「漁師は体力さえあれば良い」と言うのは過去の話です。
漁師を目指していても、勉強は大事ですよ。
学園では毎日8時限が設定されていて、だいたい1~5時限は座学。6~8時限が実習です。
座学は教室で行う講義です。
内容は大きく分けて二つ。
一つは水産、漁業全般の基礎的な、漁師には必須のもの。
一つは海技士資格を取るために必要なものです。
2学期以降は、航海と機関にクラス分けするので、より専門的になります。
具体的にはこんな内容です。
航海術 海図、海流、航法、航海計器
運用術 船体構造、操船技術、航海当直
海洋気象 天気や気圧、風、波浪等
海事法規 船舶の運航に係る諸法令
航海術算法 方位、速度、距離等の計算方法
内燃機関 エンジン、プロペラ、ボイラー等の構造と運転
補助機械 ポンプ、冷凍機、各種計器
舶用電気 電気・磁気の知識、電気設備、発電機
執務一般 機関当直、船内作業
機関術算法 運動、熱、圧力等の単位と計算方法
水産技術 漁海況情報、資源管理、加工、流通
沿岸漁業 沿岸漁船、漁具漁法、経営
すべて漁船員、漁師になるためには必要なことばかりです。
中学で連立方程式、高校で微分積分をやり
「何の役に立つんだ?生活で使うのか?」
と疑問を持った人もいると思います。
学園の勉強は違います。使うことばかりです。
ですから、やりがいがあります。
しっかり勉強すれば、それだけ自分の力になる内容ばかりです。
しかも、生徒側が本気になれば決して難しい内容ではありません。
学園進学をお考えの皆さん、科目は多いですが恐るるに足らずです!
【これからの漁業】
漁師は魚を捕れば良い、と言う時代は終わったと思います。
魚の価格は、何十年も変わっていません。
逆に海の資源は減っています。
沿岸漁業でも、遠洋漁業でも意欲のある人は、捕った魚に付加価値をつけて売ることに取り組んでいます。
一方で、そのような努力をせず「漁業の世界だけ、魚の値段を自分でつけられないのはおかしい」と不満を言う人がいます。
不満を言うだけでは、状況は変わりません。
生徒に「自分から動く人になれ」と言っています。
学園にいるときも、漁師になっても、自らの力で状況を変えていく人材を育てたいと思います。