静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

海まき漁船第88明豊丸を見学

2018年10月30日 08時59分29秒 | 研修・見学

福一漁業さんの海まき船が、水揚げ作業中で見学できませんでした。
残念...と言うこともあって、同じく海まき船の第88明豊丸を見学を見学に行きました。


海まき船は349トン型(最新の船は認可基準が変わって760トン)です。
遠洋カツオ一本釣り漁船は499トンで、それよりトン数は少ないです。
でも船の形が違うので、一本釣り漁船より大きく見えます。


これが、まき網船の構造です。

そして、カツオ一本釣り漁船。

実際に機関監視室は広かったです。
搭載している機器類も違うことが影響しているようです。
生徒はどう感じたかな?

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
11月下旬からは、遠洋航海実習で生徒が不在となります。
生徒の様子を見学したい方は、11月中旬までの平日にご来園ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
遠洋漁業の中でも、海まきは一番効率の良い漁法です。
一回の水揚げ量も、一本釣り漁船の倍くらいあります。
船にもよりますが、海まき船は給料も多いです。

じゃあ「就職するなら海まきだね!」と思うかもしれません。
ですが、学園では就職先を給料で決めるように指導しません

クルマに例えてみます。
660ccの軽自動車から、2000cc以上の高級車までいろいろあります。
この○○ccと言うのは、エンジンの大きさ【排気量】の違いです。
大きいエンジンほどパワーがあって、車体も大きくなるので、乗り心地は快適です。
ただし、大きいクルマほど値段も高くなります。

自分の使うクルマを選ぶとします。
値段の高い大型車は魅力です。
でも使い方によっては660ccの軽自動車や1000ccのコンパクトカーの方が便利な場合があります。
実際に軽自動車で困ることはめったにないし、経費も安いし、駐車も楽です。
だから、もしも
「タダで好きなクルマを一台もらえる」
とした時に、高くて大きなクルマを選ぶのが良いこととは限りません。

クルマをどの様に使うのか?
それによって、選ぶクルマが違ってきます。

遠洋の大型漁船なら、どこでも給料はそこそこもらえます。
そして、海技士免許があり、一等航海士、一等機関士などの役職になると、さらに給料が上がります。
陸上で働く、同年代の人よりかなり高額な給料となるはずです。

あなたが、どの様に生きていきたいのか?
どんな漁師になりたいのか?
仕事が自分に合っているのか?
などで選ぶ漁船も違うはずです。
給料だけで選ぶのは、単純に値段の高い大型のクルマを選ぶの同じです。

学園では、入学するといろいろな漁業のことを紹介します。
ただし、最初の半年は給料のことを話しません。
大事なのは自分にとって、やりがいのある仕事につくこと。
そして3年間がんばり、海技士に必要な乗船実績をつくること。
給料に目をうばわれ、もっと大切なことを見失わないためです。

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福一漁業を訪問

2018年10月29日 09時39分13秒 | 研修・見学

「海まき」漁船を持つ、福一漁業さんを訪問しました。
海まき漁船は、最近になって学園生も就職するようになってきました。

以前は、近海カツオ一本釣り漁船に多く就職していたんですが、県内の近海カツオ船は激減。
と言うか、ほとんどありません。
ですから焼津漁港に水揚げされるカツオも一本釣りと海まきです。
近海カツオ船が減ったのは寂しいですが、これも時代の流れでしょうか?


福一漁業さんで、ビデオにより海まきの操業を教えていただきました。



その後、船の見学に言ったのですが、残念ながら水揚げの真っ最中。
外からの見学となりました。


海まきは漁獲も多いですが、その代わり外国に支払う入海料も高額。
その説明に生徒も驚いていました。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
詳しくはホームページをご覧ください。
11月下旬からは、遠洋航海実習で生徒が不在となります。
生徒の様子を見学したい方は、11月中旬までの平日にご来園ください。
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Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
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 園長のつぶやき
漁師になるための年齢制限についてお話しします。
先日、学園への入学についてお問い合わせをいただきました。
この方、愛知県在住の40歳。
残念、学園の入学は30歳まで。
なぜ30歳までかをご説明し、他の漁業就業の方法もお話ししました。

東京、大阪などで行われる「漁業就業支援フェア」。
漁師になるのに、経験不問、年齢不問、となっています。
やったことがなくても、何歳でもOKと言うことですね。
それはウソではないですが、すべての漁業であてはまることではありません。
大丈夫な漁業もある、と言うことです。
だから漁師になるための年齢制限はあるとも言えるし、無いとも言えます。

ただし、経験者、あるいは資格がある人。
この場合は、年齢不問の漁業がぐっと多くなります。
それは即戦力だから。
ただ、これらの人は自分で仕事を探すことができるのフェアに来たり、学園に問合せもありません。

経験が無くても、年齢が若ければ、やはり採用してくれる会社は増えます。
増えますが、どこでも大丈夫ということでもありません。
海まきも、水産高校卒業生ならともかく、一般高校を卒業した人だと、体格や適性が厳しく審査されます。
逆に、若くて資格、経験があれば、どこでも就職できます。
学園がある理由が分かると思います。

ざっくり言っちゃうと、誰でもOKな場合は
 技術的に簡単
 仕事が肉体的に楽
で、給料の安い仕事です。

簡単で、楽で、給料の高い仕事はありません。
漁業就業支援フェアの来場者の多くは、この辺を誤解している人が多数。
誰でもできる簡単な仕事で、高額な給料は期待できません。

さて、学園の入学が30歳までなのは、それ以上の年齢だと求人が急激に減るからです。
条件の良い就職を考えれば、適した年齢があります。
でも、条件が悪くても良いなら40歳、50歳からできる漁師もあります。
詳しくは各県にある都道府県漁業就業者確保育成センターに電話してください。
www.maff.go.jp/j/koyo/attach/pdf/index-5.pdf

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ヤマの取り付け

2018年10月26日 09時15分53秒 | 実習

ヤマって何?
これがカツオ一本釣りに使う竿の図解説明。

竿と針をつなぐ、釣り糸の部分がヤマです。
このヤマの取り替えると二挺(ちょう)釣りができます。
二挺釣りは、特大カツオの場合に二人がかり、二本のハネで釣りあげることです。

ところで、なんでヤマというのかは未だに分かりません。
ご存じのかた、教えてください!

これから行う釣り込み練習で、一番重いのは10kg以上の疑似魚。
竿の先での10kgですから、簡単には釣りあげできません。
で、プロの漁師でも二人がかりで釣ります。


と言うことで、ヤマの部分は取り替えが必要。
ヤマの付け替えの練習でした。

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 園長のつぶやき
漁師には漁業により適性が違います。
中でもかつお一本釣りはパワーが必要。
体格も大きい方が釣るには有利。
ただし、一回の操業で釣る時間は短いので、スタミナよりパワーが大事。

同じかつおを捕る漁業でも海まきだと、違ってきます。
作業の中心は船上に網を収納する作業。
まき網の中でも、大きな網を使うので、収納も時間がかかります。
スタミナが必須(ひっす)です。
そして、網の中で泳ぐこともあるので、泳げない人はダメ。

そして、まぐろはえ縄。
縄を海に入れる投縄と、縄を回収する揚げ縄を行います。
長い幹縄は200kmあります。
揚げ縄が12時間。遠洋の大型船の場合、これに三日に一回の投縄当番があります。
三日に一回は20時間操業です。
だからスタミナが必要。
でも、そんなに体格が良くなくてもやれます。
近海の小型船だと、船員も少ないので投縄、揚縄を毎日する場合もあるようです。
静岡県では小型のまぐろはえ縄漁船はありません。

とは言っても、どんな漁業でも力仕事はあります。
小さい人より、大きい人の方が歓迎されます。
でも、それが絶対条件ではありません。
特に、人手不足対策でこれからは外国人労働者が増加していきます。
外国人船員と乗る漁船で、日本人に何が求められるか?
体力が最優先でないことは、みなさん想像できると思います。

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さばをおろす練習

2018年10月25日 09時59分56秒 | 実習

さばをおろす練習をしました。
今回は「鮮魚を冷凍し解凍した、さば」なので、鮮度はイマイチ。
この魚は釣り実習のエサにするので、鮮度が悪いことは問題ないです。
ただし、身が軟らかくなっているので、キレイに切るのは難しかったようです。
これも、練習としては良かったかな?

いつものように、実習の先生がお手本。


あとは各生徒が1人3尾くらいづつ切っていきます。


今回は釣りエサ用なので、半身を半分の薄さに切り、さらに短冊状に仕上げます。
これをラップに包み冷凍です。

延縄の実習を行う予定ですが、はたして獲物がかかるでしょうか?

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 園長のつぶやき
学園生の多くが一年間で漁師として育ちます。
でも、どれだけ育つか?は、いろいろです。
いくら我々ががんばろうと、結局は本人次第です。
育つのをあきらめ退学することもあれば、びっくりするぐらい成長することもあります。
我々にできること・・・
それは、成長しやすい環境を生徒に用意することでしかありません。
生徒は自分のがんばりで成長するしかないんです。

その環境とは?
何度もこのブログで書いています。
 少人制であったり、全寮制であったり...
生徒は親元を離れ、本来自分の持っていた可能性を開花させます。

学園に入学すると、学歴に関係なく同じことを学びます。
それは平等。
もちろん、基礎学力がある人。
身体能力の高い人。
器用な人・・・は有利です。

でも、いくら能力がある人も自分を成長させることができないならダメ。
漁師になっても一流にはなれません。

学園で努力し、自分が成長できることを知る。
そして、漁業現場で自分を磨き続け、何年もかけて一流の漁師になるんですね。

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第13回 小川港さば祭り3

2018年10月24日 10時18分26秒 | イベント

さば祭りのご紹介の続きです。
好評だったロープ教室は昼で終了。
片付けをした後、学園に戻って昼食です。

さば祭りの昼食は、恒例のバーベキュー。
食材はたっぷり用意してありましたが、今回は差し入れ多数!
舎監さん、非常勤職員、学園OBなどのご厚意です。

昨年は食材が大量に余って困りましたが、
今年の生徒は良く食べる...
無駄なく食材を使えて良かったです。


肉がたくさんあるのに、山盛りの白飯だけを焼き肉のタレをかけてワシワシ食べるやつ...
その後、肉も食べてました。
なんで白飯だけ食べるんでしょうね??

これで遠洋航海実習前の大きな行事は終わりです。

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 園長のつぶやき
このブログでは生徒の顔が写っている写真を中心に作っています。
学校の主役は生徒であり、そのがんばっているところを紹介したいからです。
入学した生徒たちは、今までにないくらい勉強、実習をがんばります。
でも、残念ながら全員ではありません。
その一部の、一年間がんばることができない生徒が退学していきます。
平均すると卒業まで学園にいるのは8割くらいでしょうか?

他の専門学校では、退学する生徒や学生数を公表しません。
だけど、私は積極的に公表はしませんが、隠すこともありません。
学園の見学者にはお話ししています。

ところで、卒業時に国家資格が取得できる専門学校は多いです。
そして、その国家試験の合格率が、専門学校の評価につながります。
ここでカラクリがあって、合格できそうな学生だけ受験させます。
どうするかというと、成績が悪いと留年になり受験できなくなります。
そして留年を重ねると退学になります。
全部が全部じゃなくて、こんな操作をしない学校も、あるでしょうけど。
ちなみに、文部科学省の資料によると、理学療法士の学校の場合、
全国平均で卒業率【=留年せずに卒業、国家試験に合格する率】は65%くらいです。

資格をとることもない大学の場合、就職率で評価されます。
この場合は、多少成績が悪くても、卒業できます。
卒業してアルバイトをすれば、就職者として数えます。
あるいは就活をあきらめた学生を希望就職者から除外します。
そうすると、就職率が100%に近くなります。
そして、専門学校でも大学も、中途退学数は少なくありません。

学園は、こんな手法はとっていません。
卒業まで残った8割の生徒は全員を漁業就職させています。
学園に特別な指導があるかと言えば、そんなことはありません。
でも、二つだけ理由があります。
 少人数制で生徒の一人一人を常に見ること
 寮生活で、生活習慣を見直し、仲間とがんばること
これが他の学校にない点です。

もちろん、この8割を10割にしたいです。
ただ、全員を漁師にすることを考えると、
この8割というのは、そんなに善戦しているように思います。

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