
板東優、佐々木雅子、国松希根太、越智彩、小林陽介の5氏が作った立体を、室蘭の新進気鋭の漆作家、真境名(まじきな)伊久里さんが仕上げた作品を並べた展覧会。
板東さんらがスタジオとして使っている旧北伏古(きたふしこ)小学校の教室と廊下が会場になっていて、とてもゆったりと見られる展覧会です。
北伏古小は1988年に閉校となったあと、六花亭が買い取り、数度の改修を経て芸術支援活動の拠点になっているそうです。
企画は帯広の弘文堂画廊。
現住所はばらばらの人たちですが、佐々木さんらは、いずれも板東さんのスタジオで働いたことがあるという経歴が共通しているのだそうです。
冒頭画像とつぎの画像は、12個のちいさないすによる板東さんの作品「十二心色」。
すわる部分を真境名さんが仕上げているのですが、すべて違う色・技法によって完成させており、高い技量をうかがうことができます。

卵の殻を細かく砕いて貼ったり、貝の裏側のきらきらと光る部分を利用したりといった、伝統的な技法を用いながら、丁寧に仕上げています。
つぎは国松さんの「HEART」。

いつの作品かはわからないのですが、最近の希根太さんは、ムリしてないなーという印象があります。
素材が欲している形状が自然に出てきている、そんな感じがします。

越智さんという未知の方は「haco -山-」「haco -森-」の2点を出品。
いずれも箱型で、ふたには規則的な模様がついています。
重いふたをずらすと、中に漆の? 海が…。
(この項続く)
2009年5月1日(金)-10日(日)10:00-16:00、期間中無休
PS.北伏古ART STUDIOS(十勝管内芽室町北伏古南9線10=旧北伏古小)
□板東優さんのサイト http://homepage.mac.com/ricabando/masarubando/Home.htm
■ドイツの国際工芸展で室蘭・真境名伊久里さんが入賞(2009年4月)
■法邑芸術文化振興会企画展〔滲-shin-〕 (2008年10月)
■IKURI TANAKA うるし作品展(2007年)
この展覧会の趣旨、真境名伊久里さんが全ての作品のフィニッシュに関わるという信頼関係、準備に要する期間、
全てに感服しました。
もっとたくさんのヒトに観てもらいたい展覧会です。
ロケーションもいいっすね。
まあ、Hさんにあそこまで苦労をかけて(?)コピーをとってもらった資料ですからね、行かないってことにはならないですよね。
まあ、それは冗談として、木造校舎もあちこちにあるつもりでいたら、じつはかなり少なくなってきており、こういうふうにきれいに残っているのはすばらしいことだと思います。
展覧会コンセプトも良かったです。