Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 484 オープン戦なんでも No,1:中日ドラゴンズ編

2017年06月21日 | 1985 年 



ヒゲ男 ・・串間キャンプが始まった頃にはヒゲ面男が7~8人いたが、いつの間にか1人剃り、2人剃りと減っていった。最初に陥落したのは金山兼任コーチ。続いて石井選手、豊田選手、平野選手らが剃って今は宇野選手と中尾選手の僅か2人しか残っていない。「僕は絶対に剃りません。たとえ1人だけになっても」と硬い決意で話すのは宇野選手。ヒゲを伸ばしたそもそものきっかけは剃るのが面倒になったからだそうだが今では「迫力のある面構えになった(宇野)」と御満悦な様子。「そのうち鈴木代表に剃れ、と怒られるよ」とは先に剃った某選手。

大物・・大物選手はよく忘れ物をする。代表的選手はミスター。かつて後楽園球場に一茂くんを置いて帰ってしまった逸話が残っている。中日では中尾選手と藤王選手が双璧。12日の阪急戦後の西宮球場にスパイクを置き忘れた中尾。気づいたのは帰り支度を終えた宿舎で慌てて球場に残っていた記者に連絡して新大阪駅まで持って来てもらった。一方の藤王選手は時間。即ち門限破りの常習犯なのである。坪内寮長がニヤニヤしながら藤王の頭をポカリ。「一時より減ったが相変わらず常習犯(坪内寮長)」だそうだが、そこは19歳の若者なので寮長も大目に見ている。

雨男・・登板が雨で流れるのは一度や二度なら誰でも経験している筈だが、続けて四度となると持って生まれた運命なのかもしれない。今年の新人の中で一番速い球を投げると評判の古川利行投手。首脳陣も早く実戦を見てみたいのだが二軍から急遽一軍に上がった3月11日の阪急戦は雨で中止。14日のロッテ戦、17日の日ハム戦といずれも先発する予定だったが雨天中止。ならば中継ぎでテストしようとした19日の西武戦も雨…。本人に聞くとやはり " 前科持ち " だった。「社会人時代も3年連続で初登板は雨で中止でした(古川)」と。


【 センバツ随想録:大石友好 】
普段はネアカな性格だけどこの季節は憂鬱な気分になる。当時の徳島海南高は県下でも優勝候補だった。投手には尾崎健夫、あのジャンボ尾崎の弟で今はプロゴルファー。一塁手はロッテでマネージャーをしている北川、センターにはセ・リーグの審判をしている谷と良い選手が揃っていたけど3年間で最も甲子園に近づいたのは1年生の夏の県予選大会準優勝。センバツはかすりもしなかった。今でも甲子園の高校野球中継は悔しくて見られないですね。

【 試される男:松浦英信 】
ポスト田尾は藤王だけじゃない!と名乗りを上げた松浦。3月16日の日ハム戦の7回裏の守りから出場した。一軍の試合はプロ3年目にして初めてで8回表、二死・二塁の場面でプロ初打席を迎えると川原投手が投じたスライダーをライト前に適時打。次打者・大島への2球目にすかさず二盗を決めるなどアピールに成功した。「松浦はただ打つだけの選手ではない」と高木二軍監督が言う通りのプレーを披露した。「とにかく良い所を見せたかった」と話す松浦。走・攻・守と三拍子揃った姿は山内監督の目にどう映ったか。

【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…評論家の間では投手陣の評判が良いです
中 山…でしょうね。課題だった左腕不足が杉本の加入で解消されましたし。小松・郭・都・鈴木らに杉本を加えた
      五本柱でローテーションを組めるのは心強い

聞き手…ただ小松投手は過去7年、怪我なくシーズンを乗り切った事はないし都投手は出遅れ。不安ではないですか?
中 山…小松は過去を反省して調整法を考えているので期待している。都は確かに安心できない
聞き手…肩がなかなか温まらないと都投手は言っている。故障なのでは?
中 山…故障ではない。しかし肩が温まらないと力を入れて投げられず臆病になっている。真面目な性格だけに
      責任を感じてしまうタイプなので余り追い込まないようにしている

聞き手…若手投手たちのテストはどんな具合ですか?
中 山…三沢、藤沢、安木がいなくなった分を若手で埋めないと。曽田・平沼・鹿島・近藤・宮下らはチャンスですよ。
      新人左腕トリオの古川・清水・米村だって結果を出せば開幕一軍もありますよ

聞き手…具体的には?
中 山…単に頭数だけなら3人の穴は埋まる。ただ、こちらとしては頭数以上の勝ちゲームでの中継ぎや、あわよくば
      先発ローテーション入り出来るレベルを求めているからテストは続きます

聞き手…結果が出るのはまだ先?
中 山…ハイ。確かにそれぞれ成長していますが図抜けている投手はまだいない。欲張りかな?
聞き手…杉本投手は先発候補。左腕の中継ぎは?
中 山…期待していた桑田は出遅れ。新人トリオに期待するのは荷が重い。悩みの種です
聞き手…でも必要ですよね?
中 山…確かに左は必要。でも力のない左腕より球威のある右腕の方が良いという考えもある。開幕当初は左の中継ぎ
      不在でいくかもしれない。それさえ解消できれば広島や巨人にも劣らない投手陣だと思います
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする