
複数の関係者によると、1973年に発足した「北海道抽象派作家協会」が今年4月の展覧会(札幌市民ギャラリーの予定)を最後に解散するとのことです。
北海道抽象派作家協会は、戦後道内の前衛絵画をリードしていた渡辺伊八郎(1918~90年)の呼びかけで結成されました。
団体公募展ではなく、毎回出品する「同人」と、同人が推す「推薦作家」の2本立て。
73年に創立記念展を開いた後、74年に第1回展を開催し、さらに毎年秋には秋季展を札幌時計台ギャラリーで催す(2009年まで)など、活潑に展示を続けてきました。
初期の重要メンバーは渡辺伊八郎や小松清ですが、同人の出入りがめまぐるしく、草月流の生け花作家が大勢参加していた時期もありました。
その中で、一貫して出品していたオリジナルメンバーは今荘義男さんと佐々木美枝子さんです(20世紀末の段階でオリジナルメンバーはこの2人だけだった)が、佐々木さんは2019年に亡くなり、ことし91歳になる今荘さんだけになっていました。
昨年は第48回展が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた道の緊急事態宣言を受けて会場の札幌市民ギャラリーが閉鎖となり、開幕の直前に中止の憂き目にあっています。
結成時の同人ではありませんが、2001年の段階で同人だった画家で、いまも続いているのは、後藤和司さんと三浦恭三さんです。
今荘、後藤の両氏はいずれも新道展会員です。三浦さんは道展会員です。協会としては、新道展や自由美術と重なる顔ぶれが多かったという印象がありますが、団体に属さない人もおり、そのへんはおおらかだったように思います。
(※この段落、一部訂正して文章を直しました。三浦さんは新道展ではなく道展です。すみません)
ほかに特徴として、絵画を中心としながらも、インスタレーションなども出品されていたことと、函館や苫小牧など、札幌圏以外の出品もあったことが挙げられると思います。
実態を言えば、2020年のアートでは「具象か、抽象か」ということはもはや大きな問題とはいえません。ですから「抽象」を掲げること自体に、かつてのような先鋭的な意味合いはなくなっているのですが、ともあれこの半世紀にわたって展覧会を開き続け道内の美術シーンに一定の地歩を占めてきたことは確かだと思います。
その意味では残念ですが、これも時の流れでしょうか。
(冒頭画像は2016年の第43回北海道抽象派作家協会展の会場風景です)
過去の関連記事へのリンク
■第46回北海道抽象派作家協会展 (2019)
■第四十五回北海道抽象派作家協会展(2018)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017)
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
【告知】第42回北海道抽象派作家協会展 (2015)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■北海道抽象派作家協会秋季展 (2013)
【告知】第39回北海道抽象派作家協会展 (2012)
・2011年の告知
■第37回(2010年)■続き
■第三十三回北海道抽象派作家協会秋季展 (2009年10月)
■北海道抽象派作家協会 同人と2009年展推薦者による小品展 (2009年7月)
■第36回北海道抽象派作家協会展 ■続き ■続々 (2009年4月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年9、10月)
■第35回展(2008年5月)
■第34回
■第33回
■第32回
■第31回
■03年秋季展(画像なし)
■第30回(画像なし)
■02年の秋季展(画像なし)
■第29回
■01年の秋季展
■第28回
北海道抽象派作家協会は、戦後道内の前衛絵画をリードしていた渡辺伊八郎(1918~90年)の呼びかけで結成されました。
団体公募展ではなく、毎回出品する「同人」と、同人が推す「推薦作家」の2本立て。
73年に創立記念展を開いた後、74年に第1回展を開催し、さらに毎年秋には秋季展を札幌時計台ギャラリーで催す(2009年まで)など、活潑に展示を続けてきました。
初期の重要メンバーは渡辺伊八郎や小松清ですが、同人の出入りがめまぐるしく、草月流の生け花作家が大勢参加していた時期もありました。
その中で、一貫して出品していたオリジナルメンバーは今荘義男さんと佐々木美枝子さんです(20世紀末の段階でオリジナルメンバーはこの2人だけだった)が、佐々木さんは2019年に亡くなり、ことし91歳になる今荘さんだけになっていました。
昨年は第48回展が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた道の緊急事態宣言を受けて会場の札幌市民ギャラリーが閉鎖となり、開幕の直前に中止の憂き目にあっています。
結成時の同人ではありませんが、2001年の段階で同人だった画家で、いまも続いているのは、後藤和司さんと三浦恭三さんです。
今荘、後藤の両氏はいずれも新道展会員です。三浦さんは道展会員です。協会としては、新道展や自由美術と重なる顔ぶれが多かったという印象がありますが、団体に属さない人もおり、そのへんはおおらかだったように思います。
(※この段落、一部訂正して文章を直しました。三浦さんは新道展ではなく道展です。すみません)
ほかに特徴として、絵画を中心としながらも、インスタレーションなども出品されていたことと、函館や苫小牧など、札幌圏以外の出品もあったことが挙げられると思います。
実態を言えば、2020年のアートでは「具象か、抽象か」ということはもはや大きな問題とはいえません。ですから「抽象」を掲げること自体に、かつてのような先鋭的な意味合いはなくなっているのですが、ともあれこの半世紀にわたって展覧会を開き続け道内の美術シーンに一定の地歩を占めてきたことは確かだと思います。
その意味では残念ですが、これも時の流れでしょうか。
(冒頭画像は2016年の第43回北海道抽象派作家協会展の会場風景です)
過去の関連記事へのリンク
■第46回北海道抽象派作家協会展 (2019)
■第四十五回北海道抽象派作家協会展(2018)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017)
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
【告知】第42回北海道抽象派作家協会展 (2015)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■北海道抽象派作家協会秋季展 (2013)
【告知】第39回北海道抽象派作家協会展 (2012)
・2011年の告知
■第37回(2010年)■続き
■第三十三回北海道抽象派作家協会秋季展 (2009年10月)
■北海道抽象派作家協会 同人と2009年展推薦者による小品展 (2009年7月)
■第36回北海道抽象派作家協会展 ■続き ■続々 (2009年4月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年9、10月)
■第35回展(2008年5月)
■第34回
■第33回
■第32回
■第31回
■03年秋季展(画像なし)
■第30回(画像なし)
■02年の秋季展(画像なし)
■第29回
■01年の秋季展
■第28回