静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

「やいづ」乗船実習 来島海峡と海上交通安全センター(マーチス)の見学  (生徒作文)

2013年12月16日 14時54分21秒 | 25年度 乗船実習
来島海峡は、瀬戸内航路の西に位置し、日本三大強潮流の一つで、航路が狭く、多くの船舶が航行しています。
潮と潮とがぶつかり合って、複雑な流れをなし、航路の一番狭いところは、幅400mしかありません。
日本屈指の航海難所で、海上保安庁の来島海上交通安全センター(マーチス)が交通整理を24時間体制で行っています。

生徒達は、12月8日、実習船 「やいづ」で来島海峡を通過し、翌9日には、海上交通安全センターを見学してきました。
ここでは、来島海峡を通過する時、航海当直をしていたN君の作文を紹介します。



8日午前4時、航海当直でブリッジに行った。
ブリッジに行くと、本船 「やいづ」 は豊後水道を通り、瀬戸内海に入ろうとしていた。
辺りは真っ暗だったが、船が数隻いて、ブリッジから他船の航海灯がよく見えた。

プロッターで見ると、自分の位置や他船の位置がよく分かり、見ていたら一等航海士がプロッターの使い方を教えてくれた。
それから見張りをしていると、午前8時頃、ブリッジに専攻科や船員さんたちが集まりだして、慌ただしくなった。

専攻科のS君は、来島海峡航路の通報位置ラインを通過する時に、VHS無線電話で通報するので、少し緊張しているようだった。
8時頃にVHSの16チャンネルで、来島海峡マーチスと連絡を取り、来島海峡の今の状況を教えてもらったりしていた。

自分は、8時で当直が終わりだったので、その後はコンパスデッキに行って、外から来島海峡航路を見ていた。
小さな漁船が沢山いて、ぶつからないように、お互い注意しながら航行していた。

山の方に電光掲示板で潮流の向き、速さ、これから速くなるのか、遅くなるのかが表示されていて、
外国の船などからも簡単に分かるようになっていた。

9日は、朝から来島海峡マーチスに行って見学や話を聞いたりしてきた。
その中の話で、「順中逆西」という、世界でここだけで、昔から実施されている通航方法があるのを聞いてびっくりした。

転流時や潮が早い時は、航行が難しそうだなと思った。
明日は、今治を出航して備讃瀬戸航路などを航行するので、そこでも他船の状態や航行の仕方をよく見たいと思った。


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「やいづ」乗船実習 かつお一本釣りの操業を終えて  (生徒作文)

2013年12月13日 09時16分46秒 | 25年度 乗船実習

かつお一本釣りの操業は11月21日から始まり、11月29日に終了しました。
この間、連日好漁が続いたケースは1度だけで、獲れたり獲れなかったりする日が続きました。

29日は、最終日にして初めての朝一、6時15分から操業が始まりましたが、6kgサイズを64尾とあまり数は出ませんでした。
ここでは、操業最後の29日に、大型カツオに挑んで力不足を痛感した、K君の作文を紹介します。

今日は、最後の操業でした。
朝から大きなカツオが釣れていたので、朝から好調でした。
本数は少なかったけれど、なかなか釣り応えのあるカツオで楽しかったです。

操業が始まってから何日か経ち、日数を重ねるたびに、慣れてきて、力をどれくらい入れれば丁度良い具合にあがるか分かりました。
最初の頃は、力の調整が分からなくて、ホームランをしてしまいました。
そして、最初は、大きいカツオが来ると、腰が曲がってしまっていて、変な体制で釣っていました。

どのような体制で釣れば、良いかバケの動かし方など、「やいづ」の船員さんから多くのことを学びました。
重いカツオが来て、釣るときに、最初の方はまだ上がるのですが、何回も釣っていくと腰が痛くなってしまいました。
だけど、そこで腰を曲げてしまったら、釣りにくくなってしまい、しかも身長が小さいので、腰を低くしてしまうと上がらなくなるそうです。

バケの動かし方も自分の想像とは、ちょっと違った誘いでした。
学園を卒業したら、カツオ船に乗りたいと思っているので、この「やいづ」乗船実習のカツオ一本釣りは、本当に役に立つ実習でした。
でも、この実習船とカツオ一本つりの民間船とでは、全然違い、同じように見てはいけないと思いました。

ここでは、大きいカツオを2丁ハネ(竿)で釣ったりしますが、
民間船に行くと、2丁ハネなんてやってもらえなくて、どれだけ重たくても、自力で上げなければ、いけません。
なので、民間船に行くまでに、力をつけなくてはいけないと思いました。
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「やいづ」乗船実習  かつお水揚げとセリ 

2013年12月12日 11時23分06秒 | 25年度 乗船実習
今日は、冷たい北西の風が吹く中、早朝からカツオの水揚げ作業を学園生徒、専攻科生徒、乗組員、職員が総出で行いました。
冷凍庫の魚艙から魚を出し、コンベアに載せ、選別する一連の作業ですが、実習で培ってきたチームワークが十分発揮されていました。
セリには多く仲買人が参加し、セリ人の甲高いのセリ声のもと、あっという間に値が決めり、業者に引き取られていきました。

水揚げされたカツオは、4.5kg上が8トン、2.5kg上が5トン、計13トンでした。
民間船と比べて少ないかもしれませんが、生徒達が一本一本、心を込めて釣ってシフトしてきたことを思うと、感慨深いものがあります。

  

  

  


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「やいづ」乗船実習 焼津港に無事入港しました!

2013年12月11日 15時06分26秒 | 25年度 乗船実習
実習船「やいづ」は、1ヶ月の長期航海を終えて、14時に焼津港に無事入港しました。
生徒達は、経験したことのない、初めての洋上実習で、焼津に帰ってくる日を指折り数えていたことと思います。
生徒達の少し日焼けした顔、皆元気な様子が何よりでした。

まだ、乗船実習がすべて終了したのではなく、今夜は船にもう1泊して、明日の朝、6時からカツオの水揚げ作業を行います。
その後、船での片付け・清掃を済ませて、すべての行事が終了します。

入港時に、船主からサンドレッド (係留ロープを岸壁に導く錘のついた細いロープ) を投げる大役は、K君でした。
緊張したせいか経験不足か、岸壁まで届かず、海の中に落ちてしまいました。 残念~!!!

  

  





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「やいづ」乗船実習 那覇港から瀬戸内航路へ 

2013年12月10日 11時17分08秒 | 25年度 乗船実習

実習船 「やいづ」 は、那覇港を出てから瀬戸内航路を経由して今治港に寄港、明日の15時には、焼津港に入港する予定です。
乗船実習前に、清水海上保安部の担当官をお招きして 「海上安全講習会」 を開催し、灯台や航路標識、海難防止等について学びました。
瀬戸内航路の航行では、海上安全講習会で学んだことを、実際の海で確認する、大変貴重な経験をしたと思います。

    

(12月6日 主直日誌から)  那覇出港

今日の朝、沖縄那覇新港を出港しました。
出港作業はロープを引っ張ったりタラップを運んだりと大変な作業ですが、
かなり慣れて来てチームワーク良く出来るようになりスムーズに行う事ができました。

午後は、専攻科の航海コースの生徒と漁業学園の生徒と合同で無線方位探知機についての実習を行いました。
局長と通信士の方から探知機やラジオブイについて、作動原理についての講義や取扱について説明がありました。その後、実際に自分達で機械を操作してラジオ局の方向を調べ海図上で位置を求める実習を行いました。

初めての事でなかなか正確な方位を求めることができず、そのため正確な位置も出す事が出来ませんでした。
それでも新しい機械の取り扱い方を知ることが出来、とても有意義な実習でした。
今度はもっと正確に方位を求められる様に、繰り返し練習したいと思いました。


(12月7日 主直日誌から) 那覇-今治回航 

今日は専攻科が学園の生徒さん達に、これから航行する瀬戸内海についての航路研究発表会を行いました。
自分たはこれで2回目となる瀬戸内海なので、学園の生徒さん達にしっかり理解してもらえるような発表をしたいと考えていました。
実際の発表では不十分な点があり、教官からの質問に答える事ができない場面もありました。

明日実際に瀬戸内海を航行するので、早急に調査して備えたいです。
学園の生徒さん達は、自分たちの航路研究発表会でメモを取りながら真剣に聞いてくれました。
発表の後には沢山の質問を受けました。

どんな事でも、少しでも分からなかったら質問をする姿は、自分に足りていない姿勢なのかと思い、大いに反省しました。
今回の自分たちの発表が、明日の航路見学に役に立ってくれると良いと思いました。


(12月8日 主直日誌から) 今治港入港

今日は今治港に入港するため瀬戸内海に入り、来島海峡を航行しました。
4次航海の時にも来島海峡航路を航行しましたが、ブリッヂ内の緊張感が高いことを実感しました。
航路内には多数の漁船や巨大船が航行しているため、いつも以上に他の船舶を注意して見張りを行いました。

今回とても驚いたことは、航路航行中に本船のすぐ前を横切りする漁船がいたことです。
漁業をしている漁船は、なかなか避けてくれないので、早めの針路変更が重要であることを改めて知ることができました。
入港作業で、学園の生徒がサンドレッドを上手く岸壁に投げ込むことができていたので、
自分も同じようにできるよう練習していきたいと思います。


 (12月9日 主直日誌から)  今治港停泊

今朝は気温が4.8℃と大変寒く、今までの気温との違いに驚いています。
今日は「来島海峡海上交通安全センター」、通称来島マーチスの見学に行きました。
同所は小さな山の頂上にあり、行くまでが大変でした。

同施設は船の道案内を掲示板で知らせてくれる所で、航海士にとって大事な場所です。
そのような施設を見学出来ると言うことで、楽しみにして行きました。
この航路に入る時、生徒が入航の通報をしていますが、「あのパソコン卓に居る人と通話しているんだ」と思うと、親近感が沸きました。

ここでは、海上保安庁の方々が、日々海の安全を守るために働いています。
来島海峡は、「順中逆西」と言う、世界にも例がない航法が適用される航路です。
それは、日本で3本の指に入る潮流の激しい危険な海峡だからです。

私達はその仕事場を見学してきました。
思った以上にたくさんのパソコンがあり、一隻一隻の船の情報が表示されていました。
膨大な情報を数人の人達で管理しているのがすごいと思いました。
通航船は昼より夜間の方が多く、1人で7時間連続交通管制をしていると聞いて、驚きました。

特に転流時は一隻一隻に新針路を指示していると聞いて、頭の下がる思いがしました。
漁学生徒にとっても良い刺激になり、来年から船に乗りこの航路を通るたびに来島マーチスや、この航海の思い出が蘇ると思います。
今日は良い見学ができ良かったです。





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