はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

タンカン便り~from my friend

2006年01月20日 | はなこ的考察―良いこと探し

皮が厚くて固くて、少し大きめ。山の木から
友人が直接もいで送ってくれたタンカンは、
とってもジューシィ♪


昨晩、友人から「タンカン」が届いた。
タンカンとは、九州以南に植生する、
みかんの一種だ。種としては伊予柑に近い。
一般に広く流通している温州みかんと比べ、
皮が厚く固い。少し大きめで重量感もある。
見た目は今ひとつだが、実はビタミンCの
含有率がみかん類の中でも随一らしい。
元は中国広東省原産の、オレンジとポンカンの
自然交配でできたものと言われている。
我が家の3人家族では食べきれないくらいの量
なので、いつもご近所さんにお裾分けしているが、
見た目の武骨さからは想像できないおいしさが好評だ。
毎年届くのを楽しみしておられるご年配の方もいる。

厚い皮を剥ぐやいなや爽やかで甘酸っぱい香りが
辺り一面に広がる。その香りが食欲を刺激する。
野性味が強い分、香りも自己主張が強い、といった感じだ。
一房口にほおばると、口の中にもその爽やかな
香りと甘み、程よい酸味が広がる。さらに呑み込むと
果汁がたっぷりなので、喉にもそのジューシィさが
広がって行くのを感じる。


食べる前に写真を撮ってみた。上から撮ると、
違いなんてわかりませんね。ははは・・・(^_^;)


友人の妹の嫁ぎ先がみかん山を所有しており、
毎年この時期の週末に親族一同でミカン狩りに
出かけるのだそうだ。山でもいだものをその場で
梱包し発送してくれる、いわゆる産地直送なので、
とにかく新鮮だ。みかん箱の中には、産地の清浄な
空気も一緒に梱包されているのではないか。
箱を開ける度にそんなことを想像し、鼻を近付ける。
私はこの友人の季節の便りを、”タンカン便り”
と呼んでいる。

”タンカン便り”はおいしいタンカンと共に、
友人の声を運んでくれる。遠く離れた友人は、
横浜の学校で保育士の資格を取得後は、帰郷して
ずっと結婚後も子供ができてからも保育士の仕事を
続けている。もう保育士歴22年の大ベテランだ。
実家の近くに居を構え、実家の両親の全面協力で
これまで続けて来られたと言う。保育士は今時
延長保育はあるし、残業や休日研修も少なくない。
仕事柄、工作物など家に持ち帰る仕事も多い。
実家の両親の協力なしに、この仕事はとても続けては
来られなかったと、ことあるごとに友人は言っている。
そんな多忙を極める友人への電話は遠慮しがちだ。
しかし、「タンカンが届いた」ことを伝える電話は、
私に堂々と電話をする機会を与えてくれる。

電話した。友人は折り悪く入浴中だった。電話口に出た
ご主人と互いの近況を報告しあった。
「お変わりないですか?」という私の言葉に、
「いや~、40も半ばを過ぎるとガタが来ているよ」と
いつもは軽口を飛ばすご主人から、いつになく弱気な発言。
若い頃はスポーツマンでならした人だ。
聞くと、頭痛が続いたので、耳鼻科、脳神経外科など
いろいろな医者に診て貰ったのだそうだ。耳鼻科で
慢性的な蓄膿症の所見があると言われ服薬していたが
症状は改善せず、ある人の助言で整形外科に行ったら、
意外にも「首のヘルニア」と診断されたらしい。
ヘルニアは骨と骨との間のクッション役を果たす椎間板が、
加齢や体重増加、骨を支える首の筋肉の衰えなどによって
潰れてしまう疾患だ。私も腰に同様の疾患を抱えている。
治療法は痛み止め薬と首の筋肉を鍛えるリハビリだという。
「それじゃあ、○ちゃんによろしくお伝え下さい。
◎さんもお大事になさってね」と言って電話を切った。

すると暫くして「もう一度電話しないとダメだよ」と夫。
「○ちゃんから届いたんだから、直接○ちゃんにお礼を
言わなきゃ意味がないよ。」
私は時間も遅いしと遠慮したが、まだ大丈夫だからと
夫が私をプッシュした。
一度は電話で伝言をお願いしたのに、
と思いながらもう一度電話をすると、友人が出た。
「久しぶり。やっぱりあなたに直接お礼を言いなさいって
夫が。それに声も聞きたかったしね。今話して大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ホント、久しぶりだねえ~」
IP電話で電話代もたいして掛からないからと夫に言われたが、
つい話し込んで長電話になった。さすがに15分を過ぎた頃、
「電話してもいいって言ったけど、長過ぎる」と怒られた。
確かに、明日も仕事が控えている友人にも迷惑だ。
「じゃあ。元気でね」後ろ髪を引かれる思いで電話を切った。
年に1度の、嬉しい、楽しいタンカン便り 
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