの体たらくはそのままチームの低迷に直結したのである。
あと3つ残して…武蔵坊弁慶の " 千人斬りは " 牛若丸によって、あと一人で阻まれた訳だが高橋一投手は史上10人目の2千奪三振の快挙を自らの意志で絶った。プロ19年目、巨人時代から右打者の外角低目に逃げていくスクリューボールを武器に公式戦や日本シリーズで8度も胴上げ投手になった。通算 595試合・167勝132敗12S・防御率 3.18 の数字を残し、あと3個で2千奪三振だったが「もう体力も気力も無くなった」とユニフォームを脱いだ。周囲はまだやれる、せめて三振の記録を達成してからでもと説得したが本人は「もう未練は無い」とキッパリ。いや~惜しい。実に惜しい…