老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

   庭ぬちに   🐓

2018-03-12 09:59:35 | 俳句
       

連れ合いが隣の町へ用事があった。
車に便乗をする。
車を途中で降りて、待合場所は隣町の図書館と決め、散歩をした。

町中の住宅街の、とあるごく普通の家の庭先で動くものがいる。
近寄って、フェンス越しに庭を覗くと、鶏が放し飼いにされていた。
山羊も小屋に繋がれている。

        

山羊はうさんくさそうに、私を眺めている。
鶏は十羽もいるだろうか。庭を所狭しと駆け回っている。
まあ珍しく牧歌的な風景である。
私が子供の頃は、田舎の家ではどこも鶏を飼っていたように思う。


     ☆    鶏に籠をかぶせて初嵐    櫂

師にこんな句があった。
目の粗い籠に鶏が吹き飛ばされぬように、籠の上には重石を置いていた。


     🍒    山茱萸の花影に鶏遊びをり

     🍒    待ち合わす図書館剪定してをりぬ

     🍒    初蝶のまぶしき黄色なりにけり
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   富田茶臼山古墳

2018-03-11 10:49:13 | 俳句
 ぽかぽか陽気に誘われてドライブに。
最近、気になっていた、古墳を見に行くことに。
今、住んでいる街に四国最大級の古墳があるらしい。

「富田茶臼山古墳」の看板がいつも野菜を買いに行く道の駅にあったのを見ていた。
そこへ行けば、誰かが教えてくれると期待をして行く。

駐車場で作業をしていた、道の駅 の職員に尋ねると、
「あれがそうです」と指を指す。
なんのことはない。眼前にある。

       

古墳の全体像が、今は木が茂って丘のようになっていて、いつも見慣れている風景だが、古墳とは気がつかなかった。

   

教えられた径を行くと、反対側には、これぞ古墳、見間違えることのない全容が横たわっていた。


「富田茶臼山古墳(とみだちゃうすやまこふん)」
香川県さぬき市大川町富田中(とみだなか)にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されている。
墳形は前方後円形で、前方部を西方に向ける
四国地方では最大規模の古墳で、(西暦400年の始め頃 古墳時代中期前半)築造と推定される。
古墳は高さ15メートル、長さは139メートルもあり、平成5年に国の史跡に指定された。
作られた時代は5世紀前半。古墳時代中期で大きな古墳が全国的にたくさん作られた時代で
まさに巨大古墳の一番盛んだった頃の古墳だそうだ。

古墳の頂上に登ると、こんな立札が。
少なくとも、昔の豪族のお墓である。神社になってはいるけれど、お墓の上を踏みつけているような気がして抵抗がある。


     

 私はこの街に住んで丁度10年がすぎる。
犬の為に来たこの街が案外気にいったらしく、もうすぐ引越しを考えているが、愛着といおうか、未練がある。
この街の歴史も知らぬまま、健康維持のため暢気に犬の散歩だけをしていたが、想い出が沢山出来た。

     

 飛行機が古墳を横切って飛んでいった。
昔の人が飛行機を見たら、いかように思うだろう。
驚くだろうな。


   ☆    鶯のこゑ前方に後円に    鷹羽狩行

 古墳を詠んだ狩行さんのこの句が浮かんできた。


     🍒    野の起伏宝石のごと犬ふぐり

     🍒    古代人の声はるかより春の風

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   最後に残ったのは 「 俳句 」

2018-03-10 11:57:41 | 俳句

     


どろどろとした政治の世界。
又 蜥蜴の尻尾切りが行われた。
そして、運の悪い部署に勤務をしたばっかりに、命まで絶ったお気の毒な官僚。

元をただせば、元気で傍若無人な昭恵さんと籠池さんから始まった問題。
安倍さんに忖度をしたばっかりに、、、、

私の最初の俳句の先生は
風生さんが、郵政事務次官の時の秘書官だったらしい。
そこが、俳句の出発点で、風生さんが主宰をする(若葉)の編集にも携わっていたと。

私が先生に就いた時は、郵政省を退官して、街の俳句愛好者たちと句会を開いていた頃。
誘われて、出席をしたのが始まりで、先生の昔話が面白く、教えていただくことは何もかも新鮮であった。

ある時、先生について、とある都市の俳句大会に出かけた。
駅に、「局長が、俳句大会があって、ここへ、おいでると聞きましたからお迎えにあがりました」と黒塗りのハイヤーが。
「お弟子さんをお送りします。そして 局へお顔を出して下さい」と云う。
荷物を渡した瞬間から、いつもの好々爺の先生でなくなった。
声も姿勢も昔の官僚の姿になっている。驚いた。
ふんぞって威張っている感じ。
私にいつも接している俳句の先生ではない。

句友から聞いた話では、郵政省を退官した時点で、参議員に出馬の話があったが、難病のお孫さんを抱えていて、費用が嵩んでいる。選挙資金が勿体ないと断ったらしい。

その先生、晩年に何回か言った。
「仕事も面白かった。しかし 最終的 に残ったのは俳句だ。葉さんよ、今は仕事と、家庭と俳句をどれも大切にな」

国会で嘘の答弁を繰り返し、安倍さんに政府に忖度をした官僚達、虚しい人等と気の毒に思いながらテレビを観ている。
汚名を世間から浴びせられ、いくら天下りをして金には困らずとも、晩年に、胸に去来するのは何だろうと想像をする。

久ぶりに湘風先生をおもいだした。
(湘風)の風は、風生先生から一文字いただいたと名前の由来を聞いたことがある。

     🍒    鳥の羽ひつかかりをり木瓜の花



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     貝寄せ   桜貝があるよ~

2018-03-09 10:59:14 | 俳句

     
    源平合戦の古戦場、檀ノ浦の浜辺。水が綺麗。エメラルド色の波が打ち寄せる。

今日は寒い。
最近、骨董市で古布を買った。
藍染の古布を見付けて衝動で買ったけれど、少し高く買い過ぎたかとか、さてこの長さで何が作れるとか、思い患っている。
それ以外に、反物や服地を目の前に置いて、頭の中では、作る物は決まっているのだが、以前のように、さあ型紙を、服地に合わせた糸を求めにという段になって二の足を踏んでしまうのだ。
やる気が失せている。

    

季語で云うなら、貝寄風が吹く日が続いている。
去年、浜へ桜貝を拾いに行った。その時の貝を空き瓶に。
もっと昔に拾った桜貝は大切に、透明のマニュキア液を塗って小箱にしまっている。
マニュキュアを塗ると、丈夫、その上に光がかかる。

夜、風が吹いた日は連れ合いに頼んで、貝が打ち寄せているから海へ連れて行ってと頼んでいた。
今年は、貝が寄せられているだろうと思うばかりである。今日はきっと見つかるが、、!

行動力は元々少なかったが、今年はさっぱり。
目には見えぬ老化、それなりの加齢のせいかな。

     🍒    玉藻よし讃岐の春は海から来

     🍒    パソコン打つ指無し手袋膝毛布


  
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    み~いつけた

2018-03-08 11:37:44 | 俳句


 そろそろ蕗の薹があるのではないかと、散歩コースを記憶の径へ。
あったあった。蜜柑の木の下に芽?だいぶ大きくなっているが見つかった。
径に沿った農家の蜜柑畑にそれは春を告げていた。

     🍒    蕗の薹記憶の径の木の下に

     🍒    杖の音鴨一斉に翔立てり

  

 仏の座が沢山咲いている。
畦径にそして休耕田に。
同じくペンペン草もそこここに咲いている。

     🍒    田平子や暗渠を水の迅る音

     🍒    仏の座紅く染めゐる休耕田

     🍒    風の筋低し三味線草の鳴る    
     

歩を進めると、犬ふぐりとたんぽぽが。
たんぽぽは茎が長く日本古来の種類ではないようだ。
春になってはじめて見つけた。

     🍒    倒れたる杖が拾へぬ犬ふぐり

     🍒    たんぽぽや片膝つきし畑の人

     🍒    たんぽぽに屈めば雲の影過る
        

 最近は杖をつかなければ散歩もままならぬようになっている。
杖が倒れた。拾うおうとしてしても腰をががめるのも難儀である。

    

一週間ほど前にこの辺りには猫柳があった筈と見当をつけて来たが見あたらなかった。
その猫柳があった。小さな木で短い枝が五~六本。そのうちの一枝にはもうほほけた花が。
触れてみた。うちの姫の尻尾より柔らかな感触がする。
傍らに土筆が。僅か五~六本。
目を凝らして歩くと、可愛い野の花を見つけることが出来た。

     🍒    をみなごが二人佇む猫柳

     🍒    猫柳紺のセーラー着納めに

     🍒    土筆野やまぼろしか婆の丸い背ナ
    
 

ミモザが咲いていた。日当たりの良い枝は花が丸く開ききっている。
北向きの花ままだ莟だ。

     🍒    黙々と轆轤を回す花ミモザ

     🍒    ミモザ咲く雀斑見つけし鏡かな 

昨日の一人吟行。
少し拾えたか?
何もかも忘れる事のできる散歩は良い。神経は痛い脚に集中をしている。  




  
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