やはり昨年来流行の 中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症への対応は、一筋縄では行かない様だ。我国内では広い普及を誇る、二度に亘るワクチン接種の効果もあって 今の所は概ね抑え込まれている様に見られるが、欧州では感染度合の高止まりが続き、近隣の大韓民国でも再びの拡大が懸念される状況の様だ。
これらに加え、先日から南アフリカ共和国とその周辺諸国などで新たな オミクロン型変異ウィルスが広まり出しているとの報にも接し、我国でもかねて指摘される 第 6波流行への備えに本腰を入れる必要も出てきた様にも感じる。しかしながら 大事な事は、これまでも叫ばれてきた マスク着用や手洗いに換気、人の密集を避けるなどの基本対策を改めて徹底する事も有用な心がけではないだろうか。その上で、これまで度々見られた 無用なパニックに動じない気概も必要だろう。
本題です。先日も触れた 我国金融システムの信頼をも揺るがしかねない みずほ FGのシステム障害問題につき、金融庁から経営責任を明らかにする為の業務改善命令が出された由。今回で 2度目の発出。この事が、みずほ FGの構造的改善が容易でない事をも物語る様で。以下 今日の讀賣新聞社説を引用して、みて参りたい。
「みずほ(FG) 行政処分~経営陣刷新で障害の根を断て」
経営トップの退陣は当然だ。体制の刷新を、確実にシステム障害の再発防止と企業風土の改革につなげねばならない。
金融庁は、みずほ銀行と 親会社のみずほフィナンシャル・グループ(以下「FG」と略す)に「日本の経済システムの信頼性を損ねた」として、業務改善命令を出した。みずほ銀は 2月以降、8度のシステム障害を起こしていた。
金融庁に 経営責任の明確化を求められたことを受け、みずほFG の坂井辰史社長と、みずほ銀の藤原弘治頭取が辞任を表明した。
退任は、来年 4/1付だという。トラブル多発で 顧客の信頼を裏切ったにも関わらず、退くのがまだ数カ月先とは あまりに遅いと言わざるを得ない。
業務改善命令は、システム運用の是正を求めた 9月の処分に続くものだ。今回は 経営管理に関する内容で、経営陣のシステムの重要性への認識の甘さを指摘した。
2019= 令和元年に 資金決済など中心的な業務を担う基幹システムを刷新した後、保守や管理を行う人員を、約 6割減らしていたという。
銀行システムは 円滑な資金の流れを支えるインフラだ。安定運用よりコスト削減を優先したとすれば、判断ミスと言うほかない。
2月の障害時には、トップら゛への連絡が電子メールで行われ、受信の確認が遅れたことで 事態の把握や顧客対応が後手に回った。藤原頭取は トラブルをネット・ニュースで知ったという。危機管理体制が 甘利にも杜撰だ。
金融庁は、取締役会の機能不全も問題視した。みずほFG は 13人の取締役のうち 6人が社外無取締役で、大手企業の元社長らが並ぶ。危機対応の強化や 企業統治の改革を迫る必要があっただろう。
一方、みずほ銀は 9月に外貨建て送金の一部で処理が遅れる障害が起きた際、外国為替及び外国貿易法(外為法) で定められた手続きを行わずに海外送金していたことも明らかになっている。財務省が是正措置命令を出した。
トラブルの中で、送金先が マネー・ロンダリング(資金洗浄) に関係していないかどうかを点検する作業が、十分に行われていなかった。行員の外為法の知識不足が原因で、法令順守がおろそかになるというお粗末さである。
3行が統合した「みずほ」は、旧行間の対立を避けようとしてか、行員が積極的に意見を言わない「事なかれ主義」に陥っていたとされる。改革は容易ではないる信頼回復に向け、次の経営陣が背負う責務は極めて重い。(引用ここまで)
記事を振り返ってみると、本当に霞が関省庁を初め 行政組織の不良な責任のなすり合いが代表的民間大手企業でも横行していたかとの想いもあって、情けなくなるものがある。昨日の TV東京系番組「WBS」を拝見していたら、この問題につき 三菱UFJグループなど他の金融大手は、殆どが 情報システムを専門一社が担う「シングルヴェンダー」態勢を確立していて、複数の業者が絡む「マルチヴェンダー」のままだったのは みずほFG位らしい。その責任の所在の曖昧さが、度重なる障害を招いた可能性は大きくあろう。
経営トップの総入れ替えは 想定の範囲内の事とて冷静に見るべきだが、旧第一勧業、冨士、日本興業という屈指の大手が統合するも「真の統合」の体を成していなかった事がはっきりした みずほFG の信頼回復は、当然ながら容易ではなかろう。
なかんずく、関係者の外為法知識不足による 海外送金に伴う資金洗浄リスクの点検がルーズになった所は、反社勢力による大量の違法薬物や武器弾薬取引、更には 海外の暴力テロや戦争を志向する勢力に多額の資金が流れる恐れがあり、それに手を貸す事は 我国憲法の平和志向をも脅かす懸念も大きくある事をも指摘しておきたい。言葉を変えれば、折につけ「憲法 9条ガ―!」と騒ぎ立てる特定野党や左傾メディアの各勢力が、此度の みずほFG 問題に触れないのはおかしいという事だ。
政党などの政治勢力向けに「解党的出直し」という言葉がある様に、我国屈指の金融大手 みずほFG も一度 分社化の方向となった東芝の様に、一度組織解体して出直させる位の荒療治が必要なのかも知れない。財務省、金融庁の改善命令もそれは重いだろうが、それ以前に顧客の厳しい視線があるはずだ。新経営陣がその事を軽んじるなら、みずほFG の先行きは確実に暗転する事だろう。せいぜいそうした自覚を新たに、諸事の改善を厳に望みたい所。今回画像は 少し前、当地東郊・豊橋市内にての 東海道線・下り大阪方面へ向かう貨物便の様子を。