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北海道美術ネット別館

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■山内敦子木版画展 (6月6日まで)

2009年06月04日 23時28分36秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 山内さんは東京出身。1980年に札幌に転居し、現在は全道展会員の木版画家。
 国展にも出品しているほか、さいとうギャラリー恒例の年2度の展覧会にも毎回出している。
 作品はいずれも多色刷りで、「陰刻木版画」という技法が特徴だ。

 山内さんの特色は、画面を縦横に走る鋭い線にある。
 題材は道内の風景が多いが、抒情に流れず、といって、ビュッフェのように厳しさ・鋭さを強調しすぎるのでもなく、じっくりと見据えた視線でとらえられていると思う。
 金属的でない、木の線だから、鋭敏さのなかにもあたたかみがあるのかもしれない。

 「雪野」では、近景に、うねるような草がシルエットで表現されている。遠景には、サイロや牧舎が望まれる。その間にひろがる雪原に、直線が何本も走り、強風が表現されているようだ。
 「漁船の午後」は、縦構図が緊張感をもたらしている。手前の船が大きく描かれ、海面はやや右にかしいでいる。吹きすさぶ風が画面をいっそう引き締める。
 この作品や「海鳴りのきこへる家」など、多くの作品に、カラスともカモメともとれる鳥が舞っており、よいアクセントになっている。
 「秋韻」は、鋭さよりもやわらかみの勝った1点。色づいた木々のなか、マンサードルーフの農家が、いかにも北海道らしい。


 出品作は次の通り。
鳩ぶえ
網繕い
浜の風景
漁港の午後
入日
海ぞいの道
駆ける
るすばんする猫
母子
鳥を呼ぶ
童子
雪の朝
雪野
ファミリー
漁船の午後
廃船
ミクリガ池に映る立山
蝉しぐれ
秋韻
牧場の春
海鳴りのきこへる家
一夜花
たんぽぽ
厚田港
いしかり
(なお、エディションの部分に鉛筆書きされた題と食い違う場合は、札に書かれた題を優先して記した)


2009年5月18日(月)-6月6日(土)10:00-17:00(最終日-16:00)、日曜休み
ギャラリー山の手(西区山の手7の6 地図K)

・地下鉄東西線「西28丁目」からジェイアール北海道バスに乗り継ぎ(どの路線でも可)、「ふもと橋」降車、徒歩3分

・ジェイアール北海道バス手稲方面行き(ただし、小樽行き高速バスと「ていねライナー」は通過)で「発寒橋」降車、徒歩9分


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