天王寺動物園は、阪神高速14号松原線の高架下を走る道路を挟んで新世界と隣接しており、串かつを食べた後、新世界独特の雰囲気を楽しみながら、のんびり向かいました。
新世界って…時代が昭和にタイムスリップしたかのような猥雑さを残す街並みですね。作り物でない、というところが凄いと思う。
冒頭写真は、途中で見かけた映画館「新世界国際劇場」。ロードショー遅れの洋画3本立て上映のようです。「ザ・タウン」「RED」「ウォール・ストリート」の文字が見えます。なんとまあ懐かしいことに、看板の絵が昔ながらの手描きなんですね。「RED」に主演のブルース・ウィリスの顔が描かれていました。この映画館に興味が湧いてググッてみたところ、ヤフー知恵袋に以下のようなやりとりがありました。
◆ 「大阪の映画館「新世界国際劇場」をご存じですか?」
なかなかインパクトのある映画館のようです。さらにヤフーの映画館ユーザーレビューを読むと、輪をかけてキョーレツなコメントが…女性1人でなんてもってのほかで、男性も1人で行くのはオススメできないらしい。
終映時間を守る為に、そこから逆算して初回の映画を途中から上映するなんて、昔の映画館では珍しくなかったらしいのですが、そのやり方が今だ健在とは、やっぱり、ここだけ時間が昭和30年代で止まっているんでしょうね。
上映作品のラインナップも悪くないし、入場料が3本で1,000円はレンタルDVDより安くて魅力的なのですが…小ぎれいなシネコンに慣れたヤワな人間には、耐えられない鑑賞環境のようです。
◆新世界国際劇場ユーザーレビュー(8件)
確かに、イマドキの映画館としては、設備、サービス、観客のマナーのどれをとっても最低レベルなのかもしれません。しかし、連日オールナイト上映で、この映画館で夜を明かす人も少なくないと言う話には、考えさせられるものがあります。雨露をしのぐ場所として、この映画館を必要としている人々がいる。ある種セーフティネットの役割を果たしている。秩序立った社会からこぼれ落ちてしまった人々の為のセーフティネットと言う意味では、新世界一帯が、その役割を担っているのかもしれません。
新世界のような光景を目の当たりにすると、考えてしまう。日本という国が、近代化を推し進める中で重視して来た「合理性」「効率性」「収益性」「先進性」。それらを金科玉条に、社会から、それらに反するすべてのものを排除しようという考え方は、果たして正しいのでしょうか?古いもの、汚いもの、役に立たないもの、規格から外れたもの、そして美しくないもの。それらは果たして本当に、私達の生きている社会で不要なものなのか?社会の中で、それらが生き残る余地はどこにもないのか?
そんなことはないですよね。私達が生きている世界は日の当たるところに影ができるように、常に相反するものが合わせ鏡のように存在する。プラスとマイナス、陰と陽のバランスのもとに成り立ち、実は互いが支え合った関係でもある。常に日向にいる者はそのことを忘れがちですが、とても大切なこと。そのバランスを欠き、どちらか一方が排除されるようないびつな世界は、結局、誰にとっても息苦しい、生きづらい場所になるような気がします。
新世界界隈は、多くの大阪人曰く「大阪人から見てもコアな大阪」らしく、串かつ店探しでクチコミ情報を読んだ中にも、「最近こそ、だいぶ小ぎれいで安全な雰囲気になったけど、昔は怖くて近づけなかった」なんてコメントもありました。また、吉本の芸人がことあるごとに、この地について面白可笑しく語るので、いろいろな意味でディープな場所なんでしょう。
よく聞くのは、「とにかくワケのわからない、オモロイおっちゃんが、ぎょーさんおる街」。露店売りのおっちゃんが、なぜか靴を片方だけ売っていた、と言う話は有名ですね先日も、あるお笑い芸人が訪れた際、建物の外壁と自動販売機の隙間に挟まれるようにしてじっと立っているおっちゃんがいて、それに気づいた連れの女性がびっくりして声を上げたところ、「なんや、人が昼寝してるとこ、起こすなや」と怒られたんだとか。その場面を想像するだけで、笑いがこみ上げて来ます。ホンマ、オモロイなあ
私は一旅行者として、ピンポイントで観光名所を巡っていたりするのですが、しばしばマスコミでも取り上げられる「あいりん地区」がこの近くにあるとは、不勉強で知りませんでした。良くも悪くも、そうした背景が、独特の雰囲気を醸し出しているのでしょう。
そう言えば、放蕩の末弟と、その弟に振り回されながらも姉として世話を焼く女性が主人公の映画「おとうと」(山田洋次監督、吉永小百合、笑福亭鶴瓶主演)も、この新世界界隈が舞台のひとつでした。鶴瓶演じる「おとうと」は、この界隈に棲息するオモロイおっちゃんたちをモデルにした人物像だったのでしょうか?だとしたら、オモロイだけの人生ではないですね。いろいろあるのでしょうね。
ところで、右端に写り込んでいるおじちゃん。私がシャッターを切るまで待っててくれたのです。おじちゃんとのニアミスも、大阪の思い出のヒトコマやね。
さあ高架下を通る道路を渡って、いよいよ動物園に入園です
◆天王寺動物園・天王寺公園アクセスマップ
◆天王寺動物園園内マップ
新世界って…時代が昭和にタイムスリップしたかのような猥雑さを残す街並みですね。作り物でない、というところが凄いと思う。
冒頭写真は、途中で見かけた映画館「新世界国際劇場」。ロードショー遅れの洋画3本立て上映のようです。「ザ・タウン」「RED」「ウォール・ストリート」の文字が見えます。なんとまあ懐かしいことに、看板の絵が昔ながらの手描きなんですね。「RED」に主演のブルース・ウィリスの顔が描かれていました。この映画館に興味が湧いてググッてみたところ、ヤフー知恵袋に以下のようなやりとりがありました。
◆ 「大阪の映画館「新世界国際劇場」をご存じですか?」
なかなかインパクトのある映画館のようです。さらにヤフーの映画館ユーザーレビューを読むと、輪をかけてキョーレツなコメントが…女性1人でなんてもってのほかで、男性も1人で行くのはオススメできないらしい。
終映時間を守る為に、そこから逆算して初回の映画を途中から上映するなんて、昔の映画館では珍しくなかったらしいのですが、そのやり方が今だ健在とは、やっぱり、ここだけ時間が昭和30年代で止まっているんでしょうね。
上映作品のラインナップも悪くないし、入場料が3本で1,000円はレンタルDVDより安くて魅力的なのですが…小ぎれいなシネコンに慣れたヤワな人間には、耐えられない鑑賞環境のようです。
◆新世界国際劇場ユーザーレビュー(8件)
確かに、イマドキの映画館としては、設備、サービス、観客のマナーのどれをとっても最低レベルなのかもしれません。しかし、連日オールナイト上映で、この映画館で夜を明かす人も少なくないと言う話には、考えさせられるものがあります。雨露をしのぐ場所として、この映画館を必要としている人々がいる。ある種セーフティネットの役割を果たしている。秩序立った社会からこぼれ落ちてしまった人々の為のセーフティネットと言う意味では、新世界一帯が、その役割を担っているのかもしれません。
新世界のような光景を目の当たりにすると、考えてしまう。日本という国が、近代化を推し進める中で重視して来た「合理性」「効率性」「収益性」「先進性」。それらを金科玉条に、社会から、それらに反するすべてのものを排除しようという考え方は、果たして正しいのでしょうか?古いもの、汚いもの、役に立たないもの、規格から外れたもの、そして美しくないもの。それらは果たして本当に、私達の生きている社会で不要なものなのか?社会の中で、それらが生き残る余地はどこにもないのか?
そんなことはないですよね。私達が生きている世界は日の当たるところに影ができるように、常に相反するものが合わせ鏡のように存在する。プラスとマイナス、陰と陽のバランスのもとに成り立ち、実は互いが支え合った関係でもある。常に日向にいる者はそのことを忘れがちですが、とても大切なこと。そのバランスを欠き、どちらか一方が排除されるようないびつな世界は、結局、誰にとっても息苦しい、生きづらい場所になるような気がします。
新世界界隈は、多くの大阪人曰く「大阪人から見てもコアな大阪」らしく、串かつ店探しでクチコミ情報を読んだ中にも、「最近こそ、だいぶ小ぎれいで安全な雰囲気になったけど、昔は怖くて近づけなかった」なんてコメントもありました。また、吉本の芸人がことあるごとに、この地について面白可笑しく語るので、いろいろな意味でディープな場所なんでしょう。
よく聞くのは、「とにかくワケのわからない、オモロイおっちゃんが、ぎょーさんおる街」。露店売りのおっちゃんが、なぜか靴を片方だけ売っていた、と言う話は有名ですね先日も、あるお笑い芸人が訪れた際、建物の外壁と自動販売機の隙間に挟まれるようにしてじっと立っているおっちゃんがいて、それに気づいた連れの女性がびっくりして声を上げたところ、「なんや、人が昼寝してるとこ、起こすなや」と怒られたんだとか。その場面を想像するだけで、笑いがこみ上げて来ます。ホンマ、オモロイなあ
私は一旅行者として、ピンポイントで観光名所を巡っていたりするのですが、しばしばマスコミでも取り上げられる「あいりん地区」がこの近くにあるとは、不勉強で知りませんでした。良くも悪くも、そうした背景が、独特の雰囲気を醸し出しているのでしょう。
そう言えば、放蕩の末弟と、その弟に振り回されながらも姉として世話を焼く女性が主人公の映画「おとうと」(山田洋次監督、吉永小百合、笑福亭鶴瓶主演)も、この新世界界隈が舞台のひとつでした。鶴瓶演じる「おとうと」は、この界隈に棲息するオモロイおっちゃんたちをモデルにした人物像だったのでしょうか?だとしたら、オモロイだけの人生ではないですね。いろいろあるのでしょうね。
ところで、右端に写り込んでいるおじちゃん。私がシャッターを切るまで待っててくれたのです。おじちゃんとのニアミスも、大阪の思い出のヒトコマやね。
さあ高架下を通る道路を渡って、いよいよ動物園に入園です
◆天王寺動物園・天王寺公園アクセスマップ
◆天王寺動物園園内マップ