米国内で、安保に関する日韓両外相と 米国務長官による 3カ国外相会談が進行中の様だ。
日韓間には 韓国前政権下で発生の同国艦船によるとされる対自衛隊機レーダー照射事件など、相当の未解決事案はあるも、米国を交えたアジア及びインド大平洋地域での安保上の責務を連携して果たすべき立場に置かれるのは論を待たない所。対峙する中、露両国と北鮮の動向は依然不穏な所多いだけに、前述 3カ国の連携は重視せざるを得ないだろう。
同時期に、こうした連携の必要に呼応するかの様な動きが 自民幹部からも発せられた。対豪訪問を行った 麻生太郎自民副総裁・元総理より、更に強い安保面の連携の必要を主張する表明がされたのだ。以下 先日の読売新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。
「麻生副総裁『JAUKUS』を提唱・・露中北(北鮮)に近い日本は『世界中でこれだけ危険な地域はない』」
オーストラリアを訪問中の 自民党の麻生副総裁は 11/13、首都キャンベラで講演し、米英豪に安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」に日本を加える「JAUKUS(ジョーカス)」の創設を提唱した。中国(大陸)に対抗するため、日本の新たな同盟相手として「豪州(オーストラリア)は明白な選択肢だ」とも訴えた。
講演は「オーストラリア国際問題研究所むの主催で、麻生氏が招待に応じた。麻生氏は「中国(大陸)の長期的目標は、海軍力で(伊豆諸島からグアムに至る)第 2列島線(の内側)を支配することだ」と分析した。その試みを防げなければ、米海軍の活動が抑え込まれるとの危機感を示し、日豪と米国がさらに協力をを発展させるべきだとした。
「個人的な意見」として(前述の)ジョーカス構想を示し、対中抑止の「象徴として、メッセージ効果もある」と語った。豪州がオーカスを通じて進める潜水艦部隊の強化に「日本は大いに貢献できる」とも指摘した。又 麻生氏は 日本の周辺にロシアや中国(大陸)、北朝鮮が位置していることを挙げ「世界中でこれだけ危険で予測不可能な地域はほとんどない」と強調した。
その上で、日豪両国は (1)太平洋で 同じ縦のラインに位置する (2)民主主義を基本理念としている (3)米国の同盟国ーーとの共通点から 同盟関係を構築しうると主張。日米豪のさらなる結合が実現すれば「インド大平洋での米国の抑止力は 2倍にも 3倍にも、4倍にだって増幅する」と呼びかけた。
日豪は 覇権主義的な行動を強める中国(大陸)を抑止するため、安保協力を強めている。昨年 10月には、新たな「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名し「準同盟国」としての連携を確認した。日米豪とインドによる「Quad(クァッド)」の取り組みも活発だ。講演に先立ち、麻生氏はキャンベラの連邦議会で リチャード・マールス副首相兼国防相、ベニー・ウォン外相と個別に会談した。(引用ここまで)
麻生自民副総裁の ともすれば大袈裟になりがちなパフォーマンス絡みの講演だったろう事は一定理解する。この報を入手した中共外交筋は早々に不快感表明の挙に出た様だし、規定の米中首脳会談に続いて調整中とされる 日中首脳会談の成否を懸念する向きも、或いは媚中勢力の中には一定あるかも知れない。
しかしながら、田母神敏雄・元自衛隊空将のお言葉にもある様に 外交とは「腹黒く」、又 拙邪推を許されるならば、そうした表裏ある「一枚のカード」たる事も事実。そうである以上、特に年間予算 30兆円超を投じて それこそ日共が大騒ぎする「大軍拡」を強行する中国大陸との対峙の為には、相応の国としての身構えと抑止力の後ろ盾を整える必要も大きくあるのではないか。
日共は今 10中総こと第 10回中央委員会総会に入っている様だが、どの途その会期中には我国の防衛努力を「大軍拡」などと非難揶揄する事だろう。一度位「大軍拡」を本当に推し進める中共に 正面からその言葉をぶつけでもすれば、党の国民的評価も少しは変わるだろうにとも思う所だが「革命を志向する政治勢力」に勢いをつける訳には決していかないのも事実。ここはせいぜい静観か。
という所で、脱線した記事を戻す事に。政治パフォーマンスとくれば、山本太郎・れいわ新選組代表の専売特許の感もありはするが、麻生自民副総裁のそれも 立場こそ違え相当なものと心得る。よって同氏の言動すべてに同意する者ではない。引用記事中「 インド大平洋での米国の抑止力は 2倍にも 3倍にも、4倍にだって増幅する」とされた辺りは、流石に要注意だろう。対豪的には所謂「リップ・サーヴィス」の域だろうが、実際の所は 関係各国や世界レベルの安保情勢との整合を図ったものであるべきは勿論だ。
そういう「難ある所」を上手くコントロールできれば、麻生自民副総理の内外の動きも 我国にとり相当な力となり得る事だろう。前政務官ら複数の不祥事に伴う更迭劇などで国民的支持率低迷中の岸田政権に そうした制御が適切にできるかは疑問だが、引き続き国民の負託に応える意思があるなら そうした所も本気で取り組んで頂きたいものだ。
今回画像も振り返り恐縮。先年秋 当地南郊の大府市との境界近くで目撃の、JR東海道本線を東上の 首都圏某私鉄向け新列車編成の輸送風景を。JR路線は まだ自車の動力使用が許されない為、JR貨物機関車の力を借りての送り込みという訳。