線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

能登ツァー2

2007年09月16日 22時48分36秒 | おまつり
昨晩は、能登町宇出津(うしつ)というところに泊まった。起きたのは9:00をまわっていた。宇出津は能登の内浦に面する波静かな漁港だ。7月には「あばれ祭り」という、能登の夏祭りの始まりを告げる大きな祭りで知られている。夕刻に見たい獅子舞があるので、午前中は温泉と巨木を巡る。

まず巨木。宇出津から30分ほどで輪島市へ出られるので、南志見地区の「里の与兵衛の椎」というスダジイを見た。まったく大きな盆栽のようなものだ。それから「南志見住吉神社の松」。これも立派な松だった。
更に、海岸の方へ進むとここは名舟地区。ここは、有名な「御神乗太鼓」で知られた漁村だ。名舟大祭では、この太鼓が演じられるという。能登と言えば「御神乗太鼓」というイメージなのだが、発祥はここか~!という感慨。
ここには名船寺という寺院の境内に「イスノキ」という珍しい木がある。椅子にできるような固い木らしい。子どもたちはこの葉っぱで草笛を鳴らしたことから「ピッピの木」ともいうそうだ。

さて温泉へ。旧柳田村の「柳田温泉」国民宿舎「能登やなぎだ荘」に入ってみた。朝8:00から外来入浴できるという。湯はさらりとしているが、かなり暖まる。汗がなかなか引かない。露天風呂はないものの、木々に囲まれた雰囲気が大変よかった。
その帰り。柳田はこの日「柳田大祭」の日。通りかかった白山神社には、能登の祭りのシンボル「キリコ」が組み立てられているところだった。今回は獅子舞ツァーだが、キリコもゆっくり訪ねたいな…と後ろ髪ひかれる思いで、ここを去る。

さて午後は、もう少し北上して、珠洲市へ。
目的その1…倒スギ。これは太さも太いが、樹の姿が不思議だ。文字通り枝がさかさまに下へ向かって伸びている。見た感じ、象さんの鼻みたいだ。近くに来ると、肌がよじれたようになっていて、注連縄でもねじった感じ。そして全体がスギというより、これまた巨大なマツの盆栽のような感じだ。とても見応えのある1本だ。

目的その2…「珠洲ちょんがり節」の音源探し。この唄、小学生のころ、加賀山昭さんの唄を聴いて「面白い唄だ」とチェック。♪ハァーヤレコレナーヤーレナー…ではじまる楽しい唄だ。ピカイチさん情報によると、珠洲市にあるショッピングセンターシーサイドにあるらしいとのこと。飯田町のシーサイドへ行ってみた。ちなみにここは本当にシーサイドにあった(笑)。
なかのCDショップには、加賀山昭さんの「ちょんがり珠洲」というテープがあった。いわゆる「ちょんがり節」ではなく、アレンジされ歌詞も「御立願口説」のようなものではなく、新しい名所・名物を読み込んだ楽しいものになっていた。これと、加賀山さんの民謡集の2本を購入。ちなみに加賀山さんは珠洲市の出身。

さて3:00p.m.もまわったので、再び羽咋市へ移動する。
まず【神子原獅子舞】へ行ってみる。ここは氷見からの街道沿いで峠を越えたところの地区だ。ピカイチさんと行ってみると、ある宿での舞だった。いくつかの舞を見た。「ヨソブリ」も見たが、かなりの迫力だ。ここでしばらく見ていたら、ピカイチさんが祭りと大樹の人や~、掲示板に出てくる人や~?という話題になった。神子原では祭りと大樹は有名サイトだ。
ここで雨。この3連休は「曇りのち雨」という予報だったがのに、降らなかったので、わたくしも「雨男」返上!と思っていたのに、やはり降り始めたか…と。まあ、結果的には通り雨だったけどね。

さて、続いて宝達志水町へ行ってみた。ここでは子浦(しお)の出雲神社のまつりで、【久保町獅子舞】がある。昨年メールいただき、久保町青年団のサイトにリンクはらせていただいている。わたくし、実際の獅子も見てないのでは申し訳ないし…と久保町に行きたかったのも今回の目的の1つ。
ここの獅子舞は、【新屋新川獅子舞】とともにまわっていた。花火をたくさん使っておられ、その中を幻想的な感じで舞っている。気のせいか、他地区より太鼓のリズムが細かいような印象。天狗の動きも奇怪な感じでおもしろい。
せっかくなので、久保町に一升瓶を奉納しようと、団長さんにいきなり声をかけ、HP担当の方をおたずねした。ちょうど天狗の準備ということで、おられなかったが弟さんと団長さんといお話させていただく。
また…次のお宅で、自分のお持ちした酒について、「花の御礼」でよんでいただくことに…。ちょっと恥ずかしかった~。
その後、HP担当の方ともお話しできた。メール以外でお目にかかれるというのは、何とも不思議な感じ。

さて、その後は同じ宝達志水町内の【杉野屋獅子舞】へ移動。ここは天狗がおもしろい烏帽子で、長細い形だった。獅子も元気よく、花火のもうもうとするなか、かっこよかった。さて、ここでは最後に神社に上がる「宮入り」がスゴイ。鳥居をくぐり、何段か続く石段の両脇にナイヤガラが仕掛けられている。その火花が落ちるところを上がっていくのである。花火の中であがる獅子のシルエットは、これまた幻想の世界だ。

そして、次に再び【神子原獅子舞】の「獅子殺し」に行く。
「獅子殺し」の時刻は一応10:00p.m.の予定なのだが、地元の方によると、12:00をまわるそうだ。少し時間があったので、神社で待つことに。
ここで再び、buchiさんとも合流。獅子方青年団の到着を待つばかり。

さて、いよいよ神輿も到着して、秋祭りのクライマックス。「獅子殺し」が始まった。天狗の動きは…細かく動くのだが、これが大変奇怪な雰囲気。この世のものとは思えないような雰囲気。そして獅子は獅子で、激しく動く。
そして、天狗が獅子を斬る。すると、激しくもだえるような動きはとてもリアル。そして、全体的に動きがダイナミックで、見る者を魅了する。そして、終わったのは…2:30a.m.
こうして、羽咋の獅子舞見物は終わった。
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能登ツァー

2007年09月15日 12時53分28秒 | おまつり
この3連休は能登の獅子舞を中心に見学することに。
朝、松本を出て、安房トンネルを越えて、平湯へ。獅子も見たいが、せっかく平湯に来たので、まず「平湯の大ネズコ」見学。んんっ!でかい。続いて、旧神岡町を経由して、富山入り。あちこち寄り道をしたので、大沢野に到着したのが11:00a.m.。ちょっと先を急ぐ。
高速で富山I.C.~小杉I.C.と利用して、射水~高岡経由でまず氷見へ。それにしてもあまりにも暑く、温泉でも浸かって汗を流そう!っと、潮の香亭へ行くことに。海岸沿いを進むと、太鼓台発見!獅子舞やってるぞ!っとあわてて停車。ここは氷見市泊、【泊獅子舞】だ。ここで見ないと!っと思い、下車して見学。

入浴後、今回は石川の獅子と思ってたので、氷見から羽咋へ向かうことに。途中、獅子舞ミュージアムに寄って、氷見市森寺と上田子のDVDを購入。楽しみだ。
それにしても、泊からこのミュージアムに来るまで、3つの獅子舞の集団に出会った。もう氷見は面白すぎ(笑)

さて、羽咋入りしたら4:00p.m.過ぎ。羽咋でもいろんな獅子舞があるとのこと。ここでピカイチさんと合流。羽咋市内を巡る。

まず駅前に駐車して、稲荷神社の【旭町獅子舞】をちらっと見る。子どもがやっていた。小ぶりの獅子頭をカツカツとやっていた。何か愛らしい。
続いて羽咋市郊外へ。すると、やはり子どもたちによる獅子が多い。
有名な気多大社近くの【寺家(じけ)獅子舞】、浜辺近くの【一の宮獅子舞】を見る。その後、【鹿島路獅子舞】【柳田獅子舞】にも立ち寄る。

再び、羽咋市街地に戻ると、川原町の「川渡し神事」を見る。中央町の獅子が舞い、祇園囃子が奏するなか、神輿が行く。ちなみに《祇園囃子》のメロディは信州で聴けるのと随分似ていてビックリした。民俗音楽はタイトルが同じでもメロディが全然違う!ということも多いので…。

そしてこの神輿は川に降りて、船に乗せる。そして川に入った人の松明を先導にして神社前まで行ったり来たりする。幻想的な雰囲気だ。

次に、志賀町まで移動、【二所ノ宮獅子舞】へ向かう。ここで祭りと大樹のbuchiさんと合流。神社まで行って、「獅子殺し」を見る。獅子殺しは氷見、射水など越中系の獅子舞では、最後の演目として知られる。なかなか迫力があった。

さて、二所ノ宮の「獅子殺し」が済んで、深夜12:00もとっくに過ぎた。この時間なら、氷見ではまだ舞っているとのこと、羽咋から再び氷見まで移動。まず【上田獅子舞】へ。上田(うわだ)は、氷見市でも羽咋寄りの場所だ。これまた迫力のある「ヨソブリ」を見ることができた。

まだもう1ヶ所。【表泉獅子舞】だ。ここもまた雰囲気が違う。ここはテンポが速くて、♪ヨイヨイヨイヨイ…というかけ声が印象的だった。

ということで、初日は10ヶ所回れた。ホントにここら辺は、獅子舞の宝庫だ。そして、4:00a.m.就寝。
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秋らしく

2007年09月14日 12時44分01秒 | 日々雑感
ちょっと前まで、とにかく暑かったのが信じられない感じだ。先週は、オンボロ住宅の「寝室」は、夜でも27度くらいあったが、この2~3日はそんなこともなく、涼しくちょうどいい(…というか寒いくらい?)。

天気も不安定で、今は晴れているが、朝方は雨だった。そして、この3連休はあまり天候がすぐれないみたいだ。

これから寒くなっていく。松本は過去2年、それほど降雪量もなく、楽ではあったが、とにかく寒かった。暑いのと寒いのではどっちがいいか?と聞かれると、まだ暑い方!と答えそうだ。

ああ…これから寒くなる。冬はいやだな…。
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2つのミンゾク

2007年09月12日 09時34分39秒 | 日々雑感
ミンゾク音楽と耳で聞いただけでは分かりにくいが、2つある。民族音楽と民俗音楽だ。民族音楽の方は、民族固有で所有してきた音楽、民俗音楽の方は、民間伝承されてきた音楽である。耳だけでは分かりにくいので、民族音楽はエスニック音楽、民俗音楽の方はフォークロアの音楽とすれば、分かりやすいかも。

もちろん民族音楽と民俗音楽とがかぶるところはある。例えば、雅楽《越天楽》は、日本の民族音楽ではあるが、民間伝承されてきたものではないので民俗音楽ではない。民間伝承されてないという観点から考えれば、近世邦楽、尺八の曲なども民族音楽であって、民俗音楽ではない。一方、《江差追分》《木曽節》といった民謡や、各地の獅子舞や神楽といった民俗芸能に附随する囃子などは、民間伝承によるものなので民俗音楽であるが、日本民族のものでもあるので民族音楽でもある。

学問の世界では「民族音楽学」という分野は確立している。「エスノミュジコロジー(ethnomusicology)」で、かつて「比較音楽学」から発展してきたものだ。一方、「民俗音楽学」という分野はまだない(はず…)。日本民俗音楽学会も設立され、学問としての「民俗音楽学」を目ざすが、今のところ「民俗音楽研究」の範疇である。

このように、二つのミンゾク音楽があって、ややこしい感じがするが、その成立やあり方を正しく把握したい。これらと関係あるのが「民俗学」と「民族学」。やはり意味するところも、研究対象も異なる。

ところで「民俗芸能」ということばがある。これも、かつて「郷土芸能」「郷土芸術」等々、さまざまな呼ばれ方を経て「民俗芸能(folkloric performing arts)」として、現在にいたる。一方で「民族芸能」と書いてあるものもあるが、現在のところこの呼称は存在しない。民族がもつ芸能というようなことなのだろうが、術語としてはない。
また打ち間違えで「無形民俗文化財」と書くべきところ、「無形民族文化財」になってるものも見かけるが、これもあり得ない。

わたくしが関心があるのは「民俗音楽」と「民俗芸能」。これから秋祭りシーズン。少しでも出かけたいな。
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鼓童のCD

2007年09月10日 19時09分56秒 | 音楽
佐渡に拠点を置く<鼓童>は、太鼓を中心とした日本の伝統音楽、またそこから現代への再創造を試みる集団。わたくしは、生の公演を鑑賞したのは2回しかないのだが、太鼓こそは生でないと…と思う。空気を伝わってくる振動は、生でないと味わえないし、汗だくになって打ち続けるプレーヤーの姿も、太鼓を聴く上では重要な要素ではあると思う。

しかし、なかなか公演には行かれないので、CDも何枚か買い集めている。
最近買ったのでは、「Heartbeat」というアルバムだ(2006,11).

これには、今までのアルバムに入っている曲も含まれるが、改めて聴いてみると、おもしろいなーと思った。

鼓童は「屋台囃子」とか「弓ヶ浜」みたいなトラディショナル曲も演奏されるが、オリジナル曲も多い。このアルバムで改めていいなーと思ったのは、「彩」(レナード衛藤作曲)。アンコールに使われることが多いのだそうだが、太鼓のリズムとともに、笛のメロディがいい。
また「いぶき」(山口幹文作曲)。しみじみとした情感がある。

公演にはなかなか行けないので、あらためてCDをじっくり聴こう!

ただ…危ないのは、車の中で大音量で聴いていると、周囲の音が全然耳に入らなくなる…(笑)

いや…笑い事ではないぞ!
コメント (2)
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