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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 764 週間リポート 広島東洋カープ

2022年11月02日 | 1977 年 



あぁ、もう甦らないのか…
肩を痛めて二軍に落ちている外木場義郎投手は6月29日に一軍に戻って来る予定になっている。外木場投手自身もこの日を目標に懸命に努力をしているが、故障した箇所が投手にとって生命線である肩だけに周囲は復帰に慎重である。昨年から六度も肩とヒジを痛めていることから再起を危惧する声があるのも事実。二軍では打撃練習の投手を務めるまでに復調してきているが本格的な投球練習までには至っていない。「もう肩に痛みは感じていない。戦列を離れる前は投げた後に肩が張っていたけど今はもうない(外木場)」のは朗報だが全力投球に対する恐怖心は未だ抜けていない様子だ。

肩をかばう気持ちがある間は本来の外木場投手に戻ることは出来ないようで、その点の解決策を首脳陣は「身体のことは本人しか分からないことだが、一度思い切って投げてみてその結果を見るのも一つの方法ではないか」と話している。北別府、小林誠、望月投手らイキの良い若手が台頭しつつある投手陣は開幕から何とか持ち堪えているが、やはり外木場投手が出て来なくては長いペナントレースは乗り切れない。それだけに外木場本人も「必ず一軍のマウンドへ戻る」と意欲いっぱいだが、さて。


続・あぁ、もう甦らないのか…
外木場投手が実に1ヶ月ぶりに先発登板した。とは言っても悲しいかな二軍の阪神戦での話だが。悲しいと言えば結果は3回途中、一死も取れずにKOされ降板した。初回、町田選手に左中間に3ラン本塁打を放たれ3失点。3回無死の場面で交代するまで計6失点だった。今年二度目の肩の故障で二軍落ちしてから既に1ヶ月が経過しても未だ二軍ですら通用とは。ところが本人は「もう少し投げ込みをすれば大丈夫でしょう」と意外にも明るい表情だ。その理由について「力いっぱい投げても肩に違和感が無かったから」だそうだ。6本の長短打を浴びたのも球威を試す狙いで速球ばかり投げたせいと悲観していない。

大石投手コーチも「痛みや不安はもう無いのであとは投げ込んで勝負の勘を取り戻せば大丈夫。とにかく全力投球できたことが何より収穫でしょう」と安堵している。だからといって今すぐに戦列復帰とはいかないようで、これから1週間ほど様子を見るという。その後、短いイニングを投げて肩慣らしをし、徐々にイニング数を増やしていく計画だ。目下は池谷投手も故障で離脱し高橋里投手が柱となって投手陣を引っ張っているが、文字通り投手陣は火の車状態。苦しい夏場を迎える前に何としても外木場投手に戻って来て欲しいのだ。「大丈夫」という外木場投手の言葉を誰よりも頼りにしている古葉監督は首を長~くして復帰を待っている。


中日さんの気持ち分かります
今年の赤ヘルは神宮球場が鬼門。6月13日現在、9試合を消化し2つの引き分けを挟んで7連敗で未だ勝ち星ナシ。まるで中日の後楽園球場並み。昨年の中日は後楽園球場で12連敗し今年も連敗を継続中だ。「神宮でのヤクルト戦になるとまるで別のチームみたいになってしまう。気おくれするとかは無いし、むしろ余裕があって受けて立つといった感じなのに…」と広島ナインも勝てないことに不思議がる。対するヤクルトナインは「今年のカープにはV1当時の勢いは微塵も感じられない。元気もないですねぇ」である。12・13日の試合も負ける気がしなかったというのだから広島ナインは顔色なしだ。

この2試合とも若松選手のサヨナラ本塁打で敗戦。12日は延長10回裏に池谷投手が、翌13日は9回裏に松原投手が被弾した。ともに初球というのも癪の種で、これでは古葉監督がカンカンになるのも当然だ。12日の試合はルーキーの梶間投手から2点のみで打線の不振を嘆き、13日は6得点したが投手陣が崩れて8失点。投打が嚙み合わず古葉監督の怒りも頂点に。昭和43年の豊田泰光選手(当時はサンケイ)以来の史上2人目となる「2打席連続代打サヨナラ本塁打」を若松選手に許してしまった。「初球はボールにするつもりだった」と道原捕手は悔やんだが後の祭り。悪いことは重なるとはまさに悪いチーム状態の見本だった。


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