老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

黄心樹の花 (をがたま) 

2016-04-18 11:36:55 | 俳句


良い香りがするから近づく。
お隣の玄関先の庭に高さ二メートル程で枝に直径五センチくらいの花が咲いている。
いつも、前を通るのだけど、今まで気がつかなかった。奥様が、時々 新しい草木の苗を植える。去年は無かったと思う。
洗車をしていた息子さんに、お母さんに、花の名前を聞いててと声をかける。
息子さんは三十才前後であるから、私は、花の名前など、てっきり知らないと、思っていた。
「良い匂いがするでしょう。まるで、バナナの匂いみたいでしょう」
「ええ、甘い香りに気が付いて、、、」
「ええ、、と おがたま っていったかな」



日曜大工が好きで、次から次と新車に乗り換え、日曜日は洗車に余念が無い。
イケメンで、時々、感じの良い女友達が訪ねてきている。
牡丹と薔薇の区別の付かない男性が往々にしてある。その中で庭の手入れも、お母さんとやっているのは見かけるが、このように珍しい花の名前を、即座に答えてくれるとは、ちょとした驚きであった。
すーごく嬉しかった。

モクレン科の常緑高木で、十五~六メートルになるらしい。ことに神社に多いと。神前に供えて神霊を招祷奉(おきてまつる)意から「おがたま」になった伝えられ、一説には、玉のような実を結ぶところから出たともいわれる。
歳時記の例句にも、これを見据えた句が。

   ☆   をがたまの花咲き社家の娘が嫁ぐ   大橋敦子

   ☆   神事待つ黄心樹の花一つ散る   粟飯原幸子

   ☆   黄心樹の花のほころぶ神鼓かな   紅林みのる 


遠くや、吟行にわざわざ出かけなくても、俳句の材料は落ちていたりして、、、、

   🍌   をがたまの花に洗車の虹かかる

   🍌   をがたまの花の香の降る夕まぐれ 

ちなみに、一円玉は、をがたまを もとにデザインされているそうな。  



コメント
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