冬の栗林公園に行く。
今日は小春日和で、コートも要らないくらい、、、
さすが、菊掬亭の障子窓は開いていない。
菊掬亭の借景は紫雲山。
さすが大名庭園は四季折り折りいつ来ても素晴らしい。
瀑買のお客様は年末ということもあるのか、この田舎都市の庭には今日は見えなかった。
いつもは、沢山来ている。
鯉の写真を撮っていると、父と子の会話が聞こえた。
「パパ、鯉さんお水がつめたいよね」
「うん、寒いだろうね」
見ると
パパは、三十才を越えているのかな~。まだ若いパパ。
子供は四、五才か?
鯉にに餌をやりながら、話しているのだ。
「ほら、黒い鯉さんが強いね。みんな餌を横取りしてるよ」
「ほら、ほら、もっと遠くに投げてごらん」
「うん」
子供は餌を持って、鯉の群から、離れて泳いでいる鯉の方に走って行く。
人の影が見えるのか?気配を感じるのか、鯉の群は、子供が走って行った方へ移動する。
公園の鯉は、観光客が餌を買って与えるから、どの鯉も丸々と太っている。
寒鯉、冬の鯉と云う季語がある。
冬になると鯉は水底でじっとしている。この頃は滋養に富み、美味だといわれる。
☆ 寒鯉の居るというなる水蒼し 前田普羅
☆ 山動くかに寒鯉動きけり 藤崎久を
何のことはない。
この公園の鯉は、太って、動きはきびきびとしている。
季語の世界の鯉とは、かけ離れている、過保護の鯉なのである。
人間の気配がすると、池の縁に寄り集まってくる。
子供をおっかけて、鯉も池の中を移動する。
パパも子供を追駆けて行った。
暖かなパパと子供と鯉を見た。
木の葉踏むドレドレドレド冬の森 む
向き合ひて寝る紫雲山蓬莱山 む