はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

ちょっと気になること3つ

2017年03月18日 | はなこのMEMO
■大手銀行カードローンのCM

 某大手銀行のカードローンのテレビCMに俳優の阿部寛さん(確か竹中直人さんやタモリさんも…)が出演している。阿部さんは好きな俳優さんなので、一般の人々に安易に借金を勧めるCMに彼が出演していることにちょっとがっかりしている。

 高感度の高い彼が爽やかに微笑んで勧めたら、本来なら熟慮すべき借金へのハードルも確実に低くなるだろう。

 昨日のニュースによれば、この5年でカードローンの利用総額は60%も増加しているそうだ。国内で営業する銀行を会員に持つ全国銀行協会はカードローン利用者の増加を受けて、利用者の多重債務を懸念し、改めて各銀行へ利用者の収入や(他行やサラ金業者も含めた)借入総額を確認して、その返済能力を見極めるよう注意を促していると言う。

 近年は正規の住宅ローン等も貸付の低金利が続き、また、景気の先行きへの不安もあって企業の設備投資意欲もなかなか高まらず、大手銀行は利幅の大きな大手サラ金業者を傘下に入れる等して、貸付利益を上げることに躍起になっている(ように見える)

 一方、国民の間では非正規雇用者が増えて、「ワーキングプア」と呼ばれる生活困窮者も増えているが、彼らが担保が要らない代わりに貸付金利の高いカードローン利用で多重債務に陥る危険性は高まっていると思う(全銀協が注意喚起する位だから、事態は私達が想像する以上によほど深刻な状況なんだろう)

 誰でも真面目に働けば、借金に頼らずに暮らして行ける社会になることが理想だけれど…せめて日本という国が、特に若い人が将来に夢の持てる社会になって欲しいと切に思う


■カジノ誘致の危うさ

 日本でも疲弊する地方経済の救世主としてカジノの誘致が有望視されているが、先行する韓国の現状を見ると不安しかない。

 韓国には全土に7つのカジノがあるらしいが、カンウォン道にあるカジノのみ韓国人も利用が可能だそうだ。元は炭鉱町だった街の起死回生の策として1990年代にカジノを誘致。カジノ目当てに年間300万人もの人々が当地を訪れ、そこだけで国内の収益の半分以上を占めるらしい(つまり、国の当初の外貨獲得の目論見は外れて、外国人観光客より自国民がカジノで散財しているということ)

 確かに街はカジノの誘致によって財政的には潤った。しかし、カジノ客目当ての風俗店が増え、カジノにのめり込んで身を持ち崩した「カジノ・ホームレス」が1,000人以上も街に留まって、街の風紀はけっして良いとは言えない。さらに街の質屋の周辺では常時50~70台の車が質預かり品として路上に放置されているらしい。

 しかも、「カジノ・ホームレス」となった人々の前職を聞くと、それなりに高い収入や地位だったりする。そんな普通の人々がカジノに嵌ったばかりに、仕事も地位も財産も、そして家族や帰る場所も失ってしまったのだ。けっして他人事とは思えない。

 そんな街は子育てに適していないと見切りをつけられたのか、地元の小学校は在籍児童の減少が続いていると言う。街の様子を想像するだけでも寒々しいものを感じる。

 韓国では現在100人中5人がギャンブル依存症と言われ、カジノ側も1カ月に入場できる回数を制限する等して対応していると言うが、現地の賭博問題管理センターの担当者は「ギャンブル依存症はなってしまってからでは遅い。予防が一番」と訴える。

 日本でも大阪府や沖縄県がカジノ誘致の候補地として有力視されているが、それでなくても風紀や教育の面で他の自治体に比べて問題の多い両者が、カジノを誘致することでさらに問題が深刻化するのではと心配だ。

 カジノは「劇薬」かもしれないのだ。


■たった一言の台詞に歴然と出る演技力の差

 映画館で「追憶」と言う映画の予告編を見る度に感じる事がある。

 最近主演作が相次ぎ、俳優としての評価も高まっているアイドル出身の岡田准一君だが、舞台経験も豊富な小栗旬君との絡みのシーンではどうしても演技力の差が出てしまう。

 一方的にがなりたてるだけの岡田君に対し、ほんの短い台詞の中にも繊細に抑揚をつけて、登場人物の心の奥底にある哀しみを表現してみせる小栗君。「中堅二人の演技対決に勝負あった!」と、そのシーンを見る度に思うのである。

 さすがに小栗君は蜷川舞台で鍛えられただけのことはある。彼は公私共に華やかな雰囲気から、単なる人気俳優と捉えられがちだが、なかなかどうして演技巧者だと思う。

 無類の女好きとの噂もあるが、それだけエネルギッシュと言うことなんだろう。お金の使い方にも太っ腹なところがあるようだし、先輩後輩からも慕われ人望も厚いようだし、日本初の俳優の労働組合結成にも動いているようだし、人としてなかなかの器の持ち主だと思う。

 あいにく小栗君の出演(ほぼ主演?)舞台は未見だけれど、彼の出演するテレビドラマや映画は殆ど見ている。中堅俳優の中では最も期待している俳優のひとりだ。

 だから、つまらないことで躓(つまづ)かないで欲しいと願っている。
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