はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

宇多田ヒカル考

2016年10月15日 | はなこのMEMO
 宇多田ヒカル。

 タイプすると、常に正しい変換で出る。これは凄いよね。

 間違っても歌田光とか、訴打輝とは出ない。

 そもそも宇多田なんて言う珍しい苗字、
 宇多田ヒカルが、その存在を知らしめたと思うんだよね。

 親孝行だよ。否、ご先祖孝行だよ。ヒカルさん。


 最近、宇多田ヒカルが久しぶりに出したアルバムCDを買った。

 あれよあれよという間に10代でメガヒットを飛ばして、 
 一躍「時の人」「時代の歌姫」と持て囃された宇多田ヒカル。
 それでも聡明な彼女は、ひとりの人間としての生き方を模索して、
 米国の大学に入学するも中退したり、
 若くして結婚するも離婚したり、
 「人間活動がしたい」と、
 誰もが予想していなかったような長い休養に入り、
 その間、最愛の母を亡くし(その亡くなり方もショッキングだった)
 海外でイタリア人と再婚し、出産を経て、
 このほど表舞台に復帰。

 まだ若いのに、既に波乱万丈な人生だなあ…と思う。
 何だか生き急いでいるようにも見えるのは、
 やっぱり早熟の天才だからなのか?

 買った最新アルバムを毎日のように聴いている。
 内、数曲はCD発売前にテレビドラマや
 ニュース番組のテーマ曲として採用されていたり、
 久しぶりのテレビ出演で本人が歌ったり、
 つい最近CM曲で頻繁に流れていたりして、
 既に耳に馴染んでいたりする。

 シンガーソングライターの曲だから、
 似たようなメロディーラインのものもあったりするのだが、
 ちゃんと「宇多田ヒカルの世界観」が出来上がっていて、
 歌詞に心に響くフレーズが多々あって、
 やっぱり宇多田ヒカルは良い作り手、歌い手だなと思う。
 そして、母になった宇多田ヒカルの声には温かみが増した。  
 聴いていて、胸の奥がじんわりと温かくなるような声。
 その声で、我が子に子守唄もたくさん歌ってあげたのだろうか?

 彼女は、かつて日本での大成功を受けて米国進出を図ったが、
 日本ほどの成功を見る事は出来なかった。

 しかし、それで宇多田ヒカルの才能に限界を感じたかと言えば、
 必ずしもそうではなくて、
 こういう音楽に対する感性はそれぞれのお国柄と言うか、
 やはり各々の風土に根付いたものだと思うので、
 たまたま宇多田ヒカルの曲は、
 米国人の感性にマッチする楽曲でなかっただけなんだと思った。

 米国で成功すると言うことは、
 米国基準の感性に基づき、
 米国のマーケットで受け入れられたに過ぎない。
 
 そもそもアメリカン・スタンダードが価値判断の全てではないよね。
 日本人の感性にフィットする宇多田ヒカルの楽曲。
 
 それこそが、彼女の得難い個性なんだと思う。
 それこそが、彼女が宇多田ヒカルである理由だと思う。
 それを理解し、受け入れてくれる国は、 
 米国以外の、どこか他にあるのかもしれない。

 宇多田ヒカルの歌を同時代に聴ける幸福。
 このこと自体を私は感謝しよう… 
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