道展水彩部門に出品する佐藤恵利子、深山秀子、竹津昇、湯淺美恵、斎藤洋子の5氏のグループ展。このうち、佐藤さんは一般出品で、残る4人は会員です。
グループ水煌は2007年、札幌時計台ギャラリーで第1回が開かれました。
英国流の穏健な透明水彩ではなく、といって道彩展に多いフォーブ調の画風とも異なる、心象的な色の強い描き手や抽象画の作者の集まりで、以後、1年おきに開かれています。
ご存知のように札幌時計台ギャラリーが閉鎖になりましたので、今回は道新ぎゃらりーに会場を移しての開催となっています。
第1回の顔ぶれのうち斎藤、深山、竹津の3氏は現在と同じ。ほかに樋爪洋子さんと栗山巽さん(いずれも道展会員)がメンバーでした。
第3回から湯淺さんが加入しましたが、この回を最後に栗山さんが抜けました。
今回、樋爪さんが出品しておらず、佐藤さんがはじめて加わっています。
いちばん驚かされたのが竹津昇さんです。
「父の居たところ」と「父の居たところ II」(いずれも100F)の2点は、なんと段ボールが支持体になっているのです。それを1~3枚ほど重ねて奥行きを出しています(シャドーボックスの方法論と似通っていますが、シャドーボックスはそれぞれの紙が前後に離れて置かれて遠近を強調しているのに対し、竹津さんの絵では、段ボールは重ね張りされています)。
もっとも、段ボールだと、普通の水彩用紙に比べて、堅牢なのか弱いのか、どうもよくわからないところがあります。それがおもしろさともいえるのですが。
色数は、これまでの竹津さんの作品にも増して絞られ、段ボールと似通った茶形の明暗のほかは、わずかに淡い赤と青が配されているだけで、工具置き場のような室内が渋い色調で切り取られています。
(じつは、竹津さんが段ボール作品を出したのは初めてではないのですが、あらためて会場で見ると、びっくりするのでした)
湯淺美恵さんの「いつか何処かで―春を待つ」は120Fの、水彩ではめったにない大作。
女性を主軸に、その周囲を大小の同心円などの抽象模様が取り囲んでいます。
模様のなかには、歯車や、図形をかくための定規なども交じっています。スケール感に圧倒されます。
深山秀子さんは以前から抽象画に取り組んできました。
「むつき」(60F)は、木々のまにまに、扇形がちりばめられており、軽快なリズム感に満ちています。
深山さんの絵は以前に比べ全体に色が薄くなったように感じます。また「林間」などの、線がぴょんぴょん躍るタイプの絵に比べると、落ち着いた雰囲気もあります。色の薄めの方が、ご自身の体質には合っているのではないかと思います。
斎藤さんは日高管内浦河町在住で、おおらかなタッチで自然や静物を描いてきました。
「馬たちよ」(40F)は、逆三角形と太い線で馬を表現していて、日高の風土らしさを感じます。
「まどべ」(30F)は、ガラス瓶やレモンが置かれた窓辺がモティーフ。遠くに山や柵も見えるようですが、いずれにしても斎藤さんの画面では不明瞭で、見る側に任されているようなところがあります。
新参加の佐藤さん。
「ラプソディ I」(80F)は、昨年の道展で入選した作品。
赤、黄、緑、青などさまざまな色による不定形の抽象画で、これだけいろいろな色彩を用いていながらまとまっているのは、レインボーカラーの配色に近いからかもしれません。
他の出品作は次のとおり。
佐藤 遠い記憶(8F) Kind of blue(4F) 私を忘れないで(80F) 黎明(同)
湯淺 夏の東千歳 いつか何処かで―騒がしい夏(20F)
竹津 シベリア(初夏)(10F)
深山 山麓(60F) 林間(60F) 雪景(20F)
斎藤 記念写真(30F) 森の中(30F) おさなご(30F)
2018年5月31日~6月5日(火)午前10時~午後7時(最終日~5時)
道新ぎゃらりー(札幌市中央区大通西3 北海道新聞北1条館道新プラザ)
関連記事へのリンク
【告知】第3回 (2011)
■第2回 (2009)
■第1回 (2007)
■深山秀子展(2004)
=以上、画像なし
□湯淺美恵の水彩画廊 花明かり http://blog.goo.ne.jp/miechacha55
■想紫苑(おもわれしおん) 第四回三人展 (2016)
■第10回透明水彩展 コロコニ (2016年5月)
■湯淺美恵 透明水彩展 何時かどこかでおだやかな時 (2015年3月)
【告知】第3回グループ水煌展 (2011)
【告知】透明水彩コロコニ (2011)
■2009年の透明水彩コロコニ
■44th 札幌大谷大学・札幌大谷大学短期大学部同窓会美術科 谷の会展 (2009)
■第3回水彩連盟北海道札幌支部展 (2008)
■湯淺美恵水彩画展(2008)
■透明水彩展 コロコニ(2008、画像なし)
■第1回水彩連盟北海道札幌支部展(2006)
□竹津さんのブログ https://ameblo.jp/toledo817
■第9回 水彩連盟 北海道札幌支部展 (2014)
■第3回グループ象(しょう)展 (2014)
■水彩連盟北海道札幌支部展 (2013)
【告知】第2回一線北海道五人展(2012) ■一線北海道3人展(2010)=竹津さん出品
■第28回 一線美術会北海道支部展 (2010年5月、画像なし)
■第40回記念北海道教職員美術展(2010年1月)
■竹津昇水彩画展-原風景を求めて (2009年11月)
■第2回グループ水煌 (2009年9月、画像なし)
■竹津昇水彩画展 (2009年6月)
■第27回一線美術会北海道支部展(2009年)
■第3回水彩連盟北海道札幌支部展(2008年11月、画像なし)
■第26回一線美術会北海道支部展
■第1回グループ水煌(すいこう、2007年 画像なし)
■竹津昇・石垣渉2人展(2007年)
■竹津昇・Arcosスケッチ展(2007年)
■第25回一線美術会北海道支部展 (2007、画像なし)
■第1回水彩連盟北海道札幌支部展(2006年)
■竹津昇『スペイン・スケッチ展』(2006年)
■竹津昇スペインスケッチ展(2006年)
■竹津昇エストラマドゥーラ・スケッチ展(2006年、画像なし)
■第36回北海道教職員美術展(2006年、画像なし)
■竹津昇・アンダルシア・スケッチ展(2005年)
■竹津昇スケッチ展(2004年、画像なし)
■第22回一線美術会北海道支部展(2004、画像なし)
■竹津昇水彩展 MADRID FREE TIME(水彩の旅)=2003年、画像なし
■竹津昇水彩スケッチ展(2002年、画像なし)
グループ水煌は2007年、札幌時計台ギャラリーで第1回が開かれました。
英国流の穏健な透明水彩ではなく、といって道彩展に多いフォーブ調の画風とも異なる、心象的な色の強い描き手や抽象画の作者の集まりで、以後、1年おきに開かれています。
ご存知のように札幌時計台ギャラリーが閉鎖になりましたので、今回は道新ぎゃらりーに会場を移しての開催となっています。
第1回の顔ぶれのうち斎藤、深山、竹津の3氏は現在と同じ。ほかに樋爪洋子さんと栗山巽さん(いずれも道展会員)がメンバーでした。
第3回から湯淺さんが加入しましたが、この回を最後に栗山さんが抜けました。
今回、樋爪さんが出品しておらず、佐藤さんがはじめて加わっています。
いちばん驚かされたのが竹津昇さんです。
「父の居たところ」と「父の居たところ II」(いずれも100F)の2点は、なんと段ボールが支持体になっているのです。それを1~3枚ほど重ねて奥行きを出しています(シャドーボックスの方法論と似通っていますが、シャドーボックスはそれぞれの紙が前後に離れて置かれて遠近を強調しているのに対し、竹津さんの絵では、段ボールは重ね張りされています)。
もっとも、段ボールだと、普通の水彩用紙に比べて、堅牢なのか弱いのか、どうもよくわからないところがあります。それがおもしろさともいえるのですが。
色数は、これまでの竹津さんの作品にも増して絞られ、段ボールと似通った茶形の明暗のほかは、わずかに淡い赤と青が配されているだけで、工具置き場のような室内が渋い色調で切り取られています。
(じつは、竹津さんが段ボール作品を出したのは初めてではないのですが、あらためて会場で見ると、びっくりするのでした)
湯淺美恵さんの「いつか何処かで―春を待つ」は120Fの、水彩ではめったにない大作。
女性を主軸に、その周囲を大小の同心円などの抽象模様が取り囲んでいます。
模様のなかには、歯車や、図形をかくための定規なども交じっています。スケール感に圧倒されます。
深山秀子さんは以前から抽象画に取り組んできました。
「むつき」(60F)は、木々のまにまに、扇形がちりばめられており、軽快なリズム感に満ちています。
深山さんの絵は以前に比べ全体に色が薄くなったように感じます。また「林間」などの、線がぴょんぴょん躍るタイプの絵に比べると、落ち着いた雰囲気もあります。色の薄めの方が、ご自身の体質には合っているのではないかと思います。
斎藤さんは日高管内浦河町在住で、おおらかなタッチで自然や静物を描いてきました。
「馬たちよ」(40F)は、逆三角形と太い線で馬を表現していて、日高の風土らしさを感じます。
「まどべ」(30F)は、ガラス瓶やレモンが置かれた窓辺がモティーフ。遠くに山や柵も見えるようですが、いずれにしても斎藤さんの画面では不明瞭で、見る側に任されているようなところがあります。
新参加の佐藤さん。
「ラプソディ I」(80F)は、昨年の道展で入選した作品。
赤、黄、緑、青などさまざまな色による不定形の抽象画で、これだけいろいろな色彩を用いていながらまとまっているのは、レインボーカラーの配色に近いからかもしれません。
他の出品作は次のとおり。
佐藤 遠い記憶(8F) Kind of blue(4F) 私を忘れないで(80F) 黎明(同)
湯淺 夏の東千歳 いつか何処かで―騒がしい夏(20F)
竹津 シベリア(初夏)(10F)
深山 山麓(60F) 林間(60F) 雪景(20F)
斎藤 記念写真(30F) 森の中(30F) おさなご(30F)
2018年5月31日~6月5日(火)午前10時~午後7時(最終日~5時)
道新ぎゃらりー(札幌市中央区大通西3 北海道新聞北1条館道新プラザ)
関連記事へのリンク
【告知】第3回 (2011)
■第2回 (2009)
■第1回 (2007)
■深山秀子展(2004)
=以上、画像なし
□湯淺美恵の水彩画廊 花明かり http://blog.goo.ne.jp/miechacha55
■想紫苑(おもわれしおん) 第四回三人展 (2016)
■第10回透明水彩展 コロコニ (2016年5月)
■湯淺美恵 透明水彩展 何時かどこかでおだやかな時 (2015年3月)
【告知】第3回グループ水煌展 (2011)
【告知】透明水彩コロコニ (2011)
■2009年の透明水彩コロコニ
■44th 札幌大谷大学・札幌大谷大学短期大学部同窓会美術科 谷の会展 (2009)
■第3回水彩連盟北海道札幌支部展 (2008)
■湯淺美恵水彩画展(2008)
■透明水彩展 コロコニ(2008、画像なし)
■第1回水彩連盟北海道札幌支部展(2006)
□竹津さんのブログ https://ameblo.jp/toledo817
■第9回 水彩連盟 北海道札幌支部展 (2014)
■第3回グループ象(しょう)展 (2014)
■水彩連盟北海道札幌支部展 (2013)
【告知】第2回一線北海道五人展(2012) ■一線北海道3人展(2010)=竹津さん出品
■第28回 一線美術会北海道支部展 (2010年5月、画像なし)
■第40回記念北海道教職員美術展(2010年1月)
■竹津昇水彩画展-原風景を求めて (2009年11月)
■第2回グループ水煌 (2009年9月、画像なし)
■竹津昇水彩画展 (2009年6月)
■第27回一線美術会北海道支部展(2009年)
■第3回水彩連盟北海道札幌支部展(2008年11月、画像なし)
■第26回一線美術会北海道支部展
■第1回グループ水煌(すいこう、2007年 画像なし)
■竹津昇・石垣渉2人展(2007年)
■竹津昇・Arcosスケッチ展(2007年)
■第25回一線美術会北海道支部展 (2007、画像なし)
■第1回水彩連盟北海道札幌支部展(2006年)
■竹津昇『スペイン・スケッチ展』(2006年)
■竹津昇スペインスケッチ展(2006年)
■竹津昇エストラマドゥーラ・スケッチ展(2006年、画像なし)
■第36回北海道教職員美術展(2006年、画像なし)
■竹津昇・アンダルシア・スケッチ展(2005年)
■竹津昇スケッチ展(2004年、画像なし)
■第22回一線美術会北海道支部展(2004、画像なし)
■竹津昇水彩展 MADRID FREE TIME(水彩の旅)=2003年、画像なし
■竹津昇水彩スケッチ展(2002年、画像なし)