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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 887 週間レポート 大洋ホエールズ

2025年03月12日 | 1977 年 



やはり大だった大ちゃんの穴
ペナントレース前半はオバQ旋風に乗って台風の目になった大洋。だがオールスター戦を前に山下・清水・福嶋選手ら主力に怪我人が続出して戦力がガタ落ちして借金「5」で後半戦を迎えた。ところが後半戦が始まると敵地で広島相手に3連勝と快調に走り出した。「オールスター前は調子が落ちていたけどこの3連勝で盛り上がる。ウチは若い選手が多いから勢いに乗ると怖いよ」と別当監督は久々に笑顔で台風の目になると自信満々に宣言した。好調の要因のひとつが山下選手の戦列復帰だ。「僕が復帰したとたんに3連勝で縁起がいいでしょ」と " 大ちゃんスマイル " を見せる。

後半戦スタート対広島3連戦の初戦、山下選手は第1打席に右前打で出塁し先制点の足掛かりとなり、7回表には中前にダメ押しタイムリー。次戦でも1点リードの8回表に松原投手から左前打で出塁し広島を突き放す追加点のホームを踏んだ。3戦目は自身の全快祝いとなる復帰後初本塁打を放ち、逆転勝ちに貢献した。「最高の気分です」と山下選手が高笑いすれば別当監督も頼もしい核弾頭の復帰に「山下の復帰が何といっても大きい。これで攻撃の型が整った」とニンマリだ。昨シーズンまではどちらかといえば人気先行型の山下選手だったが、今や名実ともにセ・リーグ No,1の遊撃手に成長した。

この大ちゃんの暴れん坊ぶりに刺激されてか、オバQこと田代選手がスランプから抜け出しそうだ。対広島3連戦の初戦で田代選手は5打数4安打、2戦目はバックスクリーンに第24号勝ち越し本塁打を放つなど大暴れ。3割4厘まで落ちていた打率も3割1分9厘まで引き上げた。2人の活躍もあって対広島3連戦であげた得点は20点。別当監督が掲げたメガトン打線爆発の予言がピタリと的中した形だ。別当監督の声も1オクターブ上がり「巨人の独走は許さん。ウチがペナントレースを面白くしてやる」と台風シーズンを前に " 台風の目 " 復活宣言をした。


人間、辛抱だ
平松投手がプロ入り11年目にして " 長くて苦しい初体験 " をした。7月29日の広島戦で先発した平松投手は味方の大量点に守られて完投勝ちで6勝目を上げたのだが広島打線に2本塁打を含む14安打を浴び何と161球を投げる苦投を演じた。「こんなに打たれたのはプロ入りして初めて。完投できたのが不思議だよ」と苦悶の表情。試合時間は3時間40分で平松投手も大洋ナインもヘトヘト。「人間、辛抱だね。諦めないで投げればいけるもんだ」と自画自賛。どうやら平松投手は新境地を開拓したようだ。

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