🐢 秋の雨駱駝は長い睫毛ふせ
🐢 吾亦紅義母に似てくる里言葉
買物の帰り、裏屋島を散歩する。
左に海を見ながら、東へ歩く。ここを真すぐに進むと、源平合戦の古戦場がある。
右はいわゆる、屋島と呼ばれている200メートルの山。
いつ来ても、高い木々が道に覆いかぶさっていて、風除けになっている。
夏は森林浴をしながら、緑陰の散歩となる。
冬はどんなに凩が吹いていても、梢を渡る音は聞こえるのだけれど、冬と思えぬ暖かさ。
木間を透かして、高松の港が見える。
今日は冬霞である。ぼーっと見える高い建物は、県庁かしら。
近くをタグボートに曳かれた浚渫船か?
神戸行きのフェリーボートが行く。
🏡 島山は冬の霞にやすからん
🏡 古戦場昨夜猪の来たる跡
🏡 櫨の実のやう野良猫の目の赤し
三十分くらい、写真を撮りながら歩く。
すぐ目の前を野良猫が通る。こんな山の中の誰が捨てたのだろう。
成猫になていると思える大きさ。
ポケットに手を入れるが、もとより猫に出合うなどと思ってないから、なんにも猫にやるものは入ってない。
命をどのようにして保っているのだろうか。哀れな猫。うちの 姫 と比べてしまう。
暖かいので、ここの紅葉は遅いのかしら。
櫨が少し、色づいている。
🌻 笹子鳴く太古の森に日のさして
🌻 冬木の芽崖打つ潮の騒ぎをり
対岸に牟礼町の五剣山が見える。庵治石の産地だ。
庵治石の採掘で削られた山肌が無残な姿をさらしている。
西から東に突き出た屋島を巡っていると、別荘があちこちにある。
この海辺に接したトンガリ屋根の建物は、以前はドイツ料理店だった。
フランス料理はおいしと思うがさてドイツ料理は。今は店は閉ざしているようである。
🌻 室の花両手伸ばして猫あくび