このところ漁船見学シリーズになっています。
毎年、いろいろな船を見学するんですけど、今年はこの時期に重なりました。
船の都合で日が変わるので、小さい学校の学園では臨機応変に「行けるときに行く!」ことにしています。
生徒数が多い学校だと、こうは行きませんよ!
なぜ、この日かというと水揚げがあったためです。
遠洋マグロの場合、航海が半年から1年。
ってことは、一つの船で年に1,2回しか水揚げがありません。
だから、学園の生徒もマグロ水揚げを見ることができるチャンスは少ないのです。
マグロの場合は、ワイヤーにブドウの房(ふさ)のように括(くく)りつけて、クレーンで引き揚げます。
専門の業者が来て、ワイヤーに取付けるそうですよ。
半年の航海で200トンの水揚げでした。
そして船内の見学。
その場で分かりましたが、船長が実習の先生と同級生でした。
狭い業界ですから、こんなことも良くあります。
機關室はピカピカ
「漁船でこんなキレイなエンジンは見たことない」
と学園の職員も驚いていました。
事代丸のみなさん、ありがとうございました。
さあ、生徒の誰かが半年後にこの船に乗ってくれることを私も期待です。
学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
園長のつぶやき
今週はAO入試の願書受付をしています。
学園では初のAO入試。
何人の受験があるのか、私もドキドキです。
学園の入学を考える人の多くは、勉強の得意でない人たち。
学科試験のないAO入試は受験のハードルが低いはずです。
うまく活用して欲しいです。
私は漁村の生まれですが、子供の頃は
「漁師になるには、体力だけあればよい」
と言う話しを聞くことがありました。
もう50年前です。
そして、その頃は沿岸漁業でも漁師の方がサラリーマンより稼ぐの当たり前でした。
今となっては、事情が違います。
沿岸漁業では、魚を捕るより、魚を売ることが問題です。
捕れる魚は昔より減っています。
流通も変わっています。
同じように、ただ市場に出すだけでは収入は減る一方です。
魚を高く売るための工夫が求められます。
ですから、漁師と言えど世の中を知り、適応するために考えなくてはなりません。
多くの沿岸漁業は、個人経営なので魚を捕ることから売ることまで、考えるのは一人です。
沖合、遠洋の世界になると話が違ってきます。
個人でなく会社経営になり、魚を売ることを考える役割の人がいます。
船の中も分業制なので、機関、甲板作業など、自分の役割を極めれば良いことになります。
個人経営の商店が減っているように、経営規模が大きくなる流れは、すべての分野で起こっています。
私の実家は洋服屋でしたが、親を見て、個人経営の大変さを知りました。
世の中の多くの人は、漁師の仕事は魚を捕るだけと思っているかもしれません。
一人で操業する小舟の漁師なら、経営のことも分かってる必要があります。
大型船では、海技士免許を取り、船乗りの資格が求められます。
魚を捕るだけの技術は、やっていけないのが現在の漁業です。
「漁師になるために、なんで学校に行き、嫌いな勉強をしなくちゃならないの」
と思う人もたくさんいるでしょう。
でも、学園を卒業する時には、漁師の育成校がある意味が分かりますよ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます