静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

鹿児島上陸研修

2016年11月30日 14時16分33秒 | 28乗船実習

ブログ上の日付で28日で鹿児島市で上陸研修を行っています。
鹿児島入港経験のある専攻科生と学園生徒は別行動だったので、主直日誌には学園の上陸研修のことは書かれていません。
引率している教務スタッフからの連絡では、昨日の写真にあった城山のほか、「維新ふるさと館」「南洲公園」「仙巌園」に行ったそうです。
仙巌園。...磯庭園って呼んでたんだけど、いつの間に変わったの?
(すいません、個人的な感想です...)

写真は朝の体操の様子です。全員元気にやっています!
専攻科の上陸研修の写真も載せますね。

それでは専攻科生の主直日誌を紹介します。

【11月28日 主直日誌】
今日は鹿児島での寄港地研修を行いました。寄港地研修では桜島を一周するバスツアーに参加しました。桜島には本科の時に行ったことはありますが、一周したことはなかったので、初めて見る場所や景色も多く良い経験になりました。特に展望台で見た景色は鹿児島が一望出来、とても綺麗でした。また火山灰で埋もれていた鳥居を見た時には自然の力強さと怖さを感じました。
気が付けば専攻科での航海の半分が終わってしまいました。専攻科に入った時には一年間は長いと思っていましたが、実際に乗船してみると時間の速さを実感しています。
今回の航海では漁業学園の実習生と乗船をしています。漁業学園の実習生は幅広い年齢層の実習生や実習生全員が漁船を目指していて、意識も高いので自分も頑張らなければいけないと思うようになり、良い刺激をもらっています。
明日は餌の積み込みを行い、いよいよ乗船実習の最大の目的であるカツオ一本釣り実習が始まります。しっかりと体調を整えて万全の状態で実習に臨みたいです。長いようで短い専攻科生での残りの乗船実習を無駄にすることなく、毎日を過ごして行きたいです。

先生の報告書から
・本日も充実した鹿児島見聞実習を行うことが出来た。
・漁業学園の生徒の乗船実習に対する目標文を読んだ。皆それぞれこの航海での強い意気込みを持っており、この航海で就職を決めるべく大切な航海である。また本校の実習船が漁業学園にも十分活用されており、意義ある航海にして行かなくてはならないと感じた。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【鹿児島の水産物】
筆頭は「さつま揚げ」で、現地では「つけ揚げ」と呼び、特に串木野市のものが有名。
(ちなみに「さつまいも」は現地で「唐芋(からいも)」です)
鹿児島市内でも「さつま揚げ」の専門店があります。
魚ではキビナゴの刺身が郷土料理。
あと、養殖のブリ、カンパチ。そしてウナギ。
水産物は、やはり静岡県の方が豊富です。シラス、サクラエビ、キンメダイ、トラフグ...


 園長のつぶやき
生徒たちは上陸実習を楽しんでいると思いますが、船酔い克服を考えると船に乗り続ける方がベターです。漁師だって正月明けに船酔いする人もいます。
その辺も含めて、今回の乗船実習では多くのことを経験して欲しいと思います。
焼津から鹿児島まで2日間の航海でしたが、それでも上陸はうれしかったと思います。
「大変さ」も、「喜び」も漁師は日常の生活で味わいます。
海の上での厳しい生活があるからこそ、陸での当たり前の生活に感謝できます。
平坦な人生を求める人には向かないかも知れません。
あえてチャレンジする人。待っていますよ。

昨日は島田市の学校で漁業就業の説明してきました。
一人、カツオの一本釣りの話に目がキラキラの生徒さんがいました。
学園でチャレンジャーになるかな?

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そして鹿児島

2016年11月29日 10時18分30秒 | 28乗船実習

鹿児島到着!

出航して、大型船でも船酔いも無事?経験しました。
ちょっと心配しましたが、全員元気にやっています!
写真で黄色いカッパが学園生ですよ。
鹿児島港に上陸後は、専攻科生とは別行動みたいですね。
集合写真は鹿児島市内の城山公園だと思います。
なつかしいなぁ。

【11月27日 主直日誌】
焼津を出港して2日が経ちました。
今日の入港作業は雨の中で行いました。風が無かったのでそこまで大変ではありませんでした。今日の入港作業ではスムーズに動けていたかなと思います。
鹿児島へ入港すると桜島の火山灰がデッキの上に溜まり大変だった記憶があります。入港作業では漁業学園の皆さんがとても積極的に働くので自分のやることまで取られないようにしなくてはいけないと感じました。当直でも仕事内容をすぐに記憶して、私が本科のときは仕事を覚えるのが大変だったのを思い出しました。寄港地研修での時間を無駄にせず歴史や文化に触れて自分自身の見聞を広げて将来のために役立てたいです。
専攻科に入学してあっという間に5次航海が始まり時間が経過するのが陸にいるときより早いと改めて実感しました。限りある時間の中で漁具の準備や当直、ロープワークなど覚えるには時間が足りないと思います。将来民間船に就職し、何も仕事が出来なくては意味がありません。少しでも仕事を覚えてロープワークなど基本的なことは出来るようにして5次航海を過ごしたいです。
今回は操業日数があまりなく少し寂しいような気がします。今航海を含めてあと二航海しか操業が出来ません。操業は何度しても釣り上げた時の感触はとても良いものです。今航海では何トン釣れるか分かりませんが私は満船にして焼津に帰りたいと毎回思っています。今航海での目標は釣り損ねを無くすことです。一本でも落としてしまうと周りのカツオもいなくなるからです。そのくらいの気持ちで操業に取り組み満船にしたいと思っています。怪我、病気なくみんな元気に今航海を終わらせ焼津に帰れるように健康面には気を付けます。

先生の報告書から
 漁業学園の生徒は何でも積極的に参加し、この乗船での意気込みを強く感じる。とても気持ちが良い。専攻科生も触発されており、お互いに実りある乗船実習になってきている。
 寄港地鹿児島における見聞実習が専攻科、漁業学園共に充実して行えている。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【鹿児島県の港】
「やいづ」が入港したのは鹿児島港。清水港と同じく重要港湾。
南北約20kmもある大きな港湾です。
鹿児島県は離島が多いので、フェリーもたくさんあります。
一方で、鹿児島にはカツオ船の水揚げ基地として枕崎漁港と山川漁港があります。
いずれも薩摩半島の先端に位置します。
特に枕崎は、焼津漁港と同じ特定第3種漁港(拠点となる大型漁港)です。
実は、焼津、枕崎、山川のカツオの水揚げは、ほぼ同レベル。
日本の遠洋カツオの水揚げは、この3港に集まります。


 園長のつぶやき
枕崎市の人口は2万ちょっと。山川町は5千ちょっと。
カツオの水揚げが多いのは焼津と同じですが、町の様子はだいぶ違います。
とは言え、47期生のカツオを獲るようになれば、鹿児島にくる機会は多くなるでしょう。
さて、何度も言いますが船酔いは克服できます。
しかも、遠洋カツオの漁場になる赤道近くは海も穏やかです。

しかし、マグロ漁船は別。
インド洋などの緯度が高く、海水温が低いところが漁場になります。
10mの波が来ます。
「おいらの船は300トン」はマグロ延縄船の話です。
でもケープタウンなど、いろいろな場所に帰港するのもマグロ船ならでは。
カツオ船は漁場と日本のピストン航海です。

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まずは鹿児島

2016年11月28日 08時54分29秒 | 28乗船実習

先週も学園見学のお申し込みがありました。
12月からは特定の見学日がありません。
なるべく、ご希望の日に対応しますので、園長にご相談ください。

さて、金曜日に出航した実習船「やいづ」。
一路、マリアナ海域を目指します!
...じゃなくて、その前に寄るところがあります。
カツオの一本釣りに使う活餌(いきえさ)のイワシを積み込むが必要です。
と言う訳で、紀伊半島、四国沖を走り鹿児島へ移動です。
(実際には昨日、無事に鹿児島に着いています)

それでは鹿児島に向かう船内の様子を主直日誌でご紹介します。
主直日誌については25日のブログをご参照ください。

【11月25日 主直日誌】
 今日は漁業学園の生徒との壮行式がありました。私たちは5回目の航海を迎えようとしています。漁業学園の生徒さんたちは、長い航海が初めてでわからないことがたくさんあります。私たち専攻科は4回の航海の中でたくさんのことを学んできました。この航海では、船の先輩としてたくさんのことを教えていきたいです。船内生活では、漁業学園の生徒と専攻科の生徒でよく会話をしています。年上の方や同い年、年下の生徒もいますが、楽しく話しているのが見られました。同じ職業に就きたいと思うことから、魚の話しや船の話しなどをしています。夢が同じ者同士で高めあっていけるならとても素晴らしいことだと思います。漁業学園の生徒は一年という短い時間の中で一生懸命にやっています。私たち専攻科も負けてはいられません。今回の航海では、カツオを釣りに行きますが漁業高等学園の生徒は、初めての体験となります。私たちが手本となれるように頑張っていきたいです。この航海では、漁業学園の生徒の中に中学の友達が居ました。私は、高校から漁業に関して学んできています。なので、友達にも負けないように頑張っていきたいです。今回の寄港地研修では鹿児島県と沖縄県にいきます。多くのことを学び将来に活かせるようにしていきます。私たちは、二月に海技試験を控えています。この航海では、海技試験に備えてしっかりと勉強していきたいと思っています。自分の苦手な所を集中的に行いどんな問題にも対処できるようにしていきます。この航海で、漁業学園の生徒と一緒に頑張っていきたいです。自分の将来のためにもしっかりと学び漁業学園の生徒にも負けないようにがんばります。カツオもたくさん釣れるように見張りをがんばりたいです。

それと、水産高校の先生からの報告書から
・出港式は県や市から多くの水産関係者が集まり盛大に行われた。実習生が受ける期待は大きく、身の引き締まる思いで出港した。もう後には引けない、何が何でも一航海頑張って成長した姿で焼津へ元気に帰港したいと皆が誓った。
・御前崎通過後、徐々に時化模様となってきたが、学園の生徒はよく頑張っていた。

学園生徒は半数が船酔いで苦しんだようですよ。

【黒潮】
鹿児島を目指す「やいづ」と反対方向に流れるのが黒潮です。
駿河湾や相模湾の漁業は黒潮の影響を強く受けます。
最大で4ノット(約7.4km/h)、幅100kmの大きな潮流です。
このため、「やいづ」も黒潮を避けて鹿児島に行きます。
水産技術研究所のホームページで黒潮の様子が分かりますよ。

 園長のつぶやき
乗船スタートは船酔いとの戦いです。
こればっかりは体質なので、簡単な克服法はありません。
ただし!毎日乗ると耐性がつきます。
他の船員とコミュニケーションがとれなくて漁師を辞める人は少なくないですが、
船酔いで辞める人はあまりいません。辛抱すれば、なんとかなります。
その辛抱ができるか?ってことですね。
いつも6.7トンの「わかたか」で平気だった生徒も、今回船酔いを経験したようです。
小さい船では良くても、大型船で酔うのは珍しくないですが、本人はショックだったかも?

 

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遠洋航海実習 出航式

2016年11月25日 14時53分54秒 | 実習

昨日は冷たい雨でしたが、本日快晴!
海の穏やかです。
在籍生徒が全員そろい、めでたく出航式を行いました。

紺色の服は、水産高校専攻科生です。

まずは生徒の紹介。

後援会の顧問をお願いしてる、焼津市長や県会議員の方から祝辞をいただきました。

そして、生徒代表の誓いの言葉。
力強く、乗船実習への決意を宣誓しました。

船長の訓示を受け

さて就航です!

たくましく成長して帰ってくるのを楽しみにしているよ!!

【主直日誌】

主直の仕事は、中学校などの日直のようなもの。
乗船中、乗組員や指導教官からの連絡事項を実習生に伝えたり、点呼の号令を掛けたりするのが主直の仕事です。
(学園では週番があり、この仕事をやっています。)

この航海中は学園生徒と専攻科生が主直をします。
そして専攻科の主直が日誌をつけ、水産高校に人工衛星経由で送信します。
さらに水産高校から学園に転送されてきます。

このおかげで、乗船している様子をブログでお知らせできる訳です。
写真も送られてきますよ!
それでは、来週からの主直日誌をお楽しみに。


 園長のつぶやき

昨日の続きです。
順番に読みたい人は22日の「つぶやき」からどうぞ。

「漁業こと」と、「生徒のこと」がよく分かると何が良いか?

例えば漁業の求人はいろいろあります。
求人票を見れば、おおよその仕事内容や勤務条件は分かります。
しかし、求人票に書かれていないことは分かりません。
とりわけ、若い人を大事にする会社かどうかは、求人票の記載はなくても、大事な要素です。

それと生徒の性格や体格から、「向き」「不向き」があります。
希望の業種であっても、本人の実力を発揮できない場合もあるのです。
学園では本人の希望を優先しますが、別の漁業への就業を勧めることも少なくありません。

これらは、学園が長年かかって築いた財産です。
この財産を使って漁師になるか?
いきなり漁業の現場に飛び込むか?
決めるのはあなたです!

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碇泊実習

2016年11月24日 16時22分00秒 | 実習

出航前ですが、すでに実習はスタート。
現在は碇泊実習です。
22日は乗組員から船内衛生、救命胴衣の使い方、避難方法などを説明を受けました。

午後には碇泊した船でカツオ釣り込みのリハーサルもやりました。

勤労感謝の日を挟んで、本日。
仕込みがありました。
「仕込み」は食料を積み込んだり、航海の準備作業を行うことです。
バケツリレーで積み込みです。

一緒に乗船する専攻科1年生との顔合わせもありましたよ。

さあ、明日はいよいよ出航式です。

【船舶衛生管理者】
遠洋漁船は船医がいません。じゃあ病気やけが人はどうするか...?
実習船「やいづ」もそうですが、遠洋漁船では船員法で衛生管理者の乗船を義務づけています。
必置資格者ってやつです。
通称、船舶衛生管理者で船員の健康管理や保健指導、作業環境衛生、居住環境衛生、食料と用水の衛生保持など担います。
衛生管理者と船舶衛生管理者は別の資格です。
船舶の航行中に薬剤投与、注射、縫合などの医療行為が部分的にできます。
漁船では船員が講習を受けては、船舶の航行中に薬剤投与、注射、縫合などの医療行為を部分的に許されている事衛生管理者になります。

  園長のつぶやき
もったいぶって、途中で終わらせた昨日のつぶやきの続きです。
漁師になる上で、学園に来る圧倒的に有利なこと。

それは学園教務スタッフの人材に秘密があります。
 実際に遠洋漁業の経験がある
 50年近い漁師育成ノウハウの蓄積
 業界のことを熟知している
これは他ではありませんよ。
それに加えて、少人数の全寮制。生徒の特徴は職員が詳しく把握できます。
これによって、生徒の一人一人に最適な就職を提示出来ます。

さらに、明日に続く...

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