老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

春満月トイレに猫の砂つかふ

2016-04-20 10:02:04 | 俳句
     🐈   春満月トイレに猫の砂つかふ   猫髭

猫髭さんは、東北大震災でお母さまが、被害に遭われた。
お母さんを、被災地から救い出した後は彼の大震災との戦いが始まったと思える。
当事者として経験者としての、生の意見である。
揚げた句は、今、被災地で苦労をなさっている方に、ヒントとして欲しい。
経験の無い、傍観者でしかない私など、猫砂を毎日使用しても、気は付かなかった。

しりとり俳句の皆さんも心から被災地を心配して句を詠んでおられる。

   🐈   暗闇のかくも静かや春満月   猫髭
   🐈   今もなほ続く余震や花は葉に   ラスカル
   🐈   火の国の熾りすぎたる花篝   むめこ
   🐈   春の闇ワイン倒れて血のごとく   カツオ
   🐈   能楽の鼓絶えたる春の地震    てまり
   🐈   朧夜の風の音とも余震とも   紅椿
   🐈   余震なほ促さるごと飛花落花    登美子
   🐈   太平の地を揺すぶれる春嵐   杜人
   🐈   八重桜地震警報に脅える日    句念庵
   🐈   突き上げる余震いくども朧の夜   アネモネ
   🐈   地震後の春雨予報痛ましく   小耳
   🐈   おろおろと余震の畑分葱抜く   かげお
   🐈   朧夜やくずれたる大天守閣   菊子
   🐈   春の地震暫し手足の儘ならず   雲母
   🐈   新緑の夜を徹して救助隊   しぐれ
   🐈   新緑の風救援のヘリコプター   らっこ
   🐈   茎立や地震に崩るる蝶の影   樹里
   🐈   祈るとは天仰ぐこと春の地震   涼
   🐈   春雨にくまもん泣くな明日がある  よっちゃん
   🐈   先ず地震の無事を祈りし寺薄暑   山吹
   🐈   湯上がりのニュースに見入る春の地震   ケイ
   🐈   春の果終わりの見えぬ余震かな    霜月

熊本の地震を詠んだ句。
身内のいらっしゃる方、お知り合いのいる方、みなさん心配の日々が続いているであろう。
机上の空疎な取り組みの政府の無策ぶりに、呆れる。
東北、関東の水害から、政府は何を学んでいたのかな。物の溢れる日本で、ミルクの水に苦労する、お母さん。ひとつのおにぎりに二時間も並んで待つ方々。云えばきりが無い。
   


コメント
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