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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 677 ニューフェイス ①

2021年03月03日 | 1977 年 



そのチームの動向を伺うには新人やトレードの顔を見ればいい。どんなチームを目指しているのか、どんなスターを育てようとするか。またそれがシーズンの戦力をも決定するひとつの目安にもなる。さて、スタートを前にして12球団の主な補強選手を総括してみよう。

パ・リーグ ➊:ここでも王者は阪急、追うは日ハム
阪急:島谷で日本一の守りへ
【新人】…投 手:佐藤義則、三枝規悦、平山正人、山本良材、夏目隆司、小川忠幸
     内野手:田中彰、今井茂
     外野手:吉沢俊幸
【移籍】…投 手:永本裕章、水谷孝、稲葉光雄、川畑和人
     内野手:島谷金二
     外野手:藤井栄治、大隈正人

「いやぁ阪急はよく練習するね。中日の2倍はするよ」中日からトレードでやって来た島谷のセリフである。高知キャンプでの猛練習が効いたのか島谷は随分と体が引き締まって見える。島谷の加入で適任者が不在だった三塁手が決まり、あの厳しい上田監督が笑顔で「これで日本一の内野陣が完成する」とブチ上げたのだ。島谷の守備力は堅実で前任者の森本より遥かに安定しており、投手陣も「大橋との三遊間は鉄壁」と大喜びする。打撃もいい。5日の阪神とのオープン戦で移籍第1号を放つと12日の同じく阪神戦では4打数4安打と大当たり。昨シーズンの打率.278・21本塁打を上回る活躍が見込まれている。

移籍組でもう一人目立っているのがクラウンから来たプロ16年目の藤井だ。鋭いスイングは健在で相変わらずの好打を見せている。5日の阪神戦、10日の中日戦で本塁打を放った。阪急は左の代打不足だったが藤井の加入で解消されそうだ。逆に投手陣は永本や稲葉の加入では十分とは言えず、新人の佐藤に期待せざるを得ない。その佐藤の評判はすこぶる良い。6日の阪神戦に初登板、10日の中日戦では負けはしたが12球団で完投一番乗りを演じた。直球もキャンプ当初よりスピードが増して「もちろん先発ローテーションに入りたい。プロは勝ってナンボの世界ですから(佐藤)」とプロの世界でやっていける自信が出てきたようだ。



◆南海:金城に10勝期待
【新人】…投 手:山本和樹
     捕 手:相方裕二、竹原比呂志
     内野手:久保寺雄二
     外野手:上野克二
【移籍】…投 手:金城基泰

広島からトレードで入団した金城が戦力になるのは間違いない。金城のオープン戦の初登板は14日の阪神戦だった。5回表一死満塁の場面でリリーフ登板し何とか1失点で切り抜けた。当初はイニングの頭から行くという予定だったが先発の村上が突然崩れた為に急遽の登板となった。野村監督は「予定外の登板だったがよう投げてくれた。ワシの構えた所にサイン通りの球を投げたのは流石や」と喜んだ。かつての20勝投手の金城だが自動車事故の影響で視力が低下し、昨年ようやくカムバックしたばかり。「調整は順調。この分ならやれそう」と金城本人も手応えを掴んだようだ。


◆ロッテ:白のパンチが頼り
【新人】…投 手:仁科時成、伊藤浩
     内野手:坂川重樹
【移籍】…投 手:大本則夫、安木祥二
     捕 手:高橋博士
     内野手:末永吉幸
     外野手:白仁天

あの強気の金田監督が「ロッテを頼むでぇ」と懇願する相手がクラウンから来た白である。それほど今年のロッテ打線は他球団と比べると貧弱であるのだ。打線の中心である有藤が古傷の手首を痛め、山崎裕の調子も今一つ上がらない。頼りになるのは弘田くらいという惨状だ。それだけにカネやんならずとも白に賭ける期待が大きくなる。白は一昨年の首位打者で昨年も打率.288・17本塁打・59打点と結果を残した。投手陣ではかつてのエース・木樽の背番号「20」を受け継いだルーキーの仁科が面白い。アンダースローから繰り出す癖球は先発ローテーションでも通用しそうだ。

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