静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

かごしま丸の見学 2

2017年02月28日 17時06分25秒 | 研修・見学

鹿児島大学水産学部の「かごしま丸」見学の続きです。

船内では動力源のモーターや、トロール漁に使うクレーン、
居室、冷蔵庫、採水器、機関の制御室、ブリッジなどを見学しました。

この船はディーゼル機関で発電し、その電気を使ってモーターを動かします。
一等機関士の方が説明してくれました、発電量と使用電力のバランスに気を使うそうです。

ブリッジは多くの学生が使うことを想定してか、とにかく広かった!
チャートを広げる台が4つもありました。
写っている女性は、唯一の女性船員で三等航海士さんでした。

さて、この船で実習する学生さんも一部は漁業に行くことがあるそうです。
学園の生徒は、全員が漁業に就職することを聞いて、皆さん驚いていました。

【トロール漁法】
別の言い方をすると底引き網です。
鹿児島から近い東シナ海は浅い大陸棚であるため、トロール漁を行います。
このため、かごしま丸もトロール漁をする構造となっています。
船尾に網をだす滑り台があります。
ちなみに、トロール船が発明されたのはイギリス(イングランド)らしいです。

ただ私が学生の時代に、すでに東シナ海は資源が激減していました。
一度減った資源を戻すのは大変です。

 園長のつぶやき
漁船では真水が貴重ですが、かごしま丸は1日に20トン近く海水から真水を作る装置が備わっています。
これは、羨ましいですね。
船内WIFIもありましたが、これは寄港中しか使えないそうです。
今はいろいろ不便がある船の生活もだんだん変わっています。
一方で、船乗りしか味わえない生活の魅力もあります。
それは、きっと変わらないんでしょうね。

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かごしま丸の見学1

2017年02月27日 13時27分16秒 | 研修・見学

47期生の学園生活も来週で終了です。
ただし、その来週には海技士試験(3月臨時)を全員が受験するので、気が抜けません。

と、そんな慌ただしい時期ですが清水港に鹿児島大学水産学部の練習船が寄港するとの情報が入りました。
日曜日だったのですが、見学希望する5人の生徒と見学させていただきました。

見学に際し、資料をいただきました。

中の写真が絵はがきになっています。

平成24年3月に竣工した4代目です。
長さ66.92m、935トンです。
実際の船を前に
「あれ、もっと大きくなかったっけ?」
と思ったら、3代目より小さくなったそうです。

一等航海士の方と学生さんが案内をしてくれました。

続きは明日...

【水産学部】
みなさん、水産学部ってご存じですか?
ご存じない?
ムリもありません。かなりレアです。
北海道大学、東京水産大学(現、東京海洋大学)、長崎大学、鹿児島大学と
農林水産省所管の省庁大学校である、独立行政法人水産大学校だけです。
北里大学も水産学部がありましたが、今は海洋生命科学部(海洋生命科学科)に改称されました。
あ、東京海洋大も海洋科学部に改称されたんだっけ...
これと東海大学の海洋学部は実質的に水産学部ですが、加えても7校しかありません。
ただし、農学部などに水産学科を持つ大学はけっこうあります。
絶滅危惧種的な存在です。
水産学部にある学科も改称がされましたが、実質的な中身は増殖、漁獲、加工が柱です。
 増殖は養殖、生物学、資源学
 漁獲は漁業や航海、漁船工学
 加工は食品加工です。
漁業関係の学科に進学し、その後、専攻科あるいは大学院に行けば海技士資格が取得できます。
人気があるのは、増殖。さかなクンみたいな人がたくさんいます。
就職で一番有利なのは加工です。水産加工に限らず、広く食品会社に就職します。


 園長のつぶやき
私が大学進学するときは、一番人気の無いのが水産でした。
ですから、
「どこかの大学に入る必要があった」
とか
「農学部だったけど、成績が悪くて水産学科になった」
なんてことが良くありました。

今は水産学も人気あり、女子学生も多くなりました。
それなのに、漁業界の人材難は深刻になるばかり...
漁師はりっぱな仕事ですが、世の中の固定概念はちょっと違う気がします。
そこから覆さないと、漁業の担い手不足は解消しないかも知れません。

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マグロはえ縄漁船の見学

2017年02月24日 13時35分07秒 | 研修・見学

卒業間近になって、やっとマグロはえ縄漁船の見学ができました。
それというのも、マグロはえ縄は長期航海。
焼津漁港に帰ってくる時と、学園側の都合が、なかなか合いませんでした...
今回は、卒業生が活躍している福久丸です。
彼が47期生の案内をしてくれました。ちなみに栃木県出身です。

ブリッジ、機関室、ブラン(枝縄)を巻き取る装置を始め、食堂や居室も案内してくれました。

今年の47期生も、この会社の船に乗ることが決まっています。
大変なこともたくさんありますが、活躍を願っています。

ホームページでもお知らせしているように、来年度入学生の追加募集を行っています。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html
出願は3月10日まで。試験は3月13日です。
お待ちしていますよ!!
ご質問や、ご見学はお気軽にどうぞ。

【はえ縄漁】
はえ縄漁は、マグロ以外でも行われます。
まず、浮きはえ縄と底はえ縄があります。
浮きはえ縄は表層近くの魚を獲る物。マグロは浮きはえ縄です。
また、海底にいるトラフグも水深が浅いために、遠州灘の浮きはえ縄で漁獲されます。
静岡県ではありませんが、サケ・マスの浮きはえ縄もあります。
下田港に水揚げされる沖合のキンメダイは底はえ縄で漁獲されます。
底建てはえ縄とか樽流しと呼ばれています。
海底から、やや浮かした幹縄に枝縄がぶら下がる感じです。
まき網のような漁法の方が効率は良いですが、ターゲット以外の魚も獲れてしまうため、はえ縄の方が環境に優しくなります。

 園長のつぶやき
昼食の際に私の前で食べている生徒から
「この生活も、もうじき無くなってしまう。学園の生活は天国なのに」
との言葉がありました。
実際には乗船実習や、カッター遠漕など辛いことも少なくなかったと思います。
しかし、同じ目標に向かってがんばった結果、卒業間近で苦労は飛んでしまうのでしょう。
卒業生が、頻繁に学園に来てくれる理由が分かった気がしました。
大丈夫。学園で学んだことが必ず役に立ちます。
心配はあるでしょうけど就業してからも楽しいことがたくさんありますよ!

コメント (1)
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連携作業

2017年02月23日 09時32分52秒 | 学園紹介

漁師はチームワークが大事です。
これは学園での生徒育成の基本です。

そして、我々学園スタッフも、学園内はもとより、多くの機関と連携して仕事をしています。
二人三脚で仕事をしているのが、県の経済産業部の水産業局です。
同じ県だから当然でしょ?と思われるかも。
いえいえ、県は巨大組織。同じ県職員といえど、連携作業は黙っていたらできません。
幸い、現在の水産業局は局長を始め、水産振興課長、課内の学園担当者の方々が強力にバックアップをしてくれています。
大変ありがたいことで、学園スタッフも応援に応えなくては!と思っています。

さて、網作りも終盤。
カラフルな作品ができてきました。

【水産業局】
県庁の水産業局には水産振興課と水産資源課があり、水産関係の行政的な仕事を担っています。
私も県の職員になってから30年以上ですが、半分くらい水産業局にいました。
水産資源課は許認可、漁船登録、取り締まり、資源管理、栽培漁業などを管轄しています。
水産振興課は多岐に渡る水産振興を諸々をやっています。なかでも、担い手育成は大きな仕事。
その中心になるのが、学園になります。
水産振興課は本当に仕事が多いので、ともすれば学園とは疎遠になりがち。
意識して連携を強化する必要があるのです。

 園長のつぶやき
2月8日のブログにコメントを寄せていただいたマツサキさん。
お子さんが宮崎県立高等水産研修所に進学することが決まったのですね。
おめでとうございます。
学園に来ていただけなかったのは残念ですが、熟慮されての決断だと思います。
一人前の漁師になって活躍することをお祈りします。
コメントにあったように、日南市と焼津市ではだいぶ環境が違います。
我々は遠洋漁業基地で、多くの水産業が集約された焼津の立地を活かして生徒を育てています。
が、日南の方が勉強に集中できると言うお考えも、なるほどです。
実は私も3月中に宮崎高水研に伺いたいと思っています。
新規漁業者を育成する学校同士、いろいろ協力できるはず!

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追加募集します

2017年02月22日 14時12分28秒 | 学園紹介

今日は平成29年度、第48期生の合格発表です。

今年は遠方の受験者ばかりだったためか、発表を見に来られた方はいらっしゃらないようでした。
その代わり、合否のお問い合わせの電話が鳴りっぱなしでした。
合格した皆さん、おめでとうございます。
学園でがんばってくださいね。

ホームページでご案内していますが、合格者が定員に満たなかったため追加募集を行うことになりました。
詳細はこちらです。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html

「漁師をやりたい人」は願書を出してください。本日から受付です。
今からの学園見学も大丈夫です。

生徒は3月の海技士試験の勉強と、就職先に向けて特別実習に取り組んでいます。
この二人は自主的な取り組みです。決して、居残りではありませんよ!
実習棟は寒いのに、一人は半袖!
「暑がりで寒くない」と言っているけど...


【網修繕を使う漁業】
まき網や棒受け網など、網を漁具にする漁業でなくても網を使う場面は多くあります。
カツオの一本釣りでも、カツオを入れ替えたり、餌のイワシをすくったり...
しかし、外国人船員が増えたこともあって網を修繕できる人が減っています。
直すより、買ってくることもあるようです。
学園生は網修繕の技術があるので、貴重な存在です。

 園長のつぶやき
合格者が定員に満たなかったことは大変残念。
今後の学園説明をどうするのか、あれこれ考えています。

中途退学者が毎年いることから、入学後に
「思っていたことと違う!」
と言うことがないようにお話しをしてきました。

加えて、漁師になる意志が固まっていない人に、ムリに入学を勧めることはしない方針です。

ブログをご覧の皆様から、ご意見をいただけると嬉しいです。

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