2日目の宿泊は、石川県の奥座敷山代温泉にある旅館雄山閣。予めネットで調べたら、初日のひだホテルプラザが好評なのに対し、こちらは接客の評判があまり芳しくなかったのですが、実際、部屋の急須に先客のお茶が残っていたりしてガッカリ。さらに大浴場がなぜかギリシャ神殿風の作り。浴場に入るといきなりギリシャ彫刻もどきが出迎えてくれて笑えました。加賀と言ったら前田家百万石のイメージが強いので、そこにギリシャ風はチグハグな印象を覚えます。ともあれ、温泉利用者としては、泉質が良くて清潔感さえ損なわなければ良いのですけれど。
夕食は大広間で和洋中華取り揃えのバイキングでした。しかし椅子席ならともかく、座布団席で立ったり座ったりは結構難儀なことです。しかも座席から食べ物までの場所は遠いし…軽く運動しながら食べている、と言う感覚でした。気楽と言えば気楽なのですが、どうも落ち着かない。
翌日は帰りの電車の関係もあり旅館を早めの出発なので(そうでなくても猛暑の中での観光で疲労困憊状態!)、この日は旅館周辺を散策することもなく、入浴後は早々と就寝しました。
【3日目】いよいよ最終日!
ツアー一行は7時50分にロビーに集合し、一旦石川県とは別れを告げ、福井県随一の景勝地、東尋坊へと向かいました。東尋坊と言ったら2時間サスペンスドラマでお馴染みの場所ですね。いよいよ追いつめられた犯人が崖近くで犯行を告白するシーンを何度見たことか。しかし実際にこの目で見るのは初めてです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/94/c41b085e692c6971f93b4378f6e32fd3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/f1/6a8c448433452e45a8ee61b749d9cd62.jpg)
左)遊覧船乗り場。紺碧の海が美しい 右)海側から見た東尋坊の姿形。切り株みたい
あいにく私はサンダル履きだったので、ゴツゴツとした岩肌の崖近くまでは行きませんでした。足下の心配以上に、かつては年間100人近くの自殺者を出したと言う場所へ近づくのが怖かったからです。現在では公衆電話の設置や地元の人々の細かな目配りによって、自殺者は激減したと言われています。もっとも、私たちが訪ねた朝の爽やかな時間帯は眼前に美しい大海原と天空が広がるばかりで、爽快な景色を見る限り、そうした暗い一面は微塵も感じられませんでしたが。東尋坊は晴れた日の午前中に訪ねるに限りますね!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/a8/1e7237846d8f72ddd5fbc219c67b623f.jpg)
続いて、同じく福井県にある永平寺へと向かいました。福井県は日本における仏教の上陸地。初期仏教の面影が色濃く残る土地柄です。大学時代には「古美術研究」という授業で当地を訪れ、数多くの仏像を見学しました。しかし永平寺は今回が初めての訪問となります。
永平寺は神奈川県横浜市鶴見区にある総持寺と並び、曹洞宗の大本山です。配布のリーフレットによれば、今から約760年前の寛元2年(1244)に、道元禅師によって開かれた座禅修行の道場とのこと。三方を山に囲まれた境内に、大小70余りの建物が並んでいます。
ここでは、雲水と呼ばれる平均年齢23歳の修行僧が全国各地から集い、最短でも1年間、長い人では数年以上(現在は最長8年の、過去には13年の修行僧が存在)、畳半畳分だけを寝る場にあてがわれ(このため布団を縦半分に畳み、それを紐で結んでその間に寝袋のようにして修行僧は就寝)、夏は3時半、冬は4時起床、肉食一切なしの質素な精進料理を食しながら、座禅、朝課、行鉢、作務、と言った厳しい修行に明け暮れるのだそうです。もちろん、私たち一般参拝者も襟を正して参拝するよう、最初に通された部屋で概説に立たれた雲水に促されました。
寺内は撮影自由ですが、修行僧の撮影は禁止。御仏に仕える身に対して、それは当然ですね。しかし、修行僧は皆さん(男性への形容としては相応しくないかもしれませんが)楚々として美しく、被写体としてはとても魅力的でした(もちろん撮ってません!)。興味深いのは、寺院正面中央に位置する山門は、通常貫首のみが出入りを許される門で、雲水は生涯に入門と出門の2度だけ、その門をくぐることを許されるのだそうです。ここまで徹底しているからこそ、修行に値すると言えるのかもしれません。何かとケジメのないご時世にあって、この厳しさはいっそ清々しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/85/96039c914a3560f9609fa9f5c2771dbf.jpg)
今まで数々の寺社を訪ねて来ましたが、永平寺が他の寺と構造的に違うのは、各建物が縦横に張り巡らされた渡り廊下(階段)で結ばれていることです。参拝者は玄関で履き物を脱ぎ、山の斜面に沿って建てられた各所を、屋根付きの階段を伝って訪ね歩くと言う形になります。これなら雨が降ろうが、雪が舞おうが、建物間の移動は容易ですね。しかし、とにかく階段が多い。この日は階段の昇降で汗だくになっての参拝でした。それ自体がまさに修行と言えるのかもしれません。
☆おことわり☆
上高地で感動のあまり写真を撮りまくり、デジカメのメディアのスペースがあっと言う間になくなってしまったので、このページから写真は携帯のカメラによる撮影となります。その為、肝心の永平寺の内階段がフラッシュ撮影禁止なので撮影できませんでした。高感度のデジカメなら、フラッシュなしでもキレイに写ったことでしょうね。その写真があれば、”修行”の臨場感がお届けできたものを(笑)。
夕食は大広間で和洋中華取り揃えのバイキングでした。しかし椅子席ならともかく、座布団席で立ったり座ったりは結構難儀なことです。しかも座席から食べ物までの場所は遠いし…軽く運動しながら食べている、と言う感覚でした。気楽と言えば気楽なのですが、どうも落ち着かない。
翌日は帰りの電車の関係もあり旅館を早めの出発なので(そうでなくても猛暑の中での観光で疲労困憊状態!)、この日は旅館周辺を散策することもなく、入浴後は早々と就寝しました。
【3日目】いよいよ最終日!
ツアー一行は7時50分にロビーに集合し、一旦石川県とは別れを告げ、福井県随一の景勝地、東尋坊へと向かいました。東尋坊と言ったら2時間サスペンスドラマでお馴染みの場所ですね。いよいよ追いつめられた犯人が崖近くで犯行を告白するシーンを何度見たことか。しかし実際にこの目で見るのは初めてです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/1c/1c24ff6235afb3915be37399d76b7402.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/94/c41b085e692c6971f93b4378f6e32fd3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/3c/df1c27c24ab521450cd89eec318f75e8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/f1/6a8c448433452e45a8ee61b749d9cd62.jpg)
左)遊覧船乗り場。紺碧の海が美しい 右)海側から見た東尋坊の姿形。切り株みたい
あいにく私はサンダル履きだったので、ゴツゴツとした岩肌の崖近くまでは行きませんでした。足下の心配以上に、かつては年間100人近くの自殺者を出したと言う場所へ近づくのが怖かったからです。現在では公衆電話の設置や地元の人々の細かな目配りによって、自殺者は激減したと言われています。もっとも、私たちが訪ねた朝の爽やかな時間帯は眼前に美しい大海原と天空が広がるばかりで、爽快な景色を見る限り、そうした暗い一面は微塵も感じられませんでしたが。東尋坊は晴れた日の午前中に訪ねるに限りますね!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e9/9cf4d515188c9c604c29b760699d7158.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/a8/1e7237846d8f72ddd5fbc219c67b623f.jpg)
続いて、同じく福井県にある永平寺へと向かいました。福井県は日本における仏教の上陸地。初期仏教の面影が色濃く残る土地柄です。大学時代には「古美術研究」という授業で当地を訪れ、数多くの仏像を見学しました。しかし永平寺は今回が初めての訪問となります。
永平寺は神奈川県横浜市鶴見区にある総持寺と並び、曹洞宗の大本山です。配布のリーフレットによれば、今から約760年前の寛元2年(1244)に、道元禅師によって開かれた座禅修行の道場とのこと。三方を山に囲まれた境内に、大小70余りの建物が並んでいます。
ここでは、雲水と呼ばれる平均年齢23歳の修行僧が全国各地から集い、最短でも1年間、長い人では数年以上(現在は最長8年の、過去には13年の修行僧が存在)、畳半畳分だけを寝る場にあてがわれ(このため布団を縦半分に畳み、それを紐で結んでその間に寝袋のようにして修行僧は就寝)、夏は3時半、冬は4時起床、肉食一切なしの質素な精進料理を食しながら、座禅、朝課、行鉢、作務、と言った厳しい修行に明け暮れるのだそうです。もちろん、私たち一般参拝者も襟を正して参拝するよう、最初に通された部屋で概説に立たれた雲水に促されました。
寺内は撮影自由ですが、修行僧の撮影は禁止。御仏に仕える身に対して、それは当然ですね。しかし、修行僧は皆さん(男性への形容としては相応しくないかもしれませんが)楚々として美しく、被写体としてはとても魅力的でした(もちろん撮ってません!)。興味深いのは、寺院正面中央に位置する山門は、通常貫首のみが出入りを許される門で、雲水は生涯に入門と出門の2度だけ、その門をくぐることを許されるのだそうです。ここまで徹底しているからこそ、修行に値すると言えるのかもしれません。何かとケジメのないご時世にあって、この厳しさはいっそ清々しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/d6/9a9daa41c9cb7f6b1f72bc3927a887c8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/15/818ee668d4a4609f7d59d98fdace7ab7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/85/96039c914a3560f9609fa9f5c2771dbf.jpg)
今まで数々の寺社を訪ねて来ましたが、永平寺が他の寺と構造的に違うのは、各建物が縦横に張り巡らされた渡り廊下(階段)で結ばれていることです。参拝者は玄関で履き物を脱ぎ、山の斜面に沿って建てられた各所を、屋根付きの階段を伝って訪ね歩くと言う形になります。これなら雨が降ろうが、雪が舞おうが、建物間の移動は容易ですね。しかし、とにかく階段が多い。この日は階段の昇降で汗だくになっての参拝でした。それ自体がまさに修行と言えるのかもしれません。
☆おことわり☆
上高地で感動のあまり写真を撮りまくり、デジカメのメディアのスペースがあっと言う間になくなってしまったので、このページから写真は携帯のカメラによる撮影となります。その為、肝心の永平寺の内階段がフラッシュ撮影禁止なので撮影できませんでした。高感度のデジカメなら、フラッシュなしでもキレイに写ったことでしょうね。その写真があれば、”修行”の臨場感がお届けできたものを(笑)。